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2020年06月07日11:44

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地獄から変態クンがやって来た!「ヘル・レイザー1・2・3」

ホラー映画の中でも、人気シリーズの1つと言えるヘル・レイザー(すでに9作も作られている!)ですが、実はこれまで一度も観た事がありませんでした。
「観たい!」という気持ちにそこまでなった事が無いのと、観る機会にも恵まれなかった(テレビ放送とかあったのかな?)のですが、たまたま無料動画のGYAOで3作あったので観てみました。
面白いじゃないですか!
どうして誰かがもっと強く背中を押してくれなかったのか。

1作目のヘル・レイザーが面白いのは、原作者のクライヴ・バーカーが自ら監督している点です。
作家が監督・・・。
スティーブン・キングの「地獄のデビル・トラック」が心の中を疾走していくため、嫌な予感しかありませんが、この作品は大丈夫です!
いや、良い部分と悪い部分があるのですが、結果的にはすべてがこの作品としての味になっていると思います。

まず、ビジュアルが凄いのです。
人気物のピンヘッドを筆頭に魔道士達の造形がユニークだし、特殊効果の素晴らしさは今観ても舐められないほどのクオリティーを誇っています。
もっと気持ち悪く、もっと異様に!という監督の、物凄いこだわりをベットリと感じます。
プロの職業監督なら「これくらいで良い」と思うレベルでは、絶対に妥協しなかったのか、特殊効果のスタッフが有能だったのか、その両方だったのでしょう。

とにかくフェティッシュ。
監督のSM趣味を存分に撒き散らした映像と造形の数々は、人によってはまったく受け付けないだろうし、好きな人にはたまらないはずです。
僕はこういう、自分の心の内臓から溢れてくるものをそのまま塗りたくる様な映画には、本当に痺れてしまいます。

悪い部分としては、サッパリ意味が分からない事です。
この作品がどういう世界観なのか、序盤で説明してくれないままドンドンと先へ行ってしまうので、途方に暮れます。
キーアイテムとなるパズルボックスをチャカチャカと動かすと、地獄の蓋が開いて、変態クン達がやって来る。
クライヴ・バーカーが、仕事をサボってルービックキューブでも弄っている内に思いついたのでしょうか。
確かに地獄から変態がやって来る事に、これ以上の理屈はいらないかもしれません。
とにかく、地獄からこんな変態がやって来たら、面白いに決まっているからです!

クライヴ・バーカーが監督した1作目は、たまたま生き返った人体模型状態の浮気相手を完全体にするため、奥さんが自宅にエロ目的の男どもをせっせと招き入れて殺すという、どこからどう見ても陰惨なお話が中心となっています。
地獄の変態同好会が登場するのはごくわずかですが、インパクトが絶大だったため、続編はこのキャッチーなキャラクター重視の映画になっていきます。

2作目は、クライヴ・バーカーは監督を降りましたが、お話は直後から始まるし、前作のハイライト場面もたっぷり登場した上、きちんと説明もしてくれます。
監督が代わって親切な映画が始まった!と期待すると、新たな物語はまた更に輪をかけた意味の分からなさ!
ただ、映像の派手さは一気に倍増し、今度は人間側が地獄へ冒険に行くというアドベンチャー要素も加わっています。

前作の変態コミュニティーに新人も加わり、スケールもアップしましたが、変態性や気持ち悪さもきめ細やかに受け継いでいるので、違和感はありません。
パズルマニアの少女も出てきて主人公と協力して地獄を脱出しようとするエンタメ性もあるので、普通の映画を観ている気分にもなるのですが、精神病院にやってきた魔道士が部屋の患者を皆殺しにするという人道外ぶりも登場したりして、困惑させられます。

全部の要素を一気に増量したためこうなったのでしょう。
でも、純粋な面白さ、見世物感は1作目以上なので、絶対続けて観るべき続編となっています。

この勢いで3作目も観ましたが・・・。
なんだか普通のティーン向けホラーになってしまいました。
後で調べたら、1はイギリス映画、2はイギリスとアメリカ合作、3はアメリカ映画となったのだそうです。
確かにクライマックスは大量殺人!大爆発!と大盛りにはしているのですが、1〜2作目にあったフェチ感、変態性は相当薄れてしまい、こういう映画じゃないよな、と思ってしまいました。
馬鹿馬鹿しさも格段にアップし、新入りの魔道士はカメラ男やDJ男、火吹き男!

変態じゃなくてバトルランナーの敵みたいな、ただの馬鹿になっていました。

1,2,3作とも、結構テイストが変わっている作品なので、どこまで好きか、どこまで許せるかは人によって分かれるでしょう。
4では遂に変態クンが宇宙にまで登場、その後も路線を何度も変えながら、シリーズ化という入り組んだ獣道を彷徨っていましたが、昨年遂にクライヴ・バーカーが参加したリブート企画が発表されたそうです。

みんな懲りないよね!

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