「コンサートプロモーターズ協会」は、現時点で実施する見解で統一されているので。

関係各位、各所でやはり対応に苦慮してますなぁ・・

で、当案件。
どうしたって催事は「演者が」売りだし、看板のバリュー次第で
社会的反応の大小に関わってくるので、この手の“売れっ子”による
「大箱催事」には賛否が集まりやすいわけだけど。

拙速な感情論、誤った認識、パニック的な要素・・色々ないまぜとなって、
矛先は演者に向いたり主催者に向いたり、無方位に放たれるので、
関心の薄い第三者から見れば、その様相は一体全体何なのか、
理解しにくい所があったりするのも無理はないだろうと・・。

そこでこのライヴ案件。
当然にして、開催実施可否の最終判断は「プロダクション側」にあるわけだけど、
公演の実施における実務・・即ち券売から準備・運営の責におかれる
“主催プロモーター”側に、各種の法的な責務があり、帰結される構成になっている、と。

そのプロモーターは、本件の場合「コンサートプロモーターズ協会」の傘下会員。
その協会は、ウイルス事案を受け2月12日の時点で、協会並びに加盟各社の見解として、

【政府、自治体、関係諸機関等から示される正確な情報の収集に努めるとともに、
感染拡大の防止に細心の注意を払い、予定通りに今後の公演を実施する】

という方針で統一。本日の時点でも方針に変更はないのね。
また、国からの指針にも催事類に対する強制措置はない以上、
各位の判断によって実施し、仮に感染者が発生しても、主催者並びに演者側における
「一義的責任はない（問えない）」ということになる。

つまり。出来得る限り最大限の予防措置を取る“社会的・企業社会的責務”は
一定程度発生するものの、それ以上を超越するものではない、と。

無論、それでもとあるタレント催事において、個別の判断により
中止や延期措置を行ったとしても、協会側によって拘束される事由はなく、
各々の判断を尊重される状態にあるのは間違いないわけだけど。

一方。例えば先の「東京マラソンの縮小措置」や、続く各自治体による
各種イベントの中止・延期措置は、何よりも主催が「行政機関」であり、
催事の実施が行政の運営機能上で、絶対的な基盤になっているものではなく、
かつ営利を目的としない行政である以上、中止・延期をしても実質の影響がない・・
いや、「そもそも影響が出てはいけない機関」なのだからして、
当該住民への公的サービス機関である行政は、何よりも住民の安全を確保する義務が
民間以上に大きくあると。

それに対し民間のプロモーターは、催事の開催と運営自体が「業の主体」であり、
業の行為・・即ち「営利行為」の主体であるからして、開催不可はまさに
「存続を左右する死活問題」として置かれているわけで。
そこをどうであれ「無視は出来ない」のね。

よって、国による法的根拠に基づいた強制措置がない限り、
また、入場券約款に示される「中止や順延における要項」に即した実態にある限り、
開催実施に対して民間業者が、社会的な責めを負うべき状態にはない、と。

となると、あとはもう「参加者観客個人の判断」により、行くか行かないかを決める・・
それしかないというより、それが「妥当な有り様」。

これが例えば、催事内容や観客の対象が圧倒的に「未成年〜児童・幼児」であった場合、
または高齢者が対象であった場合、「企業倫理」の側面にて
中止や延期措置を講ずることはあって然るべきだが、そうでない場合、
あるいは特定属性を絞りきれない状態にあった場合、危険や不安回避の判断は、
個人に委ねられるべきであり。

逆にそうじゃないと、元来の「文化振興における概念性」からして、
提供者がある一線を越え、人権や各種の権利を拘束する態様にさえ至りかねないので。

だから、民間の判断による個人に対する抑制措置は大変難しいんであり、
そうしたことを手掛けられる対象は、「国や行政」にしかないわけですな。

もしも、中止や延期措置をしないことによる批判が正当性を持つとしたならば、
デパートやスーパー、飲食業、映画館や遊園地・・数多の「空間提供業者」は
半自動的に営業を見合わせなきゃいけなくなるので。
その際の、社会機能不全に対する補償は、一手に国や行政が負わねばならないとなる。
さてはて、そこまでのコンセンサスが、現状の日本社会で取られているのかどうか、だ。

一度に集う人数の大小、空間面積の大小にもはや寄れない事柄であり、
そんな状態であることをどう捉えるか。またその判断や責任を民間に
およそ求めることが、果たして妥当で健全なのかどうか・・ということでしょう。

■Perfumeが2月の東京ドーム公演を決行　新型肺炎の感染防止に「細心の注意」と告知するも賛否
(BIGLOBEニュース - 02月21日 12:27)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=258&from=diary&id=5981657