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2020年09月14日21:06

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源流は、寧ろ「海外」にこそあり。

この系を書くのは何度目か・・・(笑)

和モノ「シティ・ポップス」、「ジャパニーズAOR」…。
確かに昨今急激に再注目されてる感がありますが、正確に紐解くならこの系統は、
一部のマニア〜往年の“ポップスうるさ方”によって、細々と愛好されて来た末に
ようやく今がある…というのが先ず土台にあります。
それまで、何度となく「古臭くてダサい」と言われて来たことか…(笑)

このムーヴメントへとシフトしていったのは、いわゆる「渋谷系」が過ぎ去り、
その後に続いたガラージ風ロックやガチャガチャポップスの傾向が、
あまり広い支持率を稼げない間、新世代に拠るDTMを背景にした、
あるいはDJ方面に拠る音源回帰的な傾向の中で、メリハリやキレのある
アナログサウンド…即ち「80’sポップス」が重宝された所に
一つの源流を観ることが出来る、と。

その中でキリンジや土岐麻子、一十三十一、paris match等に観られるキャリア組が
細長くも地味に、先鋭的にリードしながら現世代組が全く新たに、けれども割りと
80’sのエッセンスを行儀よく忠実にトレースし、そこに現代の“コンビニライフ”的な
日常感を織り交ぜることでフィットして来た…という感じですかね。

片や記事にあるように、日本の80’sサウンドは日本よりもアジアをはじめ、
アメリカ以外の欧州「AOR市場」を基点にして世界各国へ、
そして遂に「新しもの以外は受け付け難い」はずのアメリカでも、いよいよ
人気になりつつあるのは、一方で「ヨットロックムーブメント」が、
本当は古臭さを揶揄・嘲笑する起源だった所、大真面目な格好で拡大化する中、
日本の作品も取り込まれる流れにある…というのが実態でしょう。

代表格が竹内まりやの「プラスティック・ラヴ」に始まり、山下達郎や杏里、
荒井由実、大貫妙子…等などの洗練されたサウンドで、派生として
ジャパニーズフュージョン…即ちカシオペアやスクエア、高中正義、プリズム、
パラシュート…これらのツワモノ系によるサウンドが、DJ領域を中心に
幅を利かせるようになっている、と。

その中に、時として件の「昭和歌謡ポップス」なんてのが織り交ぜられていますね。
いわゆるアイドル系や歌謡ものでも、バックの面々は豪華なスタジオミュージシャン
ばかりだったり、書き下ろしてるのが一線級のアーティストで、
単なる流行もので収まらない良作にもかかわらず、当時の市場ではあまり流通せず
埋もれたものなんかが結構あって、その意味じゃ「宝の山」だったり。

だけど、重要な点が実は見落とされてるんですよね。
その頃の良作、その大半は結局「洋楽作品やアーティスト」からインスパイアされたり、
かなり類似した作風だったりしているので、その点では決して
「純和モノ」とは言い切れないのも事実。

寧ろ源流は、当時の「アメリカ発の洗練された作品」であり、
日本で特化した「AOR」…イーグルスやドゥービー・ブラザーズ、
マイケル・フランクスやジェームス・テイラー、ボズ・スキャッグス…
この手の作風を、日本的な情緒や質感とミクスチャーしたのが
「シティ・ポップス」だったわけで。
フュージョンも全く同じで、殆どはアメリカを中心にした傾向を、
ほぼまるっと踏襲していたわけで。

と考えると、本当なら洋楽のそれに向かっても全く不思議ないし、
その再ムーブメントこそ順路として真っ当なはずなんですが。
そうならない所に、昨今の「内向き世代」による特性が見え隠れするなあと。

当時の品質の高い和モノヒット作や、埋もれた良作が再び日の目を浴びる…
それ自体は大いに喜ばしいことではありながら。
同じく、またはそれ以上に良質だった海外作品や、そこから続く今の系譜、
そして現代の海外音楽にも広く波及、活性化しないと、
この和モノブームもまた結局、「限局的一過性」で萎む危険性を孕んでいるようで、
手放しで全て喜べない所もあったりするんですが…。

■「昭和ポップス」が若者に人気…サブスクで魅力新発見、海外では日本の「シティ・ポップ」注目
(まいどなニュース - 09月14日 17:10)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=262&from=diary&id=6231798
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