mixiユーザー(id:13658569)

2017年04月10日15:31

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一生産品を通じて鑑みなければいけないこと。

この系の話題が出る度同様のことを書いて来たが・・
人は・・いや、消費者は喉元過ぎれば直ぐに忘れるので何度でも記しておく。

このニュースは一菓子製造業の一種別をピックアップしてるだけに過ぎない。
あえて乱暴に言うなら、「ポテトチップス」を中心にして菓子だけが被害を被ってるだけに過ぎず、
別な食材が多数存在しているのであれば、消費者はその他のものを選択すればよいだけ・・
ということになる。つまり、米菓もあれば小麦粉由来の菓子等、
多種多彩に用意されているのだから、主食製品含めて何ら庶民生活の食に影響は及ぼさない。

しかし重要なことは、被害が加工用馬鈴薯のみならまだしも、
種芋(種子用)への打撃もあること。これが万度にないと、
翌年の生産量も計画もたちいかなくなる。つまりは翌年以降もこの影響が及んでしまう・・
ということだ。

もう一つ、加工用馬鈴薯には「澱原用(澱粉原料用)」もあり、こちらの生産量に影響を及ぼせば、澱粉を用いる多種多様な製品へも影響を及ぼすことにある。
尤も、昨今澱粉自体は安価な輸入製品が幅を利かせている面はあるものの、
国内産に軸を置いている製造業も決して少なくないために、どの程度まで波及するかについて、
想像力を持ってして観るべき事柄である。

更には「生食用」。一般消費者が直接手にする種別。
これこそ、核家族化や人口減少等の中で、多彩な食材の内の一つに過ぎず、
栄養摂取としての観点で代用品は他にもあるわけだが、生食用は何も家庭だけで
消費されているわけではなく、外食産業やコンビニ調理品に観られる調理業にも
影響を及ぼすのだから、こちらも決して軽視出来ない。

馬鈴薯一つ、その種別だけを観ていくとこのような形態にあることを前提にせねばならないが、
これらを鑑みる時、もう一つ別な観点で捉えなければならないことがある。

それは、農業は「生産者と消費者」という二極構造では決してない・・ということだ。

ポテトチップス一つ例に観ればわかるように、直接の生産者の被害はその次に来る
「加工業者」への影響がわかるが、では「生産者-加工業者-消費者」の三様かというと、
全くそうではない。この間にありとあらゆる業種が噛んでいる。

生産現場界隈でいえば、「肥料農薬・種子・包装・燃料・農機等の資材業・集出荷運輸業」、
加工界隈では、「労働力・包装・製造電源〜燃油業・製品出荷運輸業」、
消費流通界隈では、「仲買・人件労働・販売先への運輸業」

ざっと挙げるだけでこれだけの多岐に渡るわけで、農業生産がどれほどの領域を跨ぐのかと、
逆に言えば、農業生産にどれだけの産業が依存し存立しているか、であり、
“農家がどうのこうの・・”という次元では決してないということである。

馬鈴薯生産減の影響が、ポテトチップスの生産への影響という点で考えるなら、
実際の正確な損益額の大小は別にしても、これだけの広範な視点で観なければいけない。

そしてもう一つ考えねばならないこと・・。

こうした自然災害を前にして改めるべくは、農業というのは常に
「自然との対峙・格闘の末に成立している業種」であることの再認識である。

日本農業の気象要件で観れば「多湿多雨」で、海に囲まれている条件を鑑みた時、
農業は常に、毎年「気象不安定要件」の中で行われている、言わば「綱渡りな」産業なんである。
何よりも、春夏秋冬は決まっていても、気象は毎年変化するものであって、
事前に予測することが不可能であることを前提にしている。

ここへ更に、各地で細かく異なる「土壌性質」が加わる。
幾ら気候が適していても、粘土質で馬鈴薯は生育・多収とならず、
逆に土性が適しても気候条件が悪ければ育たない。

