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2019年02月21日18:38

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せん妄の実態と、警察/検察側に拠る不手際が露呈した事案。

本件にて「せん妄」というフレーズを観たのもあって言及。

3年ほど前に他界した父は、晩年になって大腸がんを患い入院手術をしたが。
普段から毅然としてるというか、ヤワな状態とはまるで無縁の人だった。
その父が、入院から検査を重ねるまでの間に、何故かしら所々の検査の記憶が
曖昧になったり、がんという病と対峙する段階だからか、やはり若干の精神的動揺が
観られるように。

手術から回復室での一夜を過ごした後、病室に戻ると何だか会話が一部で噛み合わない。
隣の病床患者さんに父が声がけするも、名前が全然違う。話の内容も素っ頓狂で、
よく聞くとどうも昔のある時期、当時懇意にしていた方の名前のようだと母が言う。

その状態に愕然とし、「これは認知じゃないか・・!」と母も自身も狼狽えた。
多分、麻酔の影響で記憶機能やらが異常をきたしたのでは、と。
慌てて担当医や看護師の方に事情を説明すると
「それはきっとせん妄という症状だと思います。そんなに心配しなくても大丈夫、
おおよそ24時間前後で少しずつ元の状態に戻っていくと思います」と。
更によく聞くと、どうやら昨晩の回復室ではもっと酷くて、手足をばたつかせたり
大声を上げるなどしたそうで、そのため拘束や薬の投与を施したそうだ。

その後数時間を経る間、言うようにみるみる普通の状態に戻ったが、本人に聞くと
放った言動や記憶などはなく「俺がそんな馬鹿なことをするわけがないだろ」みたいな。

入院治療も無事終わり、その後暫くして今度は心筋梗塞を患い急患入院を計二度、
その他ヘルニア等、他界まで3〜4回入退院を繰り返したのだが、何れも毎度
せん妄症状を引き起こし、正常な時間帯と症状発症の時間帯を交差しながら、
退院するとまた普通の状態に戻る・・ということを繰り返した。

医師やスタッフさんによく聞くと、せん妄事例は概ね高齢者が多いものの、
子供や若い世代など人によって関係なく起こるそうで、高齢者に多いのは単に
入院手術に至る世代が高齢者に偏っているだけだから、とのこと。

父の場合をよく観ても、病院という非日常空間の、回復室や集中治療室、病室等の
密室空間にある、体内時間軸が狂いやすい環境がせん妄を引き起こす
一つの理由だとする所見は、確かに当たっているとよく思ったわけで。

という経験則からこの事案にあるせん妄の背景を並べて観ると、原告元患者は
30代とまだ若いとはいえ、上記事例からしても異例でも何でもなく、訴訟審理にある
詳細な経緯を観ても、父の場合と酷似する点が複数あり、その点では原告に拠る
せん妄による“幻覚症状”が引き起こしている・・と理解するに特段の無理がない。

ただ一つ、当時の記憶状態が時を経ても今だに変わらず残っている、というのが
少し解せないのだが、この辺は個人差や若さゆえの、脳や記憶力らの活性状態が
新鮮であるがゆえの「固定観念化」になっているような気もするわけで。

でもって、その審理経緯の詳細を観ると、本記事にある短い概要だけでは全く見えない
数々の事実関係がよくわかる。その点で、訴訟事案報道はどの場合も同様の、
簡略化されたものが殆どであるがゆえ、あらゆる誤解や印象を与えることが多く、
いい加減何とかならないものかと、記事反応にある多くの無責任な言説をみると
尚更強く思うんだな。

本件での詳細な事実関係や審理の経緯を、江川紹子氏が客観的に解説している。

https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190119-00111366/
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190220-00115538/

上段は判決前に整理されたもので、後段は昨日判決が出た後に記されたもの。
概ね二つとも論点整理は大きく変わらないが、これらをよく観ていくと、
やはり警察側鑑定の杜撰さ(または欠陥)と、それを基に一元的に突っ走る
毎度の検察側資質が、今回も鮮やかに露呈していると言わざるを得ないんじゃないか。

その点で言えば、原告元患者女性だって別な意味での「被害者」・・
(警察/検察行政に拠る)」と多いになり得るし、だとすれば行政サイドは被告側医師と
元患者女性二人に対する名誉毀損を講じた・・ということが言えてしまう。

その辺り、判決内容にある司法の、警察・検察側に向けた強い批判文言がやはり、
この案件の不健全性を如実に示しているという以外ないだろう。

また、上記解説にあるように、江川氏の論説に対してさえも原告女性は
食って掛かったようだが、せん妄の状態が強かったことから尚更頑なにさせているのか、
またはそれを一元的に、更に粗雑な状態のまま後押しした警察・検察サイドが余計に
被告を頑なにさせたのか・・その辺りの加減は不明だけども、何れにせよ
何らかの間接的な作用をもたらしたのではないか、という推測は容易に出来てしまう。

どうもこの案件、警察・検察側の不手際により、あらゆる属性や当事者を悪戯に
振り回しただけじゃなく、多大な不幸を原告被告双方にもたらした可能性が高い、
実に問題が大きい案件じゃないのか。。

■手術後に胸なめた罪に問われた医師、無罪判決 東京地裁
(朝日新聞デジタル - 02月20日 14:57)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5506082
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