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2022年05月28日16:17

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【映画感想】未来のミライ (’18)

もうすぐアマプラでの配信が終了すると言うので、いよいよ意を決して細田守監督の『未来のミライ(’18)』を観ました。

公開当時、既に評判も芳しく無かったですしキーヴィジュアルも作品のテーマも何だか観るのしんどそうだな…と感じられてしまい足が向かなかったのです。何よりも私にとっては『バケモノの子』がイマイチだった事も大きかったですし。

そんな感じで初めて観た『未来のミライ』ですが、なるほど、これは評判悪いわけだと思わされました。気持ちの上で観ていて実にしんどい。

監督自身がご自分の子供を身近で観て、触って、感じたリアルな子育ての経験がそのまま作品に反映されているのは痛いほど伝わってきました。私は子育てと言うものをしたことないので、その本当の辛さはもちろん知らないわけですが…

それにしても、監督は子育てに対してネガティブなイメージを抱きすぎではないでしょうか?以前、木尾士目の描いた子育てマンガ「ぢごぶり」について、私はその心身ともに消耗し尽くす子育てと言うものに戦慄したのですが、一方で現実に子育てを経験している人に言わせると、あれは辛い面だけを強調しすぎていて萎えたと言う評も聞きました。

それとちょっと似ているかな。それまで家族の中で常に一番だった「くんちゃん」が妹ミライちゃんの誕生で王座を滑り落ちてからの蔑ろにされ方が、何もそこまで…と哀れを極めていて…

それが監督の実感だったとしても、ああも露骨に無視され続けるのはあまりにも辛すぎます。星野源が演じるお父さんは在宅ワーカーでしたが、監督も同じように在宅で仕事しながら自分の子供をあんな風に無視して仕事に没頭したかったと願望したのでしょうか。

映画はとにかく子育てのネガティブな面がやたら丹念に描かれ、唐突に「家族の血脈の中にいる自分」と大きなテーマが登場して取ってつけたような大団円を迎えます。その筋立ても
映画としてどうなの?と思わされました。ちゃんとした映画として成り立っているのか、疑問だけが残るラストでした。

『サマーウォーズ』からこの『未来のミライ』まで「家族」と言うものを描いてきた細田守監督ですが、最新作の『竜とそばかすの姫』では原点回帰するかのように『時をかける少女』と同じように「ひと夏の冒険」で成長する少女を描いていたのは正解でしょう。そっちの方が作品として面白いです。

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