昨年末、行きつけのヘアサロンの店主君と、これと少し似た話をしたのを思い出した。
主旨は、今やどの業種でもIT化や自動化が蔓延る中で、理美容業界については
殆どと言っていいほど、かつてからの“人的労力”に依存、
その限りでいくならば、価格競争やサービス競争等の厳しさ・淘汰はあっても、
人がいる限り「なくならない商売」だよねぇ・・という内容。
だって、どんなに高度化しようとも・・少なくとも予見しうるこの先数十年、
百年スパンでぼんやり考えても「自分で髪を切る」ことも、パーマ等で
アレンジをすることも出来ないだろうし、その代わりに機械が自動的に・・なんてのは、
相当難しい話だろうから。
裏返せば、それだけ理美容ってのは各人の特性差が大きく、
かつ各々による「好みの感覚」に大きく左右される代物だから・・という。
似たようなもので言えば、女性の「化粧（美容）」も同類と思うわけで。
これをITや自動化で代替わりさせようにも、おそらく無理難題と。
いや、理論的に出来ないことはないかもだけど、実際に要件個人差がバラバラで、
日々の感覚により左右されるものを、自動化や統一化させるのは厳しいだろう、と。
その観点で言えば、記事にある
「予約システム、顧客のヘアデザインのデータ化など、顧客獲得にはIT化と
利便性も求められる時代を迎えている」の部分・・。
予約システムは現行の電話予約をネットで・・ってのは、既にそれなりに行ってる所は
あるわけで、幾分の効率性アップの余地はあるとしても、それが果たされれば
顧客獲得が伸びる・・ってほど大きい要素ではないと思うのね。
重要なのは「ヘアデザインのデータ化」に関連する、本元の“理美容技術”について。
デザインのデータ化・・というのは少し漠然としてるけど、
仮に複数のパターンや個人顧客別の髪質等をデータ整理化出来たとしても、
最終的に実施するのは理美容師であって、技術力に掛かっているわけで。
ここに掛かる技術料〜労働経費は、顧客の感性・感覚が決め打つ
「アナログ要素」なだけに、コスト面での削減や集約化として鑑みるのは
ちょっと無理な話でもあると思うんだな。
一方で「1000円カット」に代表される“価格競争”。
これが受容される背景には、
➀景気動向 ��既存の技術（料金）と格安の技術と相違・開きを感じない
�Ｍ�美容にそれほどの価値・重きを置かなくなった
およそ3つ程度の理由が考えられるけど。
どれもリンクされてるものではあると思う一方、既存の料金での理美容師による技術が
総体的に落ちているのか、それとも、
「乱立状態にある分、下手な理美容師の混在率が高まった結果」なのか・・
その辺りは何とも言い難いが、2と3に、案外ウエイトが大きくなりつつある・・
という印象を感じるのね。言うなれば「ヘアスタイルへの無関心化」。
乱暴に言えば「伸びた分、ただ切れればそれでいい」みたいな・・
少々オーバーに言えば「インナー傾向の増長化」。
外界での社交減少・忌避や、伴って異性を意識しなくなった現代男女の傾向。
大枠で言えば「美意識の薄弱化」。
総じて「年齢層が上に行けば行くほど」美意識が低下しゆく・・ってのは
昔から傾向にあるわけだけど、高齢化が進むにつれ、遂には理美容業界にも
その煽りが及んで来た・・という風に思えるんだな。
と考えると、IT化や効率化なんてより、如何に「高齢層への美意識を植え付けるか」、
「高齢層への美意識ムーヴメントを構築出来るか」に掛かって来る気がするのね。
“アンチエージング”じゃないけど、
「健康維持と理美容〜ファッショナブル感覚増進」という新たな戦略の提案。
“流行の髪型”なんてのは、およそ全てが「若年からせいぜいが中年域」に
特化してるわけで、その上の層に対する流行というのを、業界は総力上げて
取り組むのが先決な気がするんですけど・・。
美容業の倒産が急増 背景に1000円カットの台頭や経営者の高齢化
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=diary&id=5934966
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