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2016年07月04日22:44

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音以外の機能を持つ、特殊な「記憶媒体」。

アナログレコードの動きに続いて、この傾向はやはり音楽の中心市場でもある
米国では一足早く、結構前からあったものですね。

その一つは、HIPHOPが隆盛にある中で、ターンテーブルで回すレコードにある独特の「音質」と、
独特のカルチャー要素と同じで、カセット特有の音質がHIPHOPにある「粗さと野太さ」が
絶妙にマッチしている・・と。

黒人達がラジカセでカセットをガンガン鳴らすのと同様に、
カーステのカセットデッキによって鳴らすことが最も「クール」・・ってのが定番なんだとか。

これは理に適ってるなと思いますね。

本来音楽とは、「音を楽しむ」ことにあるわけでもあり、
「よい音=クリアで原音に忠実である」ことの価値と、
「よい音=温かみや野太さ・粗さ、ノイジーである中でのナチュラルテイスト」
という価値があるわけで、音を「楽しむ」という価値に特化すると、
アナログ音の方が寧ろ楽しさは濃密だろうとも・・。

テープの種別、バイアス等の選択肢、ヘッドの種別・・
枝葉が多い分、音の種類が更に増えるってのは、オーディオライクとしても実に楽しいし、
幅の広さの中で、新たなアーティスト性みたいなものを再発見できたりもする、と。

かつて所持していた数百本のカセットテープ・・。

やはり場所がかさむというのがあったこと、少ししてDATやMDらが登場、
利便性と音質という双方のメリットを前にしては、もはや無視出来ず。
悩んだ末にMDデッキを新調。全て移し替えることを決断。

折角だからと、音質を更にいじるべく、デジタルマルチトラックレコーダーへアナログインさせ、
1曲毎にEQやエフェクトを微かに効かせつつ、MDデッキへデジタルアウトさせるという、
気の長い作業をコツコツと行い、全てMDへ。

時間の空いてる時や寝る前のひと時・・という条件下、一体どれぐらい掛かったか・・
正確には覚えてないけれど、2年ぐらいは費やしたんじゃなかろうかと(笑)

ついでに、やはり曲と演者の文字打ち込みはもちろん、
MDケースにも全て、PCを使いシールにプリントアウト。

途中で何度も挫折しそうになりながら、半泣きになりながらようやく完了。
苦労した甲斐があったなぁ〜と満足感に浸ったのもわずか・・
MDを繰り返し聴き直すことは殆ど無かったという・・^^;

全て完了し、事実上用済みになったカセットテープの数々。
処分してももう大丈夫なのに、何故かその手が進まないのね・・

マジマジと眺めると、かつて貧乏学生でレコードも満足に買えず、
エアチェックでコツコツと溜めて来た苦労と、その時の楽しかった思い出・・
曲名を少しでも綺麗に書こうと集中していた、当時の自分・・

レーベルの背に、これまた少しでもかっこよく綺麗にと、
せっせと貼り付けていたレタリング文字の数々と、時に失敗して字がずれている部分・・
色あせたのと、経年でシーリングが剥がれている部分・・

音以外の、「アナログでセピア色の思い出」が、カセットテープの中と外に
ぎっしりと詰まっていたことに気が付いたわけで・・

「そういやあこのテープ、当時誰それに貸したっけ・・」
「あいつ、そういや元気なんだろうか・・」
「このテープ、あの娘が家に来た時かけたっけ・・」

MDに、全て化粧をし、蘇らせたはずなのに、
代わりに音楽と共に、全ての大切なモノを捨ててしまう罪悪感、みたいな・・

たまたま知人に、デジタルについていけず、かつ音源に乏しい人がいて、
「かさばるけどいる?」と聞いたら欲しいというので、全て差し上げた。

完全に捨てたわけじゃなく、再利用され音楽が共有されることで
そこに意義は生まれたわけで、捨ててしまう罪悪感は発生しなかったのだけど、
形としての思い出までも、他人に譲り渡したかのような感覚になり、
ある種の「無性な喪失感」は暫く消えなかったんですねぇ・・。

一方、3ヘッドのカセットデッキ・・
それにて事実上お役御免となり、電源を入れることもなくなり、休眠。

新し目だったこともあり、これまた捨てるには至らず。
ふと思い出し電源を入れ、予備的に残してあったテープを入れると、
変な動きを繰り返し、ストップ。そのまま動かなくなってしまった・・

デッキまでもがもう過去のものとなり、機能停止したことは、
譲り渡したテープととは別に、過去の思い出を再生させる機能すら、
もはや機能不全を起こしてしまったかのような気分に・・。

そんなことをツラツラと考えると、アナログ音源というのは、
本質的な音の良し悪しの他に、アナログである人間の本質としての、
そこに付随する記憶といった間接要素までふんだんに詰まる、
「特別な記憶媒体」なんじゃないか・・そんな風に思うわけで。。

では1曲・・。

初めてSONYの「フェリクロームテープ」を購入、記念すべき最初に録音した曲を・・。

耳に飛び込んできた最初の音・・ジェイ・ベッケンスタインによる、乾いたアルトの音が、
実に深くて澄み切っていたなあと、今でもあの感動が蘇ります・・

「Bittersweet」 by Spyro Gyra





■なぜ今「カセットテープ」が人気を呼んでいるのか?
(日刊SPA! - 07月04日 16:52)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=81&from=diary&id=4076210
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