全体に「響け!」のアニメはエモーショナルに訴える部分に強くて、原作小説は筋立てやエピソードに感動する事が多いなと思っています。当たり前ですけどね。
で、久美子があすか先輩の家に行く『響け!ユーフォニアム2』九回を久々に観たらアニメのオリジナル演出が良すぎたのでちょっと語りたい…
まず、夏紀をはじめとして吹部の皆があすかの自宅に招かれた久美子の事を特別だと感じ始めているし、頼りにしつつある描写が入っているのが良い。この辺、原作だとこうまではっきりとは書かれてなくて、久美子が劇的な場所に必ず居合わせるのは
「主人公だから?」
と思ってしまう程度には不自然w
麗奈は麗奈で、誰にも負けないくらい情熱的に久美子に迫ります。久美子の凄いところを一番に見出したのは自分だと言いたいのか…
関西大会の時の久美子の為に吹く発言も描き方が原作よりもアニメでは遥かに隠微だったし、アニメは本当に麗奈と久美子の距離が近い。楽しいwww
Bパートに入ってあすかと久美子が並んで歩く場面。
原作だと久美子は吹部ではずっとローファーだったあすかが、珍しくスニーカーを履いている事に気づく独白があって既に今のあすかは吹部から心が離れつつある事を暗示するのですが、アニメの久美子は特にあすかのスニーカーには反応しない…
その点、アニメでは香織があすかのスニーカーを指摘する役回りに
原作でも香織があすかのスニーカーの解けた靴紐を結ぶ描写があるのですが、アニメでは懇切丁寧に
「あ、あすか、靴紐解けてる
まだ馴染んでないんだね
ほら、こうやって結ぶと、ほどけにくいんだよ」
と台詞でしっかり強調しています
なんとかあすかを繋ぎ止めようとする香織に対し、あすかはすっかり心を閉ざしたままなわけですが…
原作だともっと前に、事情を話そうとしないあすかに香織が傷ついた表情をしていると言う描写があるのですよね。それを踏まえると香織の行動は切ないし、それでも動かないあすかにぐぬぬとなります〜
そう言えば、原作だとあすかと久美子の間に香織が割り込んでくるのですが、アニメだとあすかと久美子が並び、香織は一人で手すりの反対側に並ぶのがかえって切ない気持ちにさせられます。
ここで吹部の話題を少しでも振る香織に対し、興味の無さそうなあすかと言う…香織の気持ちが切ない…好き…
私の見立てでは、この物語世界のガチレズさんは香織ひとりだと思うのです。それだけに報われる事のない恋に身を灼く香織の事が一番気になってしまう
その後の香織とあすかの事は知っていますが、だからと言って人生はその瞬間で終わるわけじゃないですからね〜
そもそもあすかは父親と自分を唯一繋ぐユーフォにのみ執着して行きてきたわけで、その想いが昇華してしまった今、あすかは初めて世界に目を向けたと思うのです。その時のパートナーが香織だと思うと最高ですが…それは、果たして香織の幸せを約してくれるのだろうか…と思ってしまうのです…
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