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2020年01月25日10:19

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暖冬の影響は、必ずや少し経ってから出て来る。

[寒くなくてよい」、「暖房費がかからない」等など、
一般庶民の一部に恩恵的なものがあるのは事実だろうけど、
しかしそれって結局は「短期的」・「近視眼的」でしかないのよね。

記事最後にあるように、真っ先に挙げられる「農作物」。
冬季の主産地である非雪国の本州だと、低温が回避されることは
生育の安定や多収に繋がるので、一見して良いことだろうと思われるけど。

野菜類は総じて「年/◯作型」の複数回栽培形式が多いので、
一回の生育ステージが良好で多収や出荷が早まったとしても、
次回のステージが早まることによって、あとに続く肥培管理要件が、
その分変更や調整が不可避となるのと、次回ステージでの天候が如何様になるか
全く予測不能な所、前回が良かったからといって即「作付増加」出来ない所に、
蔬菜類営農の難しさがある。

一方、冬季の営農がほぼ休眠状態となる北海道。
小麦生産量の首位にある大半は昨年の秋に播種し、越冬して今年夏に収穫される
「秋まき小麦」だけれど。雪降る前までに発芽し一次成長した段階で、
「雪の布団」により春の雪解けまで地中で“寒さを凌ぎ”、養分を蓄える大事な時期。

ところが雪の布団が殆どない、またはあっても“薄い”ことによって、
圃場の土壌が地温低下で“凍結し”、根が死んでしまう危険が大。
そうなると春の雪解けが進んでも、青々とした麦が再び成長することなく、
「春枯れ」につき生産を断念、畑を耕起してすき込み処理せざるを得なくなる。

果樹なんかも同じで、土壌凍結によって根が死んだり病気を招く要因となり、
春からの成長を阻害する。

したがって、この暖冬と少雪による影響は、寧ろだいぶ遅れて春以降、
夏から秋にかけて本当の影響が顕著に出て来る。
決して「今が良い」だけで済む話じゃ全くない。

ガラッと変わって、土建業界。
北海道の札幌圏だけを観ても、今週に入ってようやくある程度纏まった降雪には
なったものの、それでも通算での除雪回数は、今季入って表立ってはまだ3〜4回程度。
一回毎の間隔があまりに広いので「積雪」自体が極度に低く、当然にして
「排雪」するまでには依然として届かない状態。

「排雪」=「運搬」。ダンプの出動がないので、業界による冬場の稼ぎ口が極端に減少、
皆喘いでいる状態だ。例年なら1月中旬〜下旬には主要幹線道路の排雪が始まり、
来月頭から始まる「雪まつり」を念頭に置いた、交通環境の整備上最も重要な時期。
それが、月末に来た今の段階でまだ一度も排雪が行われてない。
これが如何に異常で深刻か、だ。

長期予報をあまり宛てには出来ないものの、暖冬予報がこのままの推移なら、
前代未聞の「排雪なし」でシーズンを終える・・なんてことも十分あり得る。
そうなったら確実に「建設業界〜地方経済」へ大打撃をもたらす。

衣料やレジャー業界なんて狭い範疇じゃなく、この影響は農業のように
「後になってから表面化」して来るので、今から色々覚悟しといた方がいいだろうね。

その辺諸々考えるに、やはり夏場は夏場らしく、冬場は冬場らしく一定程度の寒さや
降雪量がないとならない・・というのは何よりもそれを見越して、あらゆる分野が
計画を組んだ体系や態勢を敷いて廻るようにしてるからに他ならず。

近視眼的に、限局だけを見て喜んでいても駄目・・ってことですな。。

■「記録的な雪不足」暖冬の原因は…?異常気象を分析 気象庁
(ハザードラボ - 01月24日 16:51)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=187&from=diary&id=5947736
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