今日の本棚525♪

「山怪 山人が語る不思議な話 弐」

田中康弘
山と渓谷社


第二弾が出るとは嬉しい限り。
私たちのすぐ側に存在する異界、山での怪異を著者が聞き集めた一冊です。
前作ではマタギから聞いた話が多い印象でしたが、今作では杣人・林業に携わる人や修験道の修行を行う僧侶など、また違った視点から山に関わる人々の話がバラエティ豊かで面白かったです。

「山盛りの内臓」
すごく不可解な出来事なのに、当事者が全然不思議なことだと思ってないところがまた怖い…。
でもそうやってスルーしないことには、仕事でまた山に入るなんて出来ないでしょうしね…。
「小さな帽子」
山の怪異とはまた違う、ってか普通に怪談ですがなこれ。
小道具が効いててまじで怖いです、ひーん。
「ミミズ素麺」
もうね、タイトルで察せられるね。狐が化かしたにしてもちょっと洒落になりません。

今回も、貴重な体験談が目白押しでした。
そして前作に引き続き、柄澤齊氏の表紙絵が凄い。
あとこの本を出版してくれた山と渓谷社さん、普段は登山とかアウトドア関連の本を出してる出版社さんなんですよね。
そんなところも好感度上がります、これからも是非フィールドワークを続けていって欲しいものです。



（古）