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2018年11月06日17:17

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大胆で大きな夢の裏に潜む懸念材料・。

昨日も速報的に少し記したし、これまでも何度か言及して来たこの件。
全体の概要がだいぶ見えて来た所で、改めてツラツラと。

内容そのものや方向性については、北海道へ移転して来てからの経営スタイル、
理念の大幅な改革や伴う積極性を考えれば、これだけのことにトライするのは
地元ファンからしてもそれなりに想像がついていたことではあるものの、
いざこうして具体案が出てくると改めて色んな期待や創造性が広がるのと、
反面では「先行きに対する一抹の不安」みたいなものも出て来るわけで・・。

世間的に主だって観られる懸念材料は、何と言っても商圏の中心である札幌市から離れ、
アクセス面に拠る「集客性」や「利便性」が劣ってしまうのでは・・というもの。
それに伴い並行してJR駅の新設案や、ダイヤの再編等についてJR側への協力要請と
検討が行われているものの、当のJR側からは未だに明確な回答や明るい展望が
見えていない状態にある。

また、当初の計画で打ち出されていた、補完的要素である「駐車場要件」は、
5000台程度から3000台程度まで縮小、JRの件とこれだけを観れば懸念点についての
大きな払拭は成されぬままな状態にある。

論理的には、そのマイナス要素を埋め合わせ、尚も有益性を生むにあたり
核にあるコンテンツ・・つまり本丸にある「野球」そのものに価値が高まり、
加えてボールパークとする施設全体の価値によって充分な補填が出来るならば、
アクセス面に多少の難があっても総合的にはプラスになり得る・・とは言える。

問題は、集客動機の主体である「野球の価値性」は、シーズンの成績推移、
チームや選手における魅力の大小によって左右される側面があるため、
端的には「Bクラス状態」が続くような戦績ならば、わざわざ遠くまで足は運ばず、
テレビやラジオで・・となってしまう。それを補完するのが球団の指針にある
「勝っても負けても楽しめる場」であるけども、それを継続化・持続化させるための
補完要素が付帯設備にあるコンテンツの価値内容であるのと、そのための
アクセス環境如何にある・・と考えると、そのバランサイズについては
依然として華奢な状態であることが、この豪華さと斬新さの裏側に付き纏っている。

もう一つの懸念・・。それは「償却面」だ。
これだけ多額の費用を注ぎ込む以上、どうやって償却しつつ利益を重ねられるか・・
核にある球場建設費用と維持費用は、野球観戦の動員収支と付帯施設における収益、
マーチャンダイズ収益らの合算をベースにされると考えられる。

一般に、単体の主要施設に拠る収益を考える中心は「稼働率」にある。
プロ野球は、ホーム開催とするに年間でおよそ70日程度。プラスして開幕戦数試合、
ポストシーズン戦数試合が最大で追加される余地があるとしても、
「実働2ヶ月半程度」に大きな変わりはない。

しかも、日ハムの場合はホーム主催試合のうち、北海道シリーズとして10試合弱程
「地方開催」を行っており、尚も「東京ドーム」と、一部に本州地方球場開催を
行っているため、本拠地球場の開催数は自ずと70日程度よりも下回る。
その日程数が、新球場誕生により若干変動が出たとしても、何れにせよ
実稼働日は「2ヶ月少々」でしかないことに大きな変わりがなく。
即ち、「残りの10ヶ月程度は空き状態」のままということになる。

そこで考えられるのは、コンサートなどの催事貸出による「賃貸営業」だ。
ところが、新球場は“天然芝仕様”を理由に、催事の活用は「限定的」にしか
考慮していないという。

ドーム球場としてみると、東京D、西武D、名古屋D、京セラD、福岡Dの何れも
「多目的催事場」として営業し、コンサートを中心に年間多く稼働しているが、
ハム新球場は閉鎖式によりドーム化するにもかかわらず、多目的営業は極めて少なく、
屋根なしの各地球場のように、実質「野球専用型」になることを意味する。

各地野球専用球場は、大半は既に償却が済んでいて、以後発生する改修維持費は
野球興行を主体にした利益で賄われる・・というのが概ねの有り様。
その中「広島スタジアム」こそまだ新しく、償却完了はまだ先なものの、
ドーム型よりも建設費用は低く、複合的な建設経緯にあるため
「純然たる球団の持ち出し」に依存されていないことから、収益構造の中の償却は
それほど無理な内容にはないと言える。

が、日ハムの場合は1から完全に球団に拠る持ち出し費用のみであり、
三セクにある行政由来の間接補助部分が基本的にないので、全ては球団の経営戦略と
計画性の如何に掛かっている。とした時、「ハコ営業」と観た際の肝でもある
賃貸営業に殆ど依存が出来ないとなると、尚更野球開催の動員率と、
その他の関連収益で如何に償却を潤沢に進められるかに掛かって来る。

即ち、2ヶ月少々に限られる野球開催以外の平常時、その営業収益(集客性)を
如何に安定性が図られるかに重要性が伸し掛かる、という。

野球開催シーズンの、3月下旬から最大で11月頭までの非営業時(ホーム未開催時)は、
前後の日程関係や夏場にあるレジャーシーズンとの兼ね合いにより、
多少の余剰集客が見込める・・と考えたとしても。
11月から(Bクラスで終えた場合は10月中旬から)翌年3月までの連続した期間に
どう集客と収益を図るかは、期間が「冬季」に入ること・・つまり夏場よりも人の移動や
伴う遊興出費に期待するにあたり、相当程度のコンテンツ性は一層求められることに
なるだろうが・・冬場は「出不精に陥る道民気質」まで考慮した時、
果たしてそれをひっくり返すだけのコンテンツや環境整備がどれだけ提供出来るか、
またそれを今後恒久的に毎年持続出来るか・・

商圏構造にあるデメリットやアクセス面等々まで全て含めて考えると、
どうにもハードルは相当に高そうな懸念は消えないんだなぁ。

別に、ここへ道民の血税が投入されるわけじゃないので余計な心配は要らない・・
という向きもあるだろうが、「ファン」や「北海道の球団」という見方で論ずるならば、
その球団が経営困難に至ることは、即ち「消滅」さえ大いに有り得ることまで含めると、
「余計な心配」なのかどうかはよく考える必要はあると思うが・・。

■日本ハム新球場、大リーグ仕込み 開閉式屋根、温泉併設
(朝日新聞デジタル - 11月06日 08:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5363611
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