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2015年07月27日19:49

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【萩尾望都先生の漫画技法と表現】

7月19日(日)、特別講演「萩尾望都先生の漫画技法と表現」を聴きに女子美杉並校に行ってきました。感想ツイートまとめはこちらhttp://togetter.com/li/849519
詳細は萩尾望都作品目録さんのところにあがると思いますが、私も備忘のためにメモ。(そのままの話とはやや違っているかも。意訳ありありです)

今回は話をしながら実演、作品を年代順にキャラクターを描きつつ、まさに漫画技法な話満載でしたよ。

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2歳の頃から絵を描き始め、小学校の頃に鯉のぼりを描いたら、これは大人が手伝っただろうと信じてもらえなかったエピソードを、司会進行の内山博子先生が披露。

「ルルとミミ」(1969)
服飾学校で8等身にすると服もはえるし、バランスもとりやすい。頭1に対して、くるぶしまで8。
※実演ではすべて、まず定規で縦線を引いて、8つに割って、頭、胴体、腰、足、手足をその区切った中に鉛筆でざっとおさめて、サインペンで上描きする方式で進みました。

萩尾先生も昔はお菓子をつくっていた。蒸しパン、ホットケーキ、カステラ等洋菓子系。
和菓子は神秘の極地で全然、つくったのはお汁粉ぜんざいくらい。

「ビアンカ」(1970)
肩幅を少し変えるだけで、新しくなったり古くなったり
自分は筆圧がないので、太くしなければと力を入れていたが、
ビアンカはシリアスだからいいかと前よりは細いタッチ。そのほうが描きやすい。

コメディもシリアスも描きたかった。「なかよし」の担当は可愛くて楽しいものを描いてほしいと。

本の影響は大きい。小中高で摂取したもの、養分がたまって、それを20代で吐き出した感じ。

「モードリン」(1971)
「なかよし」で没。のちに、小学館で拾ってもらった。
雑誌によってストーリーの制限はある。売れないけれど描き続けること。ただ、ダメダメと言われ続けたので、自分の感覚はヘンなんだろうかと悩んだ。
ただ、好きなものはこれだけ、これしか好きじゃないから、自費出版という形でも出していたと思う。好きだったら、100回没でもあきらめてはいけない。
小学館の山本さんが気に入ってくれて、全部買ってくれた。出会えてよかった。

「ポーの一族」(1972)
はじめにイメージがあって、そのイメージを生かすために画面構成、はみだしたり、効果を考えたり。
ページをめくるときに、飽きさせてはいけない。<引き>
コマのリズムで読者を巻き込むことができたら、ページをめくってもらえる。

吸血鬼はいろんな時代を生きている。
このドレスを着せたいから、この時代にしようとか。

「トーマの心臓」(1974)
(最初のページを見ながら)ちょうど東京は雪だった。もし雨だったら雨になっていた。偶然が支配してる。雪のシーンで儚さが出た。
ずっと雪。雪でおおわれてる。上も下も右も左も雪(を表現)
3月、ドイツの気候だったら、ほんとだったら犬は死んでしまう。20代のこの頃はまだヨーロッパに行ってない。

トーマのときも8等身。
主人公が女の子から男の子変わっていった頃。当時は少年が出てくるのは、冒険マンガしか思いつかなかった。
映画「悲しみの天使」(のちに「寄宿舎」と改題)は男子校の恋愛を描いていて、感銘を受けた。ヘッセが好きで、強引に舞台をドイツにした。

14歳の頃、自分にレーゾンデートル(存在理由)はあるだろうかと考えた。
みそっかすで、勉強も特にできない、友だちにもやさしくない。それだったら、いい人間になろうと。神様に生きててもいいよと言われるような。
でも、14歳だから、いい人間になるといっても、いい生徒、いい娘であることくらいしか思いつかない。そうなろうと思ったけれど、1週間で挫折あきらめた。
「トーマの心臓」では、いい人間になりたいという少年を出した。自分では無理だからキャラクターにやらせて、心の中で無理だよ〜って(笑)。

「この娘(コ)うります!」(1975)
トーマでアンケート最下位だったので、コメディものを。キャラの眼も大きく、明るいものに。
タイトルは木原敏江さんがつけてくれた。彼女の言葉のセンスが面白いので頼んだらつけてくれた。(決して娼婦の話ではなく)モデルとして売り出す話。

「アロイス」(1975)
枠がなくなっている(と内山先生)

「11人いる!」(1975)
宮沢賢治の「ざしき童子(ぼっこ)」に10人いたはずが11人いたという話から。

フロルは性に未分化な存在。
手塚治虫「メトロポリス」のミッチイも、男でも女でもない。
ル=グウィンの「闇の左手」にも雌雄同体が。

今回の実演は、太めのサインペンで描いてますが、線の太さに変化ないです。
いつも使用してるGペンだと、線の太さに変化があります。

「スターレッド」(1978)
肩幅が広くなって、肉付きもよくなってる。

急な連載で3日で予告を描くことに。内容もそのとき思いついたものが続いた。
火星の写真集があった。
火星に住んでた女の子が、なぜ地球にいるのか。白い髪で赤い眼で

若いとチャレンジできるし、失敗してもヘヘと言える。
歳をとったら怖いもんなしで、同上(笑)。
エルグは最初はモブだった。

(どの作品のことだったか曖昧です。「11人いる!」「スターレッド」?)
松本零士のアシのひおあきらさんに入ってもらったら、宇宙船がヤマトになっちゃう。
にしても2本の線が立ち上がって見えた。線の力をまざまざと見せてもらった。

「銀の三角」(1980)
10等身くらい。眼も小さくなる。
こちらは、最後まで構想してたもの。

「マージナル」(1985)
頭小さい。
キャラが男ばかりで楽しく楽しく描いた。

枠がなくても、目線をひっぱる仕組みをつくっている。目をさえぎるものをつくらない。

ゼブラのGペンから少し硬いタチカワのGペンに。さらに手の痛みにより、ニッコーのGペンを使用。

「イグアナの娘」(1992)
4等身。
ギャグマンガのエロガー・ポーチネロも4等身。
ゆるキャラ、エドガーとアランや、「王妃マルゴ」の4等身キャラとか。

最後は駆け足でおしまい。
萩尾先生、相変わらずひょうひょうとギャグを飛ばしておられました。
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年07月27日 21:52
    このときも「11人いる!」って言ってましたよ。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年07月27日 22:04
    この娘売りますの名付け親が木原としえさんというの初耳。そう言われれば 、おとなしめのタイトルが多い萩尾作品の中ではパンチが効いてますね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年07月27日 22:11
    講談社の少女マンガは土着的だった。ほっといてもマンガから卒業して、結婚したり子供産んだりと、いわゆるちゃんと地に足をつけて生活する少女たちが好む少女マンガだったと思う。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年07月27日 23:41
    > mixiユーザー おお!メモにも「11人いる!」と書いてたんですが、どこらへんの絵か確認してなくて、早速ありがとうございます!
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年07月27日 23:48
    > mixiユーザー 私も初耳でした。講談社はさすがに「なかよし」には縁がなかったけど、ときどきフレンドの作家さんを読んでました。土着的!?(笑)大昔は集英社マーガレット読者だったので、絵がちょっとヤボったく感じられたっけ

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