mixiユーザー(id:13658569)

2016年07月11日15:06

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不適切な「ギャンブル性」が生んだ功罪。

更に詳しい分析数値等が出揃ってないか、まだ見回していない段階ゆえ、
正確なポイントについていうことはまだ出来ないけれども・・

投票日より10日前ほどに観た過去のデータと比較した数値を基にすると、
このままでは前回とさほど変わらない、上がっても僅かではないかとの内容があったけども、
不幸にして見事に当たってしまったなあというのが第一印象。

開票後、毎度のように似たような分析が成され、結局「無関心」や「無責任」、「他人任せ」、
「政治の停滞」etc...これらの類に集約、「もっと関心を」といった総括で経過してしまうのだけど・・

今回で言えば「争点隠し」等の個別要素はあれど、逆にある面ではそれほどまでに
「重要な」分岐点でもあったわけで、それを認識出来ない民度の問題というのと、
対してそれを的確に、かつ時代にマッチした報道態勢が取れていないこと、
そのメディアや世論に対して誠実に向きあおうとしない政治側・・
それら重層的な構造であることを、客観的に認識する必要はあるだろうと思うところ。

一つ気になるのは、世代別投票率がどうなっていたのか・・。
とりわけ今回初めて導入された「年齢引き下げ」によって、どれほどの影響があったのか否か。

この制度の背景として主だっていたのは、「投票率の引き上げ」でなかったか。
この層の全体数と、既存層と全体構成との兼ね合いの中、
新規若年層の率が高かったとして、実際どれほどのパーセンテージに及ぶか定かではないが、
それは抜きにしたとしても、この層の率が依然として低かったならば、
政治側はよほどしっかりと受け止めつつ、検証と反省を行わねば、
「小手先だけの安易な施策」として低評価に晒されるだろう。

また、この層の率が低かったとしても、批判をこの層に向けるのは時期尚早だ。
如何せん「時間的・物理的」に準備・態勢不足なのは明らかであるし、
何よりも学校や家庭、日常近辺に政治について気軽に「ディスカッション」する空気はおろか、
健全な場がまるでないわけで、そんな状態の中いきなり投票権を渡されても
未熟な若者が戸惑うのは必然だからだ。

それにもかかわらず、教育現場では「中立性」等という錘をどっかりと乗せるのだから、
そんな息苦しさの中で政治に前向きになれるはずがない。
その点で与党による「思想統制」が、自らの足を引っ張る格好になったのは
否定のしようがなかろう。

如何に屈託なく自由闊達、気軽な政治コミュニケーションが取れるか・・
それが本来の民主主義にあるべき姿であり、政治に対して“赤子”であればあるほど
フリーハンドでなければならないはずにもかかわらず、肝心の最初から
手足を縛られれば誰だって忌避したくなるのは当然だろう。

そうした「大人社会」の窮屈さと、「政治とは・・」という大人の定義を振りかざすから
若者は嫌気をさし、距離を取ろうとするわけで、それを上から「けしからん」といった所で
何を素っ頓狂なことを・・ってなものだ。

他方・・。

若者に限ったことでは全くないが、投票行為そのものが、どこか「勝ち馬に乗る」、
「投じた票が活きないと」損をした感覚になる、損をした感覚にさせる・・
根底に潜むある種の「ギャンブル要素」が、投票そのものを尻込みさせている、と。

自分が投じた候補者が勝たないと意味が無くなる・・。
純粋にいいなと、投じようと思った候補者が大きく劣勢だったとわかれば、
そこに僅か一票を入れた所で何のプラスにもならない→手応えがない、となる・・。

なら投じても、行くだけ無駄だ・・。
あるいは、だったら少しでも勝てそうな候補者に入れた方がマシか・・!?と。

こんな不健全な意識を働かせている、助長させている面がありはしないか!?

どこか「馬券投票」に相通じる部分を感じるわけで。
下馬評が高く、断然一番人気の低オッズ票に集まりやすい構図。
「この馬を買っておいた方が無難だ」という・・

馬券の場合、穴狙いでも勝てる要素は少なからずあるわけだし、ギャンブルの本質には
それがあるから夢を見れる、投資出来るし、逆に低オッズでも当たれば僅かでも配当がある。

しかし選挙は高オッズに対しての配当が限りなく「ない」。
事前オッズが相当な正確性を持っている以上、そこに投じる気概が事前に削がれてしまう。

もしも3人の候補者が全くの横並びで、事前情勢でさえ全く読めずデッドヒート状態だったなら、
息を呑む展開だったなら、おそらくは無関心層ですら引き込まれる要素が生まれるだろう。
しかし「出来レース」なら自ずと投票意欲は沸かない。

これを引き起こす一つの要素は、やはり「情勢調査」だろう。
断然の有力候補者や党には有利に働き、その下には益々不利となり、差が開く。

そして何よりも、政治側がその不健全な出来レースと、
ギャンブル性の中のにある悪い側面を構築していることに、根本の問題がある。
政治そのものをつまらないものにさせている。

娯楽的意味合いでの「楽しさ」や「興味」ではなく、自然と関心や興味が及ぶ政治構造に、
日本の政治環境はあるか否か、だ。 全くないからこそ、いつまでも冷めたままだ。
この中には報道メディアのあり方も含まれ無関係ではないが、根本はやはり政治側だ。

本来は、だからこそメディアがそこを突きつつ、徹底批判していかねばならないはずだが、
そのメディアすら政治側に取り込まれている不適切な状態にあるわけで・・

こうなると元々自立性が低く、縦社会構造の中で生きて来たDNAを持つ日本人は、
尚のこと八方塞がり状態となり、挙句諦めと共に背中を向ける。

それらを棚上げし続け、有権者における熟度のみを嘆き批判し続けても、
この状況は今後も変わらないだろう。。


■投票率54.70% 戦後4番目の低さ 朝日新聞集計
(朝日新聞デジタル - 07月10日 23:44)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4086742
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