未だに北海道の対応を「一元的に」評価する向きが絶えないが・・。
実態は「その限りではない」ことを、この際留め置くべき。
何より。北海道は言うまでもなく「広大」である。
広い北海道における行政管轄としては、
「宗谷」「留萌」「網走」「根室」「釧路」「十勝」「日高」「胆振」「後志」「檜山」
「渡島」「上川」「空知」「石狩」
という14の支庁で構成。ざっくり言えば「北海道は14の県を包括している」。
当然にして、各々の支庁毎であらゆる要件が異なるので、本州一県のような見方、
評価基準で語るのはあまりに無理がある。
なので、札幌圏のある「石狩支庁」を基準にするのも正しくないし、
函館のある渡島と、稚内のある宗谷を同一視することもまた同じ。
そうしたあまりに異なる行政管区事情にあって、統括する「北海道庁」・・
即ち「札幌市」で語る、表する、発する首長の言説にはよほど注意が必要で、
一纏めにした内容に陥りがちなために、外からの評価も決して簡単に行うのは
難しいのが、そもそも北海道の前提条件なんであり。
その上で今般の「鈴木君の評価」。
東京発、あるいは本州から発せられる報道等は、およそが「札幌に集まる情報」を、
より整えてから(削ぎ落としてから)発信されるがために、非常に表面的で、
ごく一部の“印象論”の程度で受け止められているというのが、正直な所。
本州に置換するなら、関東圏〜関西圏の広い領域・府県を一括し、
小池百合子が統括した行政行為を一律に「是か非か」の評価を下すようなもの。
これが如何に不適切・不健全かがわかるだろう。
つまり。鈴木君の評価は、地元によれば「決して高くはない」。
そもそも、北海道の検査体制自体の実際・実情すら未だに「良好か否か」の判定が、
本州各地と同様に「出来ない」。その前提で、各支庁毎による医療体制・・
正確に言えば、同支庁管内の市町村毎による医療体制、指示系統、連携度、徹底度・・
これらを詳細に検討しようとする時・・。
一般には、地元住民の方々による直接的な声、受け止め方・・
こうしたものをベースにしながら、公立病院から開業医までを、受診者の反応を観つつ、
他方では各地区の役所役場、管轄の支庁・・これらの行政指導、住民への案内、
こうしたものを取り纏めて初めて「北海道の全体事情や評価」が成されるべきもの。
とすると、実は地区毎で、末端医療現場や役所の案内・指導等が「バラバラ」なのだ。
バラバラであるがゆえ、住民の反応や評価もまたバラバラで、早い話
「比較的良好な所と、不適当な所」がランダムに混在しているのが実情なんである。
“この辺の病院対応なんていい加減だよ、冷たいよ・・”という住民は所々でいるし、
“この辺はまぁまぁなんじゃないかね!?”というのもあり、
総合して良否なんて早々には言えないのだ。
一方の「学校一斉休校」。
初期に、富良野地方で子供の感染事例が発生したことから全道一斉休校措置を取ったが。
それ自体「インフルエンザ流行に伴う学級閉鎖」の延長線上で行われた・・
と解すれば、許容範囲内ではあるといえる。
ところが、広大で各々地域事情が異なる前提上、
「14の県が一斉に休校」となったことを受けて、各地では大変混乱し、
実のところ「全てが全て、完全休校にはなっていない」んであり。
正確には一部の地域、学校毎で、例えば学年一部を受け入れたり、
午前だけ、午後だけ・・のように、柔軟な対応を行っていた所はあるのだ。
何故か。比較的人口密集率が高めの「市区」以外は、登下校その他、
他者と交わる事自体が皆無に等しいことを基点にして、
「一次産業」地域が多数を占める北海道にあって、休校により子供を管理する術、
態勢が大変取り難い事情にある地域が多いからだ。
例えば、農家はこの時期、本来は家庭に居られる可能性が高いものの、
農閑期は逆に勤めに出る場合が多いし、酪農地帯は家畜の出産期にあり多忙だったり、
漁村部は漁村部で出漁や加工等など、親御さんによる事情は都市圏と異なる。
その意味で「地域まるごと、生活圏と学校行政が密接な構成で成立している」所が多い。
したがって、教育行政だけが地域要件の枠をはみ出し独行していくのは、
「地域一帯の生活要件・リズムを大きく狂わせてしまう」のだ。
そうした事情を、各地区の学校行政はよく熟知しているからこそ、
「道庁〜鈴木知事による中央指示には一律に従えない」んであり。
だから“ひっそりと”地区PTAらの要請に応じた対応を取っていたのだ。
これらは、役所職員の領域も例外じゃない。
中央(札幌道庁)からの指示、または支庁からのそれが、管内市町村レベルでは
決して高機能で稼働しておらず、不平不満はつぶさに観ていくと表出して来る。
結局それぞれの分野、各々の地域事情について、報道は報道で緻密に集められず、
またはそれなりに集められたとしても、取り纏める「札幌局」では削ぎ落とされる。
鈴木君のパフォーマンス、絵面でかき消されてしまっている・・というのが実際なのだ。
「道民は皆従って自粛、協力した結果なのだ」なんぞという道民は居るが、
はっきり言って「道内一円の事情等、一切観ていない」のがわかる。
北から南まで、東から西まで、一律に道民は慎ましやかになんて一切していない。
地域に行けば「ここは札幌や旭川と違うからね・・」ってなものだ。そりゃ当然の話。
もっと言えば、「奥尻島」や「利尻礼文島」住民なんて殆ど例外だ。
これ、医療現場に居る者でさえ同じ。自身の範囲や限られた支庁・・
即ち「目に見える範囲内」でしか評価されていないのだ。
鈴木君のパフォーマンスを眺めてると、全くもって「中央官庁」による
表面的な言説でしかなく、
「長靴履かず、畑に入らず農業を居丈高に語ってるさま」にしか映らない。
それを、都市圏に居る、都市圏から出ないで居られる住民だけが賛美している・・
これが北海道の実情であり、その上澄みを掬って東京経由で全国へ発し、
そのまんま受け取り評価しているだけだということを、この際よく考慮すべきだろう。
北海道の感染防止対策に評価
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=6034286
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