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2019年09月10日14:34

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国内市場における、「音楽の種類不足」がもたらす偏重化が所以。

昨今の音楽番組に対する数々の批判。
おんなじメンツ、“ご常連”の使いまわし状態・・どれもこれも大半は
その通りとも思うけども、しかしてそれは「必然」でもあるわけで。

冷静に考えてみれば、記事にあるようにかつて昭和時代にあった音楽番組は、
ではバラエティ豊富に音楽を提供してたのかを問えば・・
大半が「ベストテン方式」だから、売れてる順番がゆえに
皆同じようなメンツだったわけでね。

あるいは、その合間に各レコードメーカーが推す“注目の玉”をねじ込む
「プロモーション枠」があったりして、その中からどれが火を吹くか・・
っていう構造があったと。その辺は今も引き継がれてるかどうかは知らないけど・・

で、近年。節目にやってますねぇ。特番形式のやつ。
知らん間に「音楽の日」とか何とかが設定されていて、なんぞや!?と思ったら、
これまたよく知らんけど、要は「業界の販促イベント」みたいなもの!?っていう・・

裏返せば、それは放送業界内部にある、各局同士の視聴率競争とかいうよりも、
「邦楽業界の困窮事情がゆえ捻り出した、ある種“苦肉の策”」・・
っていうのが個人的な見方。

「CDが売れないご時世」にあって、片やメディアプロモーションを行う為の
余地も減少、このままでは邦楽産業がジリ貧になってしまう・・
との末に編み出された一つの手段。

ネット、オンライン化が進んで、情報源や流通のベースが
王道メディア由来ではなくなって来た現代。
されど、ネットは無方位かつ集約化がされないために、逆に飽和状態を醸し出す・・
結果「何処に何があるのか、良さそうなものは何か」が見え難くなってしまった。

そういう意味ではやはり、なんやかんや言って
「メディアが選別・集約化する力〜潜在力」ってのはまだある・・
それが今の、特番事情に反映されているとは思う所。

ただね・・。
批判から透けてくる向う側にあるのは、単にメディアの手法や番組アイデアの是非・・
なんて狭い領域の話ではなく、やはり根っこにある「邦楽産業の現状」。
ここが変質・良化していかないとメディアも連動はして来ないのね。

かつて昭和時代にあった、老舗芸能プロダクションとメディアの関係性にも関連する、
持ちつ持たれつから波及した「歌謡曲」分類が消滅し、より音楽特性に傾倒した、
ロックやポップス、ニューミュージック系(死後でもあるけど)・・これらが台頭、
入り込める余地が格段に増していった末が今だけど。

その結果、凄く変な言い方だけれど「ポップスやロックが歌謡化した」状態に。
あえてわかりやすく換言するなら「売れ線ロックやポップスを特化させた」のが今。
かつての歌謡にあった風情と、無理やり重ね合わせた結果が
「誰でも、世代を超えて親しめるポップスやロックの醸成・構築」。

狙いはわかるんだけど、そうしたい理由があるのはわかるんだけど、
そもそも、ロックやポップスが世代を超えた「大衆化(歌謡曲のような)」をさせるのは
土台無理な話だと思うのね。いや、不可能とは言わないけれど、「かなり難しい」。
何故なら「アーティスト」なるものが、広く無方位に向けた世界観(楽曲)なんて
そもそも具現化する意思にもなければ、能力も備わってない状態で出て来るんだから。

それを無理やり、メーカー側が「大衆向け」に整えて(改変して)売り出す・・
その結果、テレビをつけた全世代が「歪な歌謡曲」として聞かされている状態。
メディアには特有の“サブリミナル効果”があるから、知らない間に刷り込まれ、
アイドルポップスやロックを中高年らさえも「受け入れ」、しまいには
そんなタレントのライヴにまで、老体に鞭打って追いかけ回す有りさまに(笑)

反面で、記事の反応にもあるような「鬱積」は、静かに増長している所が見て取れる。
ひとえにこれは「音楽の飢餓状態」を指し示している・・と思うのね。
「いやいや、こんなに数多くの楽曲やタレントに溢れてるじゃないか・・」
って声も聞こえそうだけど、数じゃない、「種類」が不足しているっていう。

ズバリ「国内市場から洋楽が消えた」ことが、相当の影響を及ぼしている、と。
CMからも、ドラマからも、下手すりゃラジオからも、総体的に洋楽が流れて来てない。

音楽番組に特化すれば、昔のベストテン番組らは元々洋楽の隙間がほぼなかったけれど、
一方には例えば「MTV」や「ベストヒットUSA(今もBSでは継続してるけど)」、
トレンドの洋楽を扱う深夜の専門番組など、邦楽市場の対局には
洋楽が流れるスペースがちゃんとあって、購買層全般には「洋楽にあるエッセンス」と
「邦楽の違い」を認識出来る環境にあった。
つまりは「栄養過多・偏重」にならないような構造があった、と。

今の中高年層が、アイドル音楽が好きで充実している・・と実は心底思っておらず、
例えばジャズや洗練された良質の海外ポップスを聞きたい・・といった潜在欲求は
殊の外持っていたりするのね。その辺りは「アマゾン」辺りでの売り上げデータにも
反映されていて、音楽ソフト苦境の時代にあって、ミドル層以上の購買率が堅調・・
との実態にも見て取れる。

けれど全般的には、今はどんなのがあるのか、知る術はネット化時代ゆえに
用意されてるとはいえ、実際には入り口が無方位かつ「とっ散らかっている状態」で、
時間的・労力的問題が障壁となって、中々近づくには至らない・・

結果、メディアが集約する一方的で偏重した流通に乗っかるしかない・・という。
そうやって少しずつ溜まっていったストレスが、本件の批判にも繋がっている・・。

昨今、かつてのような米国の音楽市場は随分と変化、一層潮流が激しくて
日本の市場でスライドして売れるとは言い難いのも確か。
しかして、メーンストリーム以外のジャンルや、英国やヨーロッパ、豪州、南米・・
実は日本の市場〜日本人の感性に合いそうな分類や市場、玉が相当あって、
その割に殆ど手がつけられていない状態でもあったりする。

国内の音楽市場や環境を良化させたい、再活性化をどうにかしてでも促したいならば、
片やグローバルなネット環境さえ充足しているのに、いい加減「閉塞的な国内市場」から
揺り戻さないと、邦楽市場さえ劣化と衰退を止められない事態に陥るはずで、
もはやその領域へととっくに入っている・・という危機感をどれだけ
業界人の多くが持っているか・・

鍵はそこにある、と思うんですがねえ。。

Mステも史上初の枠移動へ 音楽番組打ち切り相次ぐも“イベント化”で需要変化
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=5782437
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