『千と千尋の神隠し』をDVDで久しぶりに再見。
最初のほうは赤い画面が気になってしょうがなかったけれど(例の赤問題ですじゃ)、物語が進むうちに慣れてしまい、忘れていた細かいディテールとか怒涛の展開とか美術とか、久しぶりということもあり、かなり新鮮に面白く観てしまいました。
当時は全然気にしてなかったんだけど、主人公の声が柊瑠美とか、ハウルの弟子マルクルで気になった神木くんが坊の声を出してたんだとか、今さらながら気づきました。釜爺が先日亡くなった菅原文太、湯婆婆(ゆばーば)銭婆(ぜにーば)が夏木マリというのは覚えてるんだけどねえ。
観たのは3回目か4回目なのだけど、これまで同様、ファンタジーアニメの傑作!と思いながら観てたのでした。最後のほうの、沼の底の銭婆の家に向かうあたりまでは。
でも、どうしたことでしょう。今回は初めて、あれ?って感じたことなど
終盤も終盤、すべてがあっさりしてるんですよね。
もちろんすべての謎を回収する必要はないんだけど、それでも今までの流れはなんだったの?という気持ちはぬぐえず…
どこまでも満たされない足りないと感じてしまう虚ろな存在、カオナシが現代人的イメージとしてうつるわけだけれども(まあ、誘惑の罠をしかけるサタンという解釈も面白いんだけどサ)、そのカオナシが千にあれだけしつこく執着してつきまとい追いまわすのに、最終的に銭婆のところに残るあたりも、かなりあっさり。ええっ、見送りで手を振ってるけどいいんだ…とか、
ハクの本当の名まえも、白竜の背中に乗って飛んで湯屋に帰る途中であっさりわかるし、
別れのときに、面倒をみてくれたり礼儀作法を教えてくれたリンや、最初からあれこれ世話になった釜爺にも別れのひと言もなし、
豚になった両親がどれか当ててごらんの唐突な謎掛けとその回答とか、
湯婆婆の銭婆の確執ってなんだったの?とか、
銭婆はなんで、あんな黄泉の国の途中みたいなところに、ひとりで住んでるの?とか、
いきなりサッとひと撫でするかのように、エンドマークに向かったので、宙づり感が否めませんでした。
あと最低30分以上は必要だった物語だったんではないのかしら。
蛇足ながら、赤問題ほか気になることが書いてあった記事、へぇ〜でした。
http://d.hatena.ne.jp/type-r/20120706
千と千尋のBDは赤くないらしいですね。
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