ゲイリー・オールドマン主演の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 ('17)』を観ました。監督のジョー・ライトはよく知らなかったですが、キーラ・ナイトレイが主演していた『プライドと偏見』を撮った人でした。
ウィンストン・チャーチルの伝記映画かと思って公開時には観に行かなかったのですが、チャーチルを描くと言うよりも原題にある、英国にとっての「Darkest Hour(最も暗い時)」をいかにして乗り切ったのかを描くドラマでした。
我々は歴史としてその結果を既に知っているわけですが、その瞬間にその場に居合わせた人々の恐怖や葛藤をリアルに体験している気分になれる良作でした。歴史映画の醍醐味は時空を越えてその時に起こった出来事を追体験できる事だとしたならば、かなり成功していると感じました。面白かった!
もっとも、チャーチルを筆頭とする英国が絶対の悪であるナチス率いるドイツに立ち向かうヒーロー物みたいになっているのはちょっとやりすぎな感じもしましたが、これが英国人の実感なのだろうなとも。
主演のゲイリー・オールドマンがアカデミー主演男優賞他、多くの受賞をしていますが、それもうなずけるような名演技だったのも良かった。一国のリーダーとして内外から完全に孤立無援で戦い、迷い、悩み苦しむ姿を見事に熱演していました。チャーチルと敵対するスティーヴン・ディレイン演じるハリファックス卿も含めて、その時の英国人の精神をまさに体現しているのだろうとすら思えました。
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