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2018年08月28日15:35

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社会福祉の概念以上に重要な点を、主催者は理解しているか。

もうかなり前のことになるけども・・。

様々な公演のチケットを購入、観覧に来る半ば“お得意様”といっていいほどの、
中年層の車椅子障害者男性がいた。激しいロック系以外の公演なら、
クラシック系やイージーリスニング系、ジャズ系等など手広く、
あしげく通われたアクティヴな方だった。

購入する席は殆どが会場の中央付近で、会場によって差異はあるも、
大半は階段で二階以上を上がらねばならない位置で、ある会場では
4階まで上がった「二階席」中央付近をいつも買っていた。

お付き添いの方が毎回居るも女性のため、毎度のようにスタッフが
エレベータのない会場で男性を車椅子に乗せたまま二人がかりで階段を上り下りし、
座席へは通路からやはり二人がかりで抱えて座席列中央付近まで座らせ、
終演後は再び逆の手順で誘導していた。

一部を除いて各会場には車椅子専用席があり(通路寄りの端席数席が外れ、
ダイレクトに車椅子のままその場につける仕様)、当初
「次回から専用席をご利用なさっては?」との助言に対し、
会場中央付近で出来るだけ聴きたい旨の返答であった。

どんな公演であれ、主催する側は大半が少人数で仕切っており、
満席の場合小さいハコで数百、中〜大型のハコで数千の客を、
開場から開演まで概ね30分程度で収めながら、如何にオンタイム近くで
スタートさせるか、一日のうち一番神経と労力を要するその時・・

そのような特殊事情や要望にある一人のケアのために、
少ない手数と労力を要するのはロスが大きかったのも事実で。
このことに際し、当時の上司は苦言の度を大きくするようになった。

「毎度どんだけ補助するのが大変だと思ってんだ。ケアしてやることに甘えている、
あるいは感覚が麻痺してるんじゃないのか!?せっかく用意してるんだから、
いい加減車椅子席をおとなしく購入しろってもんだ」と。
あくせく走り回るその時、この方一人のために奪われる労力と時間を考えると、
確かにそう言いたくなる部分があったのも正直な所。だが・・。

この方は我々にとって、年間数多くの消費をしてくれる「お得意様」であることと、
それ以上に重要なのは、障害者であっても出来うる限り健常者と同じ視点、
聴点で楽しむ権利を有していること・・。

我々だけの都合や、健常者の感覚だけでみれば、車椅子席の方がメリットが高い・・
ように思える。がしかし、上記「権利」の観点からすれば、それは実は正しくない。
そのことをこの方は暗に示していたのだ。

それは「会場中央付近の音響が一番ベスト」だったからだ。
クラシック通の中にこの知識を持っている人がいるが、
専用ホールの場合、とりわけアコースティックの繊細な演奏の場合、
会場構造に幾分異なりはあれど、二階席中央付近、またはその直下が
一番音がいいとされている。

これは「視覚」の観点でも同様で、照明効果が最も如実に表れるのが
このエリアであり、P.Aを通すポピュラー系の音響や照明であっても、
基本線としてはどこでも均一に具現化されるよう調整はされ、その差は今や
感じ難くなってはいても、“中央付近でモニタリングされている”以上、
論理的にも感覚的にも中央付近がベターであることに大きな変わりはなく。

このことを、障害者の方はちゃんと解っていたのだ。
だからあえて、自身はもちろん周囲がしんどくても、その付近の座席が
取れる条件にあれば能動的にそこを買っていたのだ。

音楽を提供する側からすれば・・とりわけ「良質の音楽や文化を発展させる」
ことを目標とし、営利活動を推めようとする立場である時、こうした意向こそ
寧ろ積極的に吸い上げねばならないはずで。

であるならば、少々の労力をかけてでも、この方の希望に出来るだけ沿ってあげてこそ
「プロ」であるべきじゃないのか・・その考えに及んだ時、自身は上司と対立した。
仕切る立場として、仕切る側面主体で物言う上司の言い分、それはそれで
一定の説得力も正しさもあるのは確か。ましてや、その労力や時間の浪費によって
その他大勢の観客や進行に支障が出ては元も子もない、とも言える。

だったなら、事前にわかっているならば、どうやったらデメリットが出ないか、
どうやったら一人の観客と大勢とを両立出来るか、徹底的に考え抜き
アイデアを絞り出すのがプロの仕事じゃないのか・・
そう言って激しくやりあったことを今でも覚えている。

と、自身の経験から本件を並べて鑑みる時。
障害者に対する社会としての包摂・・という一般概念は勿論のこと、
音楽や大衆文化とは「社会を豊かにするものであり、公平庶民・社会の源である」
という大原則を、主催者はちゃんと理解しているか否かだ。

得てして、本件のようなメディア媒体の事業部辺りが取り仕切る催事は、
大企業の一部セクションによる業務という性質からか、外形的にも本質的にも
ある種柔軟性に欠ける、いわゆる「お役所的」資質からくる業務内容であることが
時々散見される。もしかするとその一端がこのような所作に及んだのではないか・・
という気がどうにもするわけで。

大体にして、車椅子席に振り替えるのに別途5000円も割高に支払わねばならないこと、
あるいはそのような価格設定自体が明らかにおかしい。
社会福祉の概念や上記の要因から考えれば、本来は一般席より割安でなきゃ
ならないのであって。

CBCが社会福祉の概念以上に、音楽文化の概念と本質上、
この内容がどう一致しないのかについて、果たして気づけるかどうかだろう。。

CBC、視覚障害者に不適切対応
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5263009
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