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2020年03月31日03:26

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羽田が「世界一危険な空港」になる元凶が、横田空域にあるワケ。

何度か指摘して来たこの問題。記事の内容に特化して記す。

既に当問題についての重大な懸念を呈し続けてきた、
元パイロットの杉江弘氏も言及しているが。

新ルート開設にあたり、米軍側と協議の結果設定された本コースは、
記事通り「最終的な詰めの段階で、米軍側から急に要求された高度」を、
日本側が“飲まされた”状態といっていい。

二本の進入コースのうち南側の一本が、従来方式の3.0度進入を取ると、
いわゆる「横田空域」にある、米軍側が主張する空域を横切ってしまうとし、
その上の高度からの侵入を余儀なくされた外形にある。

つまり。羽田滑走路から、横田空域の上を通る位置に向かって
真っ直ぐ斜めに線を引っ張った角度が3.45度になった・・という単純な図式。

3.0度以上・・この3.5度程度を設定している空港は、世界広しを眺めると
幾つか存在はする。因みに国内では「稚内」と「広島」だ。
ところが。この角度を採用する空港は、圧倒的に多くが「ローカル空港」の基準。
大型のストレッチタイプ機を運用する「国際空港」で採用しているのは、
ドイツの「フランクフルト空港」ぐらい。

が、そのフランクフルトでさえ、二本用意されている滑走路に対し、
3.5度設定されている方に抵抗があるなどして、パイロットがリクエストを
要求すれば、もう一本のイージーな3度設定滑走路が使用可能となっている。
それだけ3.5度近辺は、国際基準からして「難易度が高過ぎる(危険)」のであり。

一方「騒音について」。
国交省は、より高い高度からの進入になったことにより、
騒音は当初見込みより低くなる・・との説明だが、先の試験運用では
僅か1デシベル程度しか変わっていない。
この程度では、人間の聴覚では差が判別しないとされている。

それよりも。高い角度から鋭角で進入(降下)することにより、
慣性力が働き(降下率が高くなる)、落下モーメントを抑制する必要は
従来よりも多く生じる。そのため、エンジン出力は逆に高くせざるを得なくなる。
わかりやすく言うならば、クルマに置き換えると

『アクセルを踏み込みながら、サイドブレーキを引く』動作。

高度を下げるため翼に付いている抵抗翼を展開、しかしそのままだと
黙っていれば急角度から“落ちていく”のに加えて失速してしまうので、
逆にエンジンを吹かし、失速しないように「調整」を図らねばならなくなる。そのため
雑把に言えば「グィーンと吹かしたり、緩めたりを繰り返す」行為が不可避となる。
その際の発生する騒音が、通常の進入角高度での騒音よりも寧ろ高くなってしまうのだ。

更に。真夏日や猛暑日となる盛夏期間は、空気密度が低くなるため、
通常の進入高度より更に高いポイントから進入せざるを得ず、
進入角は更に高い「3.7〜3.8度」に及ぶ計算と観られる。
こうなるともう、世界に類を見ない「異次元の進入角空港」になってしまう。
当然、こんな急角度を経験するパイロットなど、軍用機かかつての
スペースシャトルパイロットぐらいしかいない。

これに対し国交省は、滑走路に接地する少し前には3.0度程度になるから問題ない・・
と説明するが。そもそも、3.0度に調整するまでのゆとりが狭く、
ちょっとでもタイミングを誤れば途端にハードランディング・・即ち「尻もち事故」、
主脚と前脚の同時接地・・即ち「三点着陸」、または前脚からの接地着陸となり、
そうなると機体が損傷、最悪は「折れる」恐れが格段に高まる。

こういう極めて難易度の高い着陸技術を、世界中から集うパイロットの皆が
所持や経験などしていないのだ。

更なる隠れた問題。
二本あるルートの内、横田空域に掛からない北側のコースは、
無理に3.45度の設定をする必要がないにもかかわらず、何故かこちらも3.45度なのだ。
この理由が実は、「片側だけ3.0度だと、それぞれの地域住民に騒音の差別が生じ、
後で不満の問題が出かねないから・・」という。何と安直な理由か、だ。
たったそれだけのために、わざわざ「危険な角度」を両方共に設定してるのだ。

もっと言えば。二本のルートは、両方共に同じ北西方角からルート線が敷かれ、
途中で左カーブを並んで描いて、それぞれ滑走路へ向かって真っ直ぐ向かう。
問題は、左カーブを描く際、上記のように「同じ進入角」を敷いたがために、
互いの高度差が極めて狭く、また双方の幅も狭いために、
どちらかを飛ぶ航空機の高度や速度が規定とずれれば「ニアミス」の恐れが生ずる。

通常、二本の進入ルートを設定する場合は、二本並行はさせず、
何れかは別方角からの進入で、かつ高度差を付けて施すのが通例。
したがって、この“ダブルルート”というのは、少なくとも「国際基準」としては
世界で初の設定となる。こんな危険で無理矢理なコースなど世界にはないのだ。

これだけのタイトな設定の元凶が、「米軍の横田空域」というわけである。
そのことを、安全を厳格に所管するはずの国交省が「ひた隠し」にして来たのだ。

極めて由々しき事態。羽田が「世界一危険な空港に躍り出る理由」が、ここにある。

少なくとも、コロナによる大幅減便と、五輪延期によって新ルートを
無理矢理運用する必要性は遠ざかったわけだ。早急に見直さないと、
事故が起きればもう取り返しがつかない。。

■「騒音対策」羽田新ルートの着陸角度、米軍側に配慮?
(朝日新聞デジタル - 03月30日 05:07)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6027081
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