mixiユーザー(id:137593)

2012年03月21日01:42

2051 view

斉藤次郎、真崎守(峠あかね)トークイベント

斉藤次郎、真崎守(峠あかね)トークイベント「「COM」のコミュニケーション」が
明治大学 駿河台キャンパスでありました。
詳細は宮本大人さんのブログ「ミヤモメモ」に早々にアップされ、
http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20120317
雑誌「スペクテイター」でも紹介される予定とのことです。
今回ほとんどメモをとってなくて、印象に残った語録メモのみで。
話の流れの順が前後したり、意訳でなく、もしかしたら勘違いがあったらごめんなさい。
そのときはどうぞご指摘ください。
 *******************************

●真崎守さん
漫画家であると同時に、峠あかねさんの名で漫画評論活動もされてましたが、漫画と評論の時期は別であること。漫画家をやりながら評論は書けない。

COM「まんが月評」では毎月相当数の漫画や雑誌を読んでいた。
当時よくみられた、<漫画をダシにしてなにか別なことを語ろうとする>スタンスは好きじゃなかった。これについては斉藤さんも、同人「漫画主義」に参加されたときのことで、同様なことをおっしゃってました。

今現在専門学校でも教えているが、若い人相手には特に、ほめるとのびる子にはほめるようにしてると。ひとついいところ面白いところを見つけて、そこをのばすようにしてる。それは当時の新人投稿者も今も変わらずだそうです。
漫画については、イノベーションが成立してるかどうか、発信者と受信者のハートがつながること、そこにしか興味はない。

●斉藤次郎さん
漫画とのなれそめは子どもの頃は別として少しブランクがあって、子ども調査研究所に就職し、漫画を読むようになり喫茶店<コボタン>に出入りしダベりさまざまな評論活動をするようになる。団塊の世代は理屈っぽい人が多い。少しだけ根拠を入れなければいけない。時代の中にもまれながら教わっていた。
いろいろエピソードを話していただきましたが、会場がわいた話をひとつ紹介。

「COM」の月評で、どの作品をとりあげるか月刊誌週刊誌を全部読んで選んだそう。あるとき当時大人気だった少女フレンドに連載していた、まだらの…だったか、とにかく楳図かずおの作品をとりあげた。そうしたら、手塚さんから直に電話がかかってきて「あなたは、ほんとうに楳図かずおの漫画を面白いと思っているのか」と聞かれたんだとか。たしかに自分はそう思ってとりあげ書いたのだけど、いちおう読みかえしてやはり間違ってはいないと。
手塚さんは当時からライバル視したりねたましく思う気持ちが強かったりですごいな、みたいなことを、とぼけた口調で語る斉藤さんの語り口に、とてもツボりました。
つのだじろうさんから怒りの手紙を(しかも巻紙、毛筆で!)もらったこともあるそう。

●真崎さん
手塚プロにいたこともあり、当然手塚さんとも何度もやりとりしたことも。
仕事上、頭にくることもあったが、それとは別に作家としての振り幅が大変大きい人。
わいてくるエネルギーも制御できないほど、まれにみる天才だと。

●斉藤さん
60年代、70年代はダイナミックに混乱してた時代。何かが変わるんじゃないだろうかと感じていた。漫画はまさにカウンターカルチャー。漫画が力を持っていた。
体制に抵抗(対抗?)ということでは、メッセージ性をもったロックとも共通する。

漫画評論紙「まんがコミュニケーション」(通称まんコミ)について、思うこと。
雑誌「ニューミュージックマガジン」のミュージックレターに触発されてつくった。
3号で終わったけれど、どこがと的確に言うことはできないが、できたものがやろうと思ってたことと違うなと思った。そして経済的圧迫もあった。

●真崎さん
(漫画についてか、評論についてか、表現についてだったか)
感情過多もダメだが、体温が伝わってこないのもダメ。
斉藤さんの文章について。知的にロジックを組み立てていくほど、文章から体温がなくなっていく感じが少ししたのが…(斉藤さんからそれに対するコメントはなしでした)

他に
「共犯幻想」のこと、「場」についてとか、青焼きでつくられたミニコミ誌についての話とか、すごく興味深かったのですが、宮本さんのブログに詳しいので割愛。新しいコミュニケーションづくりを希求し模索してた時代の証言ともいえます。

 *******************************

トークライブがはじまる前に、橘川さんに「私はCOMはリアルに読んでないんですよね。後追いで」と言いましたら、「そりゃそうだ。おれらの時代だもん」と。
トーク終わり、私たちはそのときそのときの、幸福であり不幸であるかもしれない時代を生きてるんだな、とあまりに当たり前のことを感じ入った次第。

最後にメモメモ。
真崎守さんが作画した「飛行機の歴史」は、現在も「ホモ・ウォラント」というタイトルで電子書籍化。
斉藤次郎著「共犯の回路―ロック×劇画・可能性のコミュニケーション」 (1973年)

オマケ画像をアップしようとしたらできなかったので、こちらで。
http://twitpic.com/8xk0en
会場と懇親会でいただいたサインを見ると、
真崎さんは真崎・守とナカグロが入り、斉藤さんは斎藤という表記のようにも見えますね。


4 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2012年03月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031