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2019年10月24日14:33

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札幌でも難しい理由。

この前も少し書いたけど。
実のところ、札幌でも開催は相当ハードルが高いのね。

●時期的な問題

既に、札幌ではサッカー予選試合が組まれていて、7月22〜29日まで札幌ドームで
開催されることが決定している。もっとも、件のマラソンについては、女子の8月2日と
男子の9日なので、日程そのものと、予定されているゴール会場のドームが重なることは
ないのだけど・・

がしかし。短い夏の北海道にあたっては、他地域と同様に、元来から各種の催事は
お盆までの間にひしめき合っていて、来年については五輪関連の影響や
上記サッカー予選の絡みもあってか、更に短い期間の中に凝縮されるような
様相が見え隠れしているのね。

つまり、催事にあたっての人員や各種の資材関係その他、リソースが相当に
「汲々とした状態」に来年は置かれることになっている、と。

そこへ来て、急遽マラソンが追加されるとなると、早い話が「アップアップ状態」で、
涼しい涼しくない以前に、物理的な条件が相当厳しい・・って内実が。

●札幌ドームの物理的事情が困難にある

ゴール地点として予想されている札幌ドーム。
単に「広い」→「観客収容に適している」との理由を挙げているけれど。
しかし、このためにドームを使用するにあたっては、現状の状態から改修を経ないと
実施不可能であることが報じられていて、その額は確定的ではないものの、
「およそ数十億円」と言われている。

その予算については、囁かれてる限りではIOC辺りがどうにか捻出するのでは・・
との話があるけれど、何処が拠出するにせよ、金銭的な問題はクリア出来たとしても、
物理的要件がクリアされないと、実現そのものが不可能となるわけで。

物理的要件については、現時点で詳細は全く報じられてはいないけれど、
想定される難題が以下・・。

【会場導線】

現行のドームをみると、外から施設内にフラットな状態で出入り出来る箇所は、
可動式サッカーフィールドを引き込む為の「巨大ゲート」一箇所であり、
ここを使用することが想定される。

がしかし。その直前にあたる導線をみていくと「かなり無理のある箇所」がある。
それが以下の部分。

フォト


左端にある、場外の広い駐車場エリアからトンネルを潜り、サッカーフィールドのある
スペースに入ってくることになるが、ご覧の通りフィールドの角部が極めて狭く、
マラソンコースとしては実に「不適当」ではないか、と。

ここの幅は、ギリギリ大型トラックが出入り可能なサイズにはなっているので、
一般的に人が通行するにはそんなに無理はないものの、それでもせいぜいが
2m少々しかなく、デッドヒートの末の、クライマックスを迎える最後の最後、
その箇所がこんなに狭くては、ランナーにとって極めて障害で、加えて
角部は完全に角張ったコンクリート構造物なため、単純に「危険」。

なので、ドームを使用するとなれば、先ずここの改修・・
即ち「左角部」のコンクリート壁を削り取って広げる工事の必要性がある、と。
まぁ、これぐらいは時間的にも難易度としても、それほど困難ではないとも思うけど。

【場内陸上フィールド】

それより問題はこれ。ドームは確かに広いが、果たしてこの面積が、陸上フィールドの
既定に合っているのか否か・・。陸連とかの詳細な条件までは追い切れてないが、
単純に他の施設と並べてみた時、明らかに札幌Dは狭いんじゃないか!?と。

因みに、以下が等々力競技場の平図。

フォト


観ての通り、陸上コースがサッカーフィールドをグルリと囲むような状態にある。
このような施設はあちこちにあるので、お馴染みの印象と思う。

それに対して札幌Dの、可動式サッカーフィールドを引き込んだ状態の施設内平図。↓

フォト


一目瞭然、陸上フィールドの外周が収まる余地は殆どない・・と。
つまり。マラソン実施の場合は当然サッカーフィールドは外にあるので邪魔には
ならないものの、外へ出してあったとしても、そもそも陸上のサイズが
収まりきらないのだ。

となると、このサイズに合わせて陸上フィールドの規定サイズを変更し、
小さくすることが不可避だろうけども、そんなアレンジをするなんて、
陸上競技既定の要件として認めることが可能なのか否か・・。

仮に、特例的に認められたとして。
次の難題は「陸上フィールド」の設置方法と、技術的・物理的問題が。

元々札幌Dの床面は、むき出しのコンクリートである。
野球開催時は人工芝マットを敷き、サッカー開催時は殆どの部分が
可動式フィールドで占められるのと、稼働にあたる弊害ともなるので、
特段の敷物は敷かれない。

で、マラソンのゴール地点として活用するとなると、外周円のライン、
または相当する床面への「加工」を施さねばならなくなる。

がしかし。その加工改修にあたっては「サッカーフィールドが外に出ていないと」
作業自体が不可能。ところが、直前まではサッカー予選が開催されるので、
終了してから女子マラソン開催までは、僅か「3日」しかない。

なので、直接的な加工改修が出来る余地は事実上ないし、
では、サッカー予選が始まる前からやればいいんじゃないか!?との向きもあろうが、
開催以前の時期にはプロ野球日ハムの主催試合や、その他催事で使用されるので、
どちらにしても無理といっていい。

何より、直接的な加工を事前に行ってしまうと、Sフィールドが今度は
引き込みが不可能となる・・即ち「加工床面」を傷つけることになるからだ。

そうなると。残るは「専用敷設式フィールド」の作成だ。
つまり、野球で言う所の「人工芝マット式」。↓

フォト


こういう形状のものを作成し、7/29のサッカー予選終了後3日間で敷設。
これなら時間的な問題は一応クリア出来る。
が、これを作成するとなると、今度はそのための設計と施工にかかる時間的問題がある。
これからあと半年少々で出来る道理がない。

以上のことから、札幌ドームを使用したマラソン開催は、
事実上ほぼ不可能に近い・・といっていいでしょう。

じゃあそれ以外に適当な箇所があるか・・!?
入場料を徴収し、多大な観客を収容するに相応しい施設は・・
現状だとせいぜいが「厚別陸上競技場」ぐらいしかありません。↓(下のフィールド)

フォト


一応収容人数は2万を少し超える程度なので、一般的興行としては成立するも、
五輪のハイライト競技となると、施設の内容からしても適してるとは言えず・・

というかここを使うとなると、そもそものマラソンコース設定自体に無理が生ずる・・
って話になると思うのだが。。

どっちにせよ「涼しさに固執」してますが、実際はこんなに難しいんですよ、札幌。。

■時間前倒し、被災地開催 都が札幌以外のマラソン案検討
(朝日新聞デジタル - 10月24日 05:18)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5837137
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