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2020年03月30日15:09

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師匠・・・。

小学生の頃。
参観日に、親の前で「将来の夢」ってのを作文で発表する機会があって。

皆大抵は「パイロットになりたい」「プロ野球選手に」「美容師さんに」・・
こういう子供らしいのが殆どの中。自分・・「カトちゃんの弟子になりたい」と・・。
当時来ていた母は、顔から火が出るほど恥ずかしかった・・と言っていた。

だけど自分、大真面目に書いたのね。それぐらい「カトちゃん」が憧れだったから。
ドリフの弟子としなかったのが、子供心のいい加減さでもあったんだろうと・・。

その後志村けんが登場。急速な人気とネタの数々を前に、何処か憧れのカトちゃんが
毀損されていくかのような感覚になり、志村けんに対し心の何処かで
妬みや怨みみたいなのが芽生え・・。

しかし。カトちゃんが志村けんの特長を引き出し盛り立てながらも、
カトちゃん自身の特性もまた一緒に昇華していくさまを観た時・・。
「志村けんって、凄い人なんだ!!」とし、以後完全に見方が変わり、
位置づけの再認識と共に、二人を、ドリフというユニットの大きさを知っていく・・。

人を笑わせて注目を集め、人気を得る・・。
その手法が子供の自分には、プロ野球選手の技術よりずっと凄いとし、
とにかく学校で皆を笑わせ、注目をひきつけることばかり考えてたのね。

だからドリフは、自分にとっての特別なバイブルだった。
その“センターボーカル”といっていい、カトちゃんと志村けんは特別な存在だった。
どちらがどうと簡単に言えないけれど、カトちゃんは「神」であり、
志村けんは「師匠」。そんな位置づけ。だから「志村!」とは呼べず、今でも師匠。

なぜ師匠なのか・・。はっきりとは言えないが。
おそらく何処にも居る大衆庶民の「人物観察」、些細な「生活観察」・・
それらに対するアンテナが別次元の感度を持っていて、それを取り込み味付けをし、
それを下手に難しくすることなく、再び平場に下ろしていく・・
このテクニックが、真似出来そうで中々出来ないんだ。

悪ガキの子供から青年、若い女性、成人、中年、老人・・
どの世代もパーフェクトに演じられる。本人はいいおっさんなのに、
子供を演じても何故かちっとも違和感がないばかりか、
「こんな子供、その辺にいるよね」と普通に感じさせる。

その逆に、まだ成人〜中年域なのにヨレヨレの老人を演ずれば、
もろにそんな老人がいることを、目の前で普通に再現出来る・・
これほどの「アクター」って、実はそう居ない。

その辺りはカトちゃんもまた同じレベルではある。
が、師匠の方がより「アダルトなテイスト」。
このテイストが、自分にとって「早く大人になりたい」と思わせ、
大人になった後は、そのテイストを一層深化させ身につけたい、と思わせた。

晩年、師匠のプライベートが割りとスポットを浴びるようになり、
女性関係や夜の遊びなんかが知られるようになる。
が、それを観て尚更「憧れ、崇拝」したのね。
「やっぱ師匠、カッコイイ!粋だねぇ〜・・」と。

だから男性の自分は、一層師匠の生き様みたいなものを、
何処かで追い真似ようとして、今も尚試行錯誤しながら追いかけようという意識が
あるように思っている。

因みに、一緒に著名人と一杯かわせるという願いが叶うのだとすれば、
真っ先に挙げるのが女性では「太地喜和子」、そして男性が師匠だ。

コロナ騒動のさなか、引き続き病気の怖さと共に、師匠によるかつての
生活習慣なんぞを取り上げつつ、医療専門家による見解を当たり前のように言っている。

「何をふざけたこと抜かしてんだ、キミら!!」と怒っている。猛烈に。
バカヤロー、タバコをガンガン吹かして来たから、夜な夜な酒場に通って
酒をガンガン煽って来たから、あの描写が出来たんだろが!!
規則正しい生活なんぞ送ったら、芸人なんて際立たないんだよ!師匠は居ないんだよ!

おらぁね、師匠がこれだけフリーダムだったからこその「恩恵」を受けてるんだ。
思いっきりふざけて、顔を笑われて、その対局にプライベートで、
小粋なジェントルマンにある師匠が最高にカッコイイと思ってるんだ。
ここに医学も、専門知見も太刀打ち出来る場所がそもそも無いの。
陳腐なのよ。大真面目な師匠の健康解説が。

ヘビースモーカーだった?だからどうしたのさ。
おらぁね。師匠がタバコを親指と人差し指で挟んで根っこまで吸ってる、
その時の紫煙が目に染みてる顔、それ自体に最高の価値があったと思ってるのよ。
タバコ好きのおっさんが見せる表情、それを地でいってたから様になってたのよ。
それ自体が「芸そのもの」だったんであり、それを「評価されて来たんだよ」。
何したり顔で言ってんだっての。

そんでもってね。これまたしたり顔で小池百合子は言ってる。
「志村さんは、危険性のメッセージを届けたんだと思う」と・・

バカ言ってんじゃないよ。何を他人事のように言ってんだ。
貴様がいつまでも五輪に拘り、放っておいたからでもあるんじゃないか。
この期に及んで「師匠の死を利用するな」って。地獄に落ちろってんだ。

入院当初、師匠はきっと克服後自らの体験を、まんまコントにするだろうと、
実はワクワクして楽しみにしていたのね。師匠なら必ずやる、と。そういう人だと。

それが叶わなくなってしまった・・師匠。そりゃないですぜ・・
でもね・・。自分、この出来事が、訃報が実は、最後の『コント』だと思ってる。
師匠が命を張った、最後のコント。

流れて来る涙は、笑い涙なのだ・・と、言い聞かせている。

最後に師匠、言わせて下さいよ・・

「師匠!!死に様まで最高に粋で、注目をこんなに集めるなんざ、カッコイイ!!」

新型コロナ闘病の志村けんさんが死去
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=6027301
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