「怖いへんないきものの絵」
中野京子
早川いくを
幻冬舎
「怖い絵」の中野京子氏と、「へんないきもの」の早川いくを氏がタッグを組んだ1冊。
絵画に登場する変な生き物を、生物としての観点、歴史や芸術としての観点から解説していきます。
よくありますよね、ちょっと笑っちゃう、絵画の不思議な動物表現。
ベックリン「魚に説教する聖アントニウス」
オチまで見ると本当にぞっとする。
この本では生き物としてサメや魚を見ているけれど。
この説教における魚とは、明らかに人間の比喩でしょう。
有名選手の白血病の報道に感銘を受け骨髄バンクに登録したものの、勢いが醒めた頃に実際移植の話が来ると断ったりとかね。
現代でも全然変わっていない。我々人間、ちっとも変わってないぞ。
ギュスターヴ・ドレ「赤ずきんちゃん」
表紙にもなった絵画。
何故物語の中で、狼は悪役となっていったのか。
子供向け絵本にはできない、ぎょっとする作品です。
アルチンボルド「水」とかの生物学的に見たツッコミとかもね。
ですよね!みたいなスカッと感があって楽しかったです。
美術館に行った時には、不思議な生き物に目を向けるのも面白そうですね。
(新)
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