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2020年01月17日23:08

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フェラーリはあまり出てきません!「フォードvsフェラーリ」



車関係は本当に何の知識もありませんが、とにかく評判が良いので観てみました。
なるほど、これは確かに良く出来ています。
実話を元にしたお話なので、「パラサイト」の様なギョッとする展開はありませんが、迫力のレースシーンと家族や男の友情を描いたドラマがうまく組み合わさっています。
普通に良く出来た娯楽作品なので、逆に感想を書く事が難しいのですが、簡単に短めに書いておきたいと思います。

車やレースに興味も知識も無い僕には、正直序盤の会話シーンでは眠くなってしまいました。
まあ、事前に大体の設定は聞いていたので問題はありませんでしたが。
ただ、レースシーンがなかなか出てこない段階でも、路上のケンカシーンや、奥さんブチ切れ暴走シーン等、楽しい場面が随所に登場するため、飽きさせない工夫がしてあるのは好印象でした。

奥さんブチ切れ暴走シーン、観た人ならこれで分かると思いますが、実は映画の中で一番怖い走行シーンだったと思います。
女と神は怒らせてはいけない。

映画としてグッと盛り上がるのは、フォードの社長を車に乗せて猛スピードで暴走させるシーンからでしょう。
走り終わった後に社長が爆泣きする場面では、一番笑いが起こりました。
ここからはデイトナでの運転手を決めるレース、そしてクライマックスのルマンでのレースと、レースシーンをたっぷり堪能できます。

このレースシーンでは、運転手視点の映像が中心となっているため、非常に迫力があるのです。
最近はドライブレコーダーの普及により、この視点での事故映像がたくさん見られるようになりましたから、その影響もあったのでしょうか。
背景以外ではCGを使っていないそうで、確かに本物の事故映像の迫力にはCGでは太刀打ちできませんから、映画も大変です。

(以下、ネタバレしています)

終盤に至って、この映画は単なる痛快サクセスストーリーではなくなります。
実話を元にした話ですから苦い部分も当然あるわけですが、ここまでの流れからすると「エッ」と思う展開なのです。
主人公の一人である凄腕運転手が迫られる、上からのどんでもなくバカバカしい命令に従うかどうかの苦渋の選択。
そのために本来なら得る事が出来た栄光まで失うという屈辱。
「フォードVSフェラーリ」というタイトルに反し、本当に争っていたのは現場と上層部であったわけです。

なんだか、スター・ウォーズシリーズの尻拭いをさせられたあげく、ファンからの批判を全身に浴びたJ・J・エイブラムス監督を思い出しました。
社会人であれば、やりたくない仕事を批判されるのを承知でやり切って、やっぱり批判されるという屈辱を、理解できる人は多いと思います。
やるか、やらないか。
大体、どちらを選んでもロクな事にはならないのです。
彼は選び、大きな、大きな犠牲を払いました。
誰も彼を責める事はできません。

実話を元にしたからこその展開であり、爽快感を削がれたとガッカリした人もいるみたいですが、ここをキッチリ描いたところが非常に素晴らしいと思いました。
長い映画ですが、中盤以降はあまり長さを感じさせませんでした。
あと、凄腕運転手の役を演じていたのがクリスチャンベールだったの、観終わってから気付きました。
この人は本当に、液体金属で出来ているんですかね!

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