mixiユーザー(id:13658569)

2015年03月26日20:32

533 view

意義深い判決。

地元なのでこの件はずっと気になってたのだけど・・。

言い方は少々おかしいかもしれないけども、判決には『消極的支持』、という感じかなと。

大抵「だったら見に行くな」「本人の注意不足」といった文言で片付ける傾向があるが・・・
実のところ、ここに隠れた落とし穴があると観ている。

確かに観客による注意義務があるのは自明だし、注意喚起のアナウンスや告知など
それなりに成されているので、観客による責任の必要性なし・・とまでは言い切れない。

他方の運営側も、同様に注意喚起は一定程度されているので、
これまた安全管理に著しい欠陥がある・・とまでも言えない。

その中で、では実際観客はどの程度自己による安全管理が果たせるのか・・。

プレー中打席に入っている最中が最も注意を要する場面であるが、
ざっくり最低でも50回程度ある打撃場面において、その全時間一定の警戒レベルを
維持することは、人間工学の側面を考えれば事実上困難である・・
という観点を置かねばならないはず。

これは、車の運転にも共通する項目で、長時間運転する中で常に一定レベルの安全態勢を
維持することが事実上困難であるというのと似ているわけで。

ゆえに、何がしかの工夫でもって極力そのレベルを維持するに務めることは求められようが、
求めるのと実際出来るかの話では別な論点・視点で考えねばならないことだ。

ましてや、遊興娯楽という背景要素が圧倒的に強い球場観戦ともなると、
潜在的に危機管理意識が薄れてしまう、または阻害される要素が前提として多分に含まれる。
例えば、同行する観戦者との会話、飲食物に意識を持っていかれる、
電光掲示板に目が向いてしまう・・・等など。

これらが記事にある判決理由の根拠であり、論理性はあると言える。

他方、運営側・・即ち席を売る側としては、とりわけ内野席に至っては
フィールドに近いという優位性を全面にしたチケットセールスを展開しているのが実態であり、
大抵は外野より高い設定であろうし、売る際には半面危険要素について特段の注意喚起は、
決して充分されているとまでは言い難い側面もある。
そこには当然ながら、「売り先行」の意識から派生する、危機管理・注意喚起の脆弱さでもある。
また、企画シート等の設定により、あらゆる年令や性別構成問わずPR・チケットプロモーションを
かけている以上、安全配慮はそれを考慮したものでなければならなくなる。

ゆえに、「年寄り子供はそこを選ぶな」とするなら、現状を鑑みればそれは暴論であるし、
この手の事故は過去にも事例があるとはいえ、広く周知認識されているかといえば、
その限りでもないわけで、そうなるとやはり、運営側による一層の対策を求めざるを得ないのは、
世の中のインフラやその他の安全構築の進化に鑑みれば、球場は例外とは言い難い。
それが本当に良い世の中なのかどうかは別としても・・。

では実際、どのようにして安全性がより高まるのか・・。

具体的かつ実効性があるかについては、専門性も有するので軽々には言えないが、
打球が特に速く、且つ鋭角的に飛んでくるであろう内野席に限っては、
ネットや透明アクリル板等による何らかの遮蔽が先ず考えられる。

アイスホッケー場を観ると、リンクと客席の境にはパックの被弾を防ぐ
低いアクリル板で囲まれているが、あれをもう少し高いものにする、または
上部からある程度の高さまでは上からの釣り式にして、打球が当たってもスタンドに飛び込まず
落下する仕組みにするなど・・・遮音性により臨場感が損なわれるのであれば、
小さな通気口のような穴を開けた構造にするなどして工夫する、とか・・。

どの方法が妥当性があるのか別にして、何れにしても、今後も事故そのものが起きていく
可能性自体は否定出来ないのだから、観客の注意義務は勿論のこと、運営側には一層の
対策が求められることは、ある種必然でもあろうし、
今後のあり方を再考する、問題提起する上でも、この判決は意義深いものとして、
どちらかといえば支持したいところだ。



■日ハム側に4195万円賠償命令=ファウル直撃で女性失明―札幌地裁
(時事通信社 - 03月26日 18:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3339999
4 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する