実際のリソース面から観ていくと・・

はてさて。色々な見方が出てるけれども・・。
中止か延期かの最終決定はともかくとして。

開会式・閉会式を主にして、使用される音響機材や照明、
レーザー等のいわゆる“特殊効果（特効）”、LED関連、映像、大小小道具、
動力系装置関連のエキップメント・・多種多様の機材が動員されるわけだけど。

開閉会式だけじゃなく、各競技場でも音響や照明、映像機材等が動員されるし、
メダルセレモニーやレセプション関連等など、実に多くの場所で、延べにすれば
相当な数の機材となり、伴って仕込みをするスタッフ、本番時のオペレータ、
そして撤去や移動に伴う人員・・これら全て、個別のカンパニーから
人も機材も動員されるけれども。

耳にしている限り。それぞれ、BプランCプランを組み始めてるのね。
その作業は個々に異なるとは言え、概ね2月当初辺りから。
これ、単に五輪が延期スライドした場合なんていうだけじゃなく、
「中止を前提にして、他のイベントやライヴ等で」穴埋めするべく、
五輪の受注ワークとはもう、完全に分離された発想でプランニングしている、と。

勿論、延期スライドした想定も一応プランニングはしているけれど、実質的に延期・・
即ち年内の延期は事実上“不可能”として、「五輪依存」を軸にはしていない・・
プランするのが土台無理、と。

なぜなら。五輪終了後に続く、各種催事向けの契約や、単発もの・ツアーもの問わず
オペレートやツアー参加の契約・行程を組んでいるのが多いから。
なので言うまでもなく、もし五輪を年内にスライドしたら、
その後の催事物との契約は、全て断らなければならなくなるのと、
そうなると契約相手先の催事も事実上開催が不可能となるので。

じゃあ、その分の補償をIOCなりJOCなりが、全てに渡って出来るか？
そんなことが出来ると端から皆思ってないし、五輪契約の詳細が何処までなのか不明も、
幾ら特例的措置を取れるよう尽力する・・とアナウンスされたとしても、
それに期待出来るとは誰一人思ってない、と。

したがって、実質上はもう「中止される」ことを前提にした、
五輪予定期間からの事業計画を、プランのほぼ中心に置いているカンパニーが、
実のところ多い・・というお話。

というよりも。
それ以前の話として、周知の通りエンタメ産業や事業者の多くは、
もう既に大変な状況下に置かれていて、五輪契約している事業者の中には、
仮に予定通り開催の運びになったとしても、それまで会社が保たれてない可能性すら
低くない・・という、実に目も当てられない状態なのね。

無論、五輪は基本的にアスリート中心で、次に観客や視聴者らとの二者構造で
何かと語られ、測られる傾向にはあるけれど、セレモニーに関わる広範の人的、
物的リソースもそうだし、各競技の直接・間接運営、多岐に渡るボランティア・・
更には国際映像・音声中継、デジタル配信・・

それらが全て揃わないと、競技自体行いたくても行えないのが実情なんであり。
逆に、延期スライドしてもそれらが全て皆一律的に揃うなんてのは「9割方々不可能」。
コロナウイルスがその時消滅していようがいまいが、全く無関係な話で。

だとすると、では年内じゃなく一年、二年先なら大丈夫なのか・・。
論理的には、時間的ゆとりが俄然出来てくるので、可能性自体は高くなるけれど。

しかし今度は、アスリートの選考・出場のプロセスが狂い、各競技連盟による
年間の事業計画も大幅に見直す必要が発生・・
そうなるともう、五輪本体の意義自体に大きな疑問符が付いてしまうわけで、
それは全世界的に、広範の人々による「近代五輪の限界論」に波及すること必至。

それら全ての要素を勘案し、ではプライス・プライスレスな損失を出来る限り低減、
且つ五輪というビッグエンタテイメントを、今後未来永劫的に持続させるに
ベターなのは何か・・即ち「中止」しか事実上選択肢はないでしょうねぇ。

無理矢理にでも延期にすれば、必ずや実質上の弊害が何処かに、
それも割りと大きく及んでくるだろうから。
それならもう、やらしい話でしかなくなるが「カネ」で解決し、解決しきれない、
収められない残りの部分をどうするか・・を考えるのが妥当でしょうねぇ。

一つ考えられるのは。既に候補予定である「札幌冬季五輪」の、優先開催決定策。
IOCが特例措置で、東京五輪中止に伴う日本への救済、補填として札幌開催を、
選考プロセスをやめて早々に決定すると・・。

当然ながら、夏競技のアスリート達には実質の補填が成されず、
その意味では本質的に割を食うのだけど、その辺は各競技毎の世界大会等で
優先出場の救済措置を取るとかで「埋め合わせる」、と。

そうした「妥協案の盛り合わせ」で凌ぐしか、もはや手はないんじゃないですかねぇ。。

五輪延期なら史上初「計画を次の段階へ」ＩＯＣ声明
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6019545