五輪マラソンの代替開催地へと誘引した背景に、本件カジノ誘致を推進するとの
「バーター」があっただろうことを以前記したし、同様の見解を示す一部メディアも
あったわけだけど・・。
ところがどっこい。ここ最近に来て急激に風向きが変わった。
一体何があったのか・・。
多数を占める道議会の“自民道連”自体が、推進派と否定派で二分、
加えて「希少動物由来の環境問題」が、やはりここへ来て焦点化。
更に、複数の世論アンケート調査結果が符合しない事実関係が明るみになるなど、
ギリギリの段階に来て、カジノ推進に対する逆風要件が一気に噴出した・・。
これ、単に「目算」を誤ったのか。それとも他に何かがあったのか・・。
透けて見えるのは、鈴木直道知事に対する、知事選当時から存在していた
「自民会派内での反対勢力」が、知事選出・就任後も依然として固まっていて、
それなりの大きさで維持されている・・ということだ。
このことは、ここ最近における自民道議会での協議紛糾劇で鮮やかに露呈した。
一方の鈴木直道。
言わずと知れた「菅義偉の舎弟」であり、“姉御”には前知事の「高橋はるみ」を擁し、
姉御由来のカジノ推進策は、五輪マラソンの代替策によって、
事実上確定ラインを否定する要素はほぼ「なくなった」はずだった。
なのになぜ！？・・。二つ理由が考えられる。
➀ ＜“茶坊主”鈴木直道による、政治求心力の無さ＞
若さやキャリアの浅さを含めて、“東京都職員由来の”政治力が、地元道政基盤にある
“地方政治力”としてみた時、信頼を得るには遠く及ばない・・という判断が、
道自民会派全体の相当数に滞留している、と。
逆を言えば、“ひよっこ坊主”の鈴木君が、二分される道自民連を纏められる能力が
未だにないことを示す証左でもある、と。
�◆ 秧�義偉〜現政権政治からの忌避・遊離＞
伝統的に岩盤の厚かった「強い農水族議員」らで構成されて来た北海道自民連・・。
安倍政権より少し前から、急速に力を落とし遂には“農業王国地盤”さえ野党に議席を
差し出すありさまにあって、他方で勢力を維持拡大化して来たのが
「新自由主義風情の議員達」。
その一端がまさにカジノ推進勢力だったのだが、
元来の純然な道自民の風情〜地元有権者の支持基盤を失いたくないとする勢力が、
ここへ来て“押し戻す”かのような状態になったのは、一重に「計算」があるから、と。
とどのつまり。「安倍〜菅ラインの政治力」に対する「賞味期限切れの判断」。
現在の「桜事案」まで含めて、現政権の政治力に依存するのは、とりわけ
地方政治にとって極めて深刻な「死活問題」となる。
“その時”が来てから手を打ったのでは時既に遅し。
残り任期が見え、これ以上のゴリ押しは殆ど無理無謀とみた道自民連・・
菅義偉による目玉政策カジノに、今の段まで来て固執する「メリットがない」・・
との総合判断が優勢となった・・と観ていい。
その判断を、新人茶坊主の鈴木君がしたたかに出来るわけがない。
公言にある「議会の判断を尊重し」は→古株の道自民連に逆らえるほど力がない・・
と白状してるも同義なわけだ。
しかしその鈴木君当人も、昨今の中央政権の有り様をみれば、
いつまでも「恩人・菅義偉」にべったり態度を示し続けるわけにもいかず。
よって、議会や道民有権者の声を尊重する・・という大義名分を傘にして、
鈴木君もまた、緩やかに「菅義偉から距離を置き始めた」とも解釈出来る。
とはいえ、いきなりあからさまな反逆姿勢を映し出すことだけは絶対出来ず、
それゆえに「IRカジノ政策は、今後も模索していく」とし、
言ってみれば“保険をかけておいた”というわけだ。
さてはて。これで面白くなったのは、カジノ誘致の候補地を地盤に持つ
「橋本聖子」をはじめとする、道自民連や経済連らの連中の行き先だ。
既にこの春、鈴木新知事が誕生するのに合わせて苫小牧市に進出して来た
「ハードロックカフェ」等の外国企業らは、ほぼ間違いなく「撤収」を余儀なくされる。
ということは、“カジノ間違いなし”と太鼓判を押し、外国資本とのパイプ作りに
精を出して来た、地元議員や苫小牧市政、財界らに対する信頼感は、
ここで一気に失うこととなる。
他方、広大なカジノ候補地を提供した「社台ファーム」と地元政治勢力、
外国資本、影で手を貸した“手嶋龍一”・・あらゆる人脈構成は、
今後機能不全を起こす可能性が格段に増した。
一旦こうなってしまったら、仮に再び北海道でのカジノ政策の可能性が浮上しても、
今回同様に物事が運ぶなんてことには先ずならないし、
同じ苫小牧近郊で再チャレンジを・・なんてのは尚更なり得るわけがない。
超絶に胡散臭いカジノなんぞを、潜在的な観光資源に溢れた北海道に誘致するなんざ
愚の骨頂ゆえ、この結果は喜ばしいなんて以前に「当然の帰結」。
一方で、この顛末は今後道政や経済界らに軋みを生じさせ、
“いっちょかみ”を狙ってた勢力は、これにて路頭に迷うこととなろうが、
その行方をちゃんと監視してないと、依然として北海道は蝕まれかねない・・。
■北海道、ＩＲ誘致見送りを表明 自然環境への影響懸念
(朝日新聞デジタル - 11月29日 11:38)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5883057
ログインしてコメントを確認・投稿する