多方で、そんな不安定要因の中で調整される「肥培技術」へも目を向けねばならない。
北海道の馬鈴薯に観られるような面積の大きい圃場である場合、
大型機械での施肥や防除となるが、一枚の圃場とて右端と左端、中央とで条件が異なる、
隣り合わせの圃場で肥料効きや病害虫の度合いが異なる、
傾斜や周辺の河川・木々の有無によって異なる・・という中で個々の特性を把握しつつ、
毎年の気象条件と合わせながら微調整を施さないと、潤沢な生産には至らない。

農業とは「化学」「土壌学」「気象学」等の多様な学識を前提にした技術職であって、
しかも天候次第で全ての論理も計画準備も吹っ飛んでしまうという、
まさに「賭け」であるということを、この際消費側は否応なく認識しておくべきだろう。

そう、農業とは最終的に「お天道様のご機嫌次第」にあるということを・・。

ポテチが消える? カルビーも湖池屋も…深刻な“ジャガイモ不足”で休売に!
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=141&from=diary&id=4519862
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月10日 16:50
    ボンファさん、こんにちは。

    私は生物種の大量死、絶滅に至るものも、至らないものも含めて興味があります。 なので、この日記の考察、すごく勉強になります。 ありがとうございます。

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月11日 02:37
    そうですよね、経済的にも競争原理を導入している制度下におきましては、産業分野の一つとしての農を考える必要があります。 産地間、国間の競争に勝つと言うことは、産地としての存亡に関わることです。
    ちなみに、今回のジャガイモの大規模な不作の原因はなんだとされているのでしょうか? 栽培種横断的な、しかも、高度な、全面的な不作のような印象ですが。。。
    私、報道を全く追えていません。 ご教示方、よろしくお願いします、もし、お時間がおありならクローバー
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月11日 07:33
    ボンファさん、詳細で、全体像がわかる解説、ありがとうございます。 1時間くらいの長時間を私のために割いて下さったのではありませんか? ご厚意、ありがとうございます。

    私は気象に関心を持っておりまして、昨年の北海道に上陸した台風とそれがもたらした豪雨による被害は覚えていましたが、その及ぼす影響までは思い浮かべることは出来ませんでした。 輪作ということも、なぜ、輪作が必要なのかも知ってはいたのですが、所詮、読んで得た知識、活用できるような知識ではありませんでした。

    結語の馬鈴薯市場全体に対する他産業に与える影響に関する御案内は私には啓蒙になりました。 ありがとうございました。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月11日 16:22
    ボンファさん、ありがとうございます。

    一世紀単位だとどうなるか、そうです、その予測が重要だと思います。 ちょっと、違うかもしれませんし、必要な時間軸の長さも変わってくるだろう、とも思うんですが、地震の起こる確率の評価にも会い通うものを感じます。

    私は、素人としまして、気象も地震もすごく感心を持っています。 今回は、ボンファさんのお陰で、起床と農作物の作況も意識できるようになりました。

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月12日 04:18
    ボンファさんぴかぴか(新しい) おはようございます。

    ありがとうございます! 北海道の農業と耤作技術についての概説、すごく啓蒙して頂いています。

    たくさん学んだ点があるのですが、一つだけ特筆しますと、日照量が大きな豊作不作を決める要素になるっていうことを教えて頂いたことです。 この点を頭に入れて、衛星画像を観ていくようにします。

    ぴかぴか(新しい)ご厚意ぴかぴか(新しい)、ありがたく、また、うれしいです。 今後とも宜しくお願いします。 クローバー

    りんご
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月12日 17:53
    こちらこそ、ボンファさんにはお礼を言い足りません。 結局、私がミクシィでしていること、楽しんでいることって、結局、人力や人意ではどうしようもないものを見ようとしているのだと思います。
    私にとりまして、ボンファさんのご好意で身についたことにより、確実に、例えば、衛星画像を見る時の見方が違ってくる、と思います。 これは、大きな進歩です。

    任天、その通りだと思います。

    ウェブもまた、私には現実です。 私はお上手や世辞は一切無縁に生きてきました。それで、私の思いをそのままに表現してみたくなったのです。 こちらこそ、ありがとうございます m( )m
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年04月13日 04:14
    わーい(嬉しい顔)

mixiユーザー

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