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2020年06月14日11:50

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『スウィング・キッズ』感想

〜タップダンスチームが人種やイデオロギーを超えてダンスで絆を深めていく姿を描いた韓国映画。1951年、巨済島捕虜収容所に新しく赴任してきた所長は、対外的イメージアップのために戦争捕虜でダンスチームを結成するプロジェクトを計画する。収容所一番のトラブルメイカーであるロ・ギス、4カ国語を駆使する通訳者ヤン・パンネ、行方不明になった妻を捜す民間人捕虜のカン・ビョンサム、ダンスの実力を持ちながら栄養失調の中国人捕虜シャオパン、前職はブロードウェイタップダンサーの黒人下士官ジャクソンが集まり「スウィング・キッズ」が結成された。そんな寄せ集めダンスチームにある公演の話が舞い込む〜<映画.comさんより>

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『サニー 永遠の仲間たち』のカン・ヒョンチョル監督作だったとは、映画観賞後に知りました。
なるほど、なるほど。独特の突き抜け感は、ここでも威力を発揮。

まずは、朝鮮戦争の基本解説があって、歴史弱めの私にはありがたかった(^-^;

そして、ネットで見つけた監督のインタビューで更に理解が深められた。
「巨済捕虜収容所は、朝鮮戦争を圧縮したようなところなんです。朝鮮戦争は大国の戦争からスタートして、最後は巨済島の理念戦争で終わった、とよく言われています。共産主義か、そうじゃないのかという、それぞれが信じる理念に対して狂信徒のようになり、捕虜同士の殺戮戦が起こりました。巨済島は釜山の南西にある島ですが、北朝鮮や中国の捕虜がいて、そこに西洋人の管理者がいる、米軍には黒人もいる。いろいろな出身の人がいて憎み合っていたんです。混沌とした特異な場所だったと思います。そんな収容所でも、ダンスによってイデオロギーを超えられる、友だちができ、幸せを感じられるのではないかということを見せたいと考えました」

米軍下士官率いるスウィング・キッズの構成は、北朝鮮兵士、妻を捜す民間人男性、中国人民義勇軍兵士、そして女性通訳。
そこに、戦争の英雄である主人公の兄が後半登場。
ジャクソンは、沖縄で日本女性との間に子を設けた後、巨済島に追いやられ、軍で人種差別を受け・・・という設定。
確かに、当時の縮図なのか。

ジャクソン「黒人っていうだけで、弱い立場なんだ」
ヤン・パンネ「私は、女っていうだけで、弱い立場よ」
こんな会話も何気にいい。

ジャクソンを演じたジャレッド・グライムスさんは、普段はとにかく静かな佇まい・・・されど、ダンス時には、猛烈なるパッション!!
その落差がたまりませんでした指でOK

捕虜(弱い)という立場は同じなれど、思想は違う。言葉も文化も違う。
でも、ダンスで一つになれる!!

ヤン・パンネとロ・ギスがボウイの『モダン・ラブ』で踊るシーンがある。
個人的には『シング・ストリート』の体育館での夢(妄想)場面&『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグが街を駆け抜けていく場面が同時に思い出された。
今のどうしようにもならない現状。閉じ込められている世界で、もがきながらも、踊る。
踊っている時だけは、自由になれる。解放される。印象に残るシーンだった。
曲は年代的にはおかしかったりするが・・・気にならなかったのは、さすが!?

前半は、楽しく、軽快に、どんどん進むだが、後半は、真逆な雰囲気になる。
これぞ、ザ・韓国映画!!!
とにかくやりたい事、作りたいものを「本来ならこうあるべき」の壁をぶち壊してぶつけてくる。

予告編バッド(下向き矢印)
https://youtu.be/Wi0WEZeQdG8

ダンスシーン、全部で15ぐらいあったとか。
それだけでも、観る価値あります。
テーマは「ファック、イデオロギー」!?
興奮できたし、良かったんだけど、やや雑なところがあって、そこだけは残念。
まあ、でも、その’粗さ’が魅力と映る人には問題ないところでございます。
3.5☆
9 10

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