下院は通っても上院では50対50なので課題はやまずみ、簡単ではない政策。
バイデン氏経済対策の要点
●直接給付金を昨年12月承認の600ドルから計2000ドルに増額
●失業保険給付、9月まで400ドル上乗せ
●州・地方自治体への支援金3500億ドル
●最低賃金の時給15ドルへの引き上げ
●学校再開支援1300億ドル
●ワクチン・コロナ検査などに1600億ドル
●賃貸・小規模家主支援300億ドル
●保育サービス業者に250億ドル
●食料支援拡充
●子育て税控除拡充
●傷病・家族休暇拡充
バイデン氏の経済対策案の規模1兆9000億ドルは、先月成立した超党派の追加経済対策の2倍余りで、昨年3月に成立したコロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法の規模をわずかに下回る。
上院勢力は与野党50議席ずつだが、失業給付や最低賃金などの措置は「財政調整措置」として知られるプロセスを用いれば、上院議長を務めるハリス次期副大統領が決定票を投じることで、単純過半数で可決可能な項目と考えられる。一方で、州・地方自治体支援やワクチン向け資金などの上院通過には60の賛成票を要する可能性があり、民主党はプログラムを調整するか一部共和党議員の支持を取り付ける必要がありそうだ。
次期政権当局者は経済対策の規模について、対策が過度になるよりも、不十分な場合のリスクの方がはるかに大きいと説明した。バイデン氏は先週、歴史的な低金利の下、赤字財政支出を活用して景気を浮揚する余地が生じているとの見解を示した。
バイデン氏はまた、「選挙運動の際に私が話したように、恒久的な投資に当たっては、公平な税負担の確保を通じてその資金を賄う」との考えを表明。「米国での雇用機会を海外に移転する企業への税制上の抜け穴や、米企業の連邦所得税逃れを許している抜け穴をふさげば、誰も罰することなくそれを実現することができる」と語った。こうした発言を受けて、株価指数先物は下落した。
バイデン氏の政権移行チームは声明で、「次期大統領の1兆9000億ドル規模の『米国救済計画』は意欲的な内容だが実現可能であり、米経済を救済し、コロナ禍を収束させるだろう」と強調した。
民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は14日の声明で、バイデン氏の計画を称賛し、早急にその成立に向けて取り組む方針を示すとともに、共和党からの支持にも期待を表明した。
国家経済会議委員長として次期政権入りするブライアン・ディーズ氏はバイデン氏の計画について、「米国が陥っている経済状況の緊急性と、今すぐ行動が求められていることを反映した内容になる」とインタビューで発言。「団結を重視しなくてはならない。今のように試練と困難の時であっても」と語った。
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