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2019年05月03日15:57

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新天皇の言葉にある『極めて重要な文言箇所』。

改元の乱痴気騒ぎは、無節操な便乗商法らが継続中につき未だ余韻が続くものの、
一先ずピークを超えつつ、直ぐにこの憲法記念日を迎えたことについて・・

経済効果を狙ってあえてGWの真ん中に退位~改元を設定、恣意的かつ狡猾な策略を
敷いた一方、憲法の中心的な位置づけにある天皇制とこの度の退位~改元を前にすると、
“パーティ気分”をある種直ぐに諌める効能と、逆にこの余韻を用いて何らかの
“改憲”機運へと導く目論見の両方を内包している・・と観ていい気がする。

がしかし。今上は即位から一貫した平和希求〜現憲法理念の追求と遵守を明確にし、
それを行動でもって30年余りを歩み、最後もまたその言葉で締めくくったわけで。

他方の新天皇もまた、今上の歩みに対して敬意を払った上で、今上が念頭に置いた
戦後憲法の理念を遵守し、引き続き象徴天皇の役を果たす・・とした。

現時点で、新天皇が発した公の言葉はまだ一度しかないので、
あらゆる論考を行うには不十分とも言えるが、取り急いで今上が退位で発した言葉と、
新天皇の言葉を純粋に比較する時、ある「異なり」を見出すことが出来る。

先ず、今上に拠る退位での発言内容。(注目箇所に特化)

〜明日(あす)から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、
皇后と共に心から願い、ここに我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。〜

この言葉に込められている主旨・・即ち「国民(国)・世界の人々」という
およそ2つの対象に対して平和と安寧を『祈る』・・としていることは、
これまでも度々用いて来た言葉だ。結論的に言えば、
「祈りを捧げ続けることに邁進した(行動した)天皇」だった、と。

一方の新天皇による言葉。(重要箇所の抜粋)

〜国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望いたします。〜

向けた対象は今上と基本的同じで「国民(国)・世界」というおよそ2つ。
が、異なるのはその後。『切に希望』する、という。

今上が「祈る(祈って来た)、伴う行動」に対し、新天皇は『希望する』という。
どちらも純然な意味や目的は重複しているものの、今上は祈りの行為という
ある種「宗教的」な、または第三者的な(!?)距離のある行為・ニュアンスで
あるのに対し、新天皇はより“能動的な意思”として「切に望む」という、
新天皇個人自らが自らの思いとして希望するという、一歩踏み込んだ「表明」だ。
ここに、神に祈るかのような「距離感」とはグッと縮まっている。

その前段と前提が、発した言葉の中にある
「憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い」
言うまでもなく「現憲法を忠実に遵守し」、引き続き「象徴として務める」と。

つまり「9条の意義・精神と、対になっている象徴天皇を、今上同様に遵守しますよ」
としつつ、今上よりも一歩踏み込んで「私は切に希望しますよ」と言ってるわけだ。

要は、現憲法理念を昭和時代(昭和天皇)より、一層強くし行動して来た今上よりも、
更にもう一段新天皇自身の「個」を強調しつつ「望む」としたわけで、これは案に
政府や国民らに対し、現憲法の理念を今一度噛み締め遵守することを「望む」・・
としたわけだ。「祈る」今上天皇より、ある種の「要望」を呈されたということだ。

これは何気にでかい。このことを、改元でのパーティ気分に浮かれてる層は勿論のこと、
天皇崇拝等を殊更に強調、または“なんちゃって保守”を標榜する連中は
おそらく気がついてないだろうし、気がついたとしても「無視」するんだろう。
何よりも「論壇界隈」は特に・・。

それが果たして「天皇や制度を肯定する者」の態度、理解度なのか?だ。
いわんや、憲法改正を唱える安倍晋三や属する界隈の広範は、どう捉えるかだ。

口の悪い論壇の誰かは「天皇はひたすら祈っていればいい」との主旨で放っていたが、
新天皇は祈りから、より踏み込んで「要望」をしたわけだ。
このことを、「政治に介入した」との解釈をする向きももしかするとあるかもしれない。
が、「ボールを投げられた」んである。広く我々に、だ。
この状態を前にして、改元という節目を迎えたばかりの今、早速憲法改正論を
この憲法記念日にぶちあげることは、それこそ「一種の不敬」でもあろう。

他方・・。
そんな新天皇であっても、引っ掛かる文言が一つ含まれている。それは・・

「皇位を継承するにあたり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いをいたし、
また、歴代の天皇のなさりようを心に留め・・」 だ。

この中の『歴代の天皇のなさりようを心に留める』という文言。

純粋に読み込めば、直前の今上や昭和天皇は勿論、その前もおよそ全ての行いや内容を
心に留める・・と解される。だとすると、明治や大正、それ以前の特性や内容をも
全て自分の中に取り込み・・との解釈も成り立つ。

逆に、取り込んだ末に「良い部分悪い部分を整理し、より良い天皇を目指す・・」
とのポジティブな解釈もまた出来るわけだし、なさりようを留めることが
=全員を肯定し、あるいは戦前の誰かや理念を踏襲する・・との解釈に
固定化されるものでもないので、極端な理解をこの段でするのは早計でもある。

その点で、この意味については今後発せられる数々の言葉と比較し、
検討と推察をするべき重要な点だろう。

何れにせよ、改元直後の・・とりわけ「現憲法〜平和希求」を全面に掲げた
今回の憲法記念日ほど、現憲法の意義については、いつもより一層厳粛に
考えねばならないことだけは確かだろう。。

■象徴天皇と戦争放棄は不可分 敗戦からの憲法1条と9条
(朝日新聞デジタル - 05月02日 21:12)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5605110
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