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2020年01月15日17:54

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【他事So Long】〜ゴーン事案における、現時点での推察〜(その2)

●「マネロン疑惑」が本丸なのか否か。

一方で、金商法違反を皮切りに、後で幾つもの罪状を持って来た地検特捜。
そのどれもが、金商法からの連鎖構造としてあまりに歪で、まさに
「取ってつけた感満載」であるのは、当初から疑念の目で追って来た
“郷原信郎氏”による、法理論解説を順に読み込めば明快だ。

検察によるこれまでの捜査手法や、歴史的経緯からすると、
大口の逮捕劇は必ずや「本丸の周辺から脇を固めていく」のがセオリー化している。

とした時。マネロン疑惑がもしも本丸だとすれば、金商法違反として
取り敢えず早急に身柄を取り、時間を掛けて徐々に自白に追い込み、
本丸へと突っ込んでいく・・という道筋と手法は、警察の“二課案件”である
行政汚職に対する、オーソドックスな捜査手法から観ても実に整合性がある。

よって、別な角度から見れば、
『金商法違反容疑なんてのは、結果的にシロであろうとどうでもいい』のが、
検察側の腹積もりだとも言える。つまりは、幾つもの罪状の内、
複数で有罪を取れなくても、本丸で取れさえすれば「事実上の勝ち」と考えるからだ。

しかし。であれば尚更のこと、本丸とする“マネロン疑惑”については、
事前に相当な証拠集めをし、固めておいて、ゴーンに対し「ぐうの音も出ない所」に
追い込むべく状態にしておかないといけないはずだ。

にもかかわらず、地検特捜は「身柄を取った後から、マネロンに関する聞き取りをし」、
中東各国に跨る人物等からの証拠資料は、事実上「諸外国任せ」で、
有力な物証や証言を得るまでには至ってなかった・・
要は「後追い捜査」だったというわけだ。

裏返せば、それだけ「中東の大物商人等々から引き出すまでのリソース」を
地検特捜のエリート諸君らは所持していない・・ということが言えて来る。
つまり、およそが「ゴーンの自白」のみに依存した状態だった、と。
これが、如何に杜撰で華奢かであって、ゴーンが言う所の
「人質司法」にある批判の髄は、この「自白優先(依存)手法」にあり、
それを多くが見誤っている。

しかしながら、幾らエリートの地検特捜諸君であろうとも、
資料集めを果たすのはほぼ無理な理由がある。どういうことか。
中東情勢に長けている、同志社大教授の「内藤正典氏」の言説を借りれば、

「商売相手を最も大事にするサウジ等の世俗的中東商人が、
ゴーンを不利に貶めるような証言も証拠も、絶対に出すわけがない」と。

言うまでもなく、取引相手は半ば“最愛の友人・・いや、神も同然”。
それを裏切るということは、自分を殺すことでさえあると考える属性だということ。
この根源的な「中東商人の観念〜掟・風習」を、遥か遠い東京の、
ぬくぬくとした役所のビル内にて、小綺麗なスーツでふんぞりかえってる、
メンツとエリート意識の塊である諸君には、理解されてなかった・・
即ち「中東人を甘く観ていた」ってことだ。

この「甘さ」は、地検特捜や政府官僚だけじゃない、メディア人らも同様。
だから検察の情報や恣意的な印象操作に、ころっと騙される。
いわんや、どこぞやの「元ヤクザ組長」なんていう胡散臭い者による、
「経験則」なんぞを軽々に活用するメディアだ、それを眺めるいたいけな庶民さえ
「信憑性がある」なんて無節操に取り込まれてしまう。「ウブ」だからだ。

したがって、仮にマネロンが本丸で、尚も疑いは濃厚だったとしても、
ゴーンが逃亡しちゃったから難しくなった・・という遥か以前に、
日本の検察は、中東までを網羅した捜査手法も能力も、端から持ち合わせてなかった・・
というのが実態だろう。仮に挙げるにしても、相当緻密な重労働を、
もっと以前から暑い中東に出向き汗してないと、とてもじゃないが無理筋だった、と。

●仏当局と日本政府の因果関係

仏捜査当局は、既に周知の通り「東京五輪」における、竹田恒和に対する
買収疑惑捜査を進めている。これを日本政府は「よしとしていない」。
五輪開催を目前にして、この黒い疑惑により水を差されるのはご免としている。
つまり、両国間には「確執がある状態」。
このことを、一つ留めておく必要は一定程度ありそうだ。

問題は、仏政府~当局の腹積もりと、ゴーン〜ルノーと日産・・日本政府との
複雑な構成上、どのようにしたいと考えているのかだ。
これを読み解くのは、現段階ではかなり至難の業。

また、ここには「アメリカ」が絡んで来るからでもある。
ざっくり“株価や市場経済の関連性”。

フランス政府は、国際上あからさまに「ゴーンを全面擁護する」姿勢は取れないし、
実際そこまで強い言及はしていない。が、相当程度実質的な擁護をしないと、
市場やルノー本体を前にして、フランスの立場としてデメリットを被る懸念を
抱いている・・と考えている可能性はあり得る。

ただ、それを強固な説得力とするには、株価経済の数字を基にした、
「複雑怪奇な方程式」が必要となるので、今の段で予測は困難。

何れにせよ、幾つかの考察材料の一つとして従えておくべきだろう。

【現時点での結論】

何はどうあれ、ゴーンに対する検察の所作はおよそに渡り「無理筋な国策」。
これはもう間違いがない。そのための司法取引も“拙速で華奢”だった。

一方、“マネロン疑惑”が本丸だとする仮説も、捜査機関のセオリーから純粋に鑑みて、
不整合性が随所に見て取れる。また、疑惑を裏付けるための有力な証拠もなく、
およそが「世俗的な推測の域」を出ていない。

こういう状態で、「金の亡者だから」という下世話な大衆感情を理由に、
検察特捜に「フリーハンド」を与えることが如何に超危険かだ。
散々、政権の悪事や問題で検察批判をしておきながら、ゴーン案件は
完全にその検察の「人質」になってるのが、他でもない「日本の大衆風情」である・・

ということに、早いとこ気づいて修正しないと取り返しがつかなくなるだろう。

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