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2020年05月22日10:05

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『アメリカン・ファクトリー』感想

〜アメリカにある中国企業の工場について描いたNetflixオリジナルのドキュメンタリー映画。米オハイオ州にある工場が不況のために閉鎖されてしまうが、そこに中国企業が進出し、工場を再開させる。しかし、やがて労働やそのほかさまざまなことに対する、米中の価値観や考え方の違いが浮き彫りになってくる〜<映画.comさんより>


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第92回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞。
その時に、バラク・オバマ、ミシェル・オバマ夫妻の製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションの作品というのを知り、それにも興味を持って、いつか絶対観たいと思っていた。
元大統領夫妻がプロデュースしたドキュメンタリー。

閉鎖されてしまったのはゼネラルモーターズ(GM)。
そこにやってきたのは、自動車用のガラスを作る中国企業フーヤオ(FUYAO)社。
(このガラスっていうのが、個人的に面白いなあって。だって、丁寧に扱わなければ、割れてしまうでしょ。人間と同じ。)
フーヤオは失業者たちに雇用をもたらし、地元の人々から、歓迎&感謝される。
始まりは、順調のように見えた・・・。

あるアメリカ人従業員(役員?)は、中国人従業員たちを自宅に招いて、ホームパーティを催す。
予定より大人数がやってきて驚くが、中国では禁止されている拳銃を持たせてやると喜んでくれたので、交流ができて良かったと安堵。

とりあえず、双方とも、仲良く、上手くやりたいと思っている。
少なくとも、表向きは。

だが、言葉の問題はさておき、働き方がまるで違う。
その工場では、中国人も働いているんだけど(本社から派遣された?)、とにかく休まない。文句を言わない。
一方、かつてのGMでとある部門の責任者だった女性がいて、当時の時給は$29だったのだが、今のここでの時給は$14。。。

中国人社長は、絶対、組合を作らせるなと言う。
「組合は生産性を低下させる」

スタッフが怪我をして、アメリカ側が改善を要求しても「安全は利益を生まない」という、信じられない言葉が返ってくる。

ある時、アメリカ人従業員主要メンバー数人が中国本社の工場に招かれる。
そこで目の当たりにする、中国人スタッフの献身的すぎる労働姿勢。
アメリカとは比較にならないほどの厳しい労働条件なれど、懸命に働いている。
軍隊のような朝礼には目が点。(日本人ならまあ理解できるけどね)
それに感銘を受けた一人が、帰国後、それもどきの朝礼を導入してみるが・・・どうにも上手くいかないあせあせ(飛び散る汗)

カメラは中立的に、相互の立場、言い分を映し出す。
「うん、そうだよね」「ああ、その気持ちもわかる」「う〜む、確かに」
まあ・・・中国側に頷く事が多かったかな・・・やっぱり日本はアジアよね(何を今更あせあせ
双方それぞれの想いを真摯に受け止め、そのままスクリーンに、という手法に好感。

組合結成への勢いが強まる。
だが、アメリカ人スタッフの中には、それに反対する者も出てくる。

「郷に入れば郷に従え」なれど、わかっていても難しいケースは多々あるだろう。
どうしても溝は埋まらない。それでも生きてゆくためにはなんとか共存してゆくしかない。
それはそれで、しょうがないなと思っていたところに・・・驚きのラストシーン。
すべてがひっくり返されるかの如き。これは、ちょっと背筋が寒くなった。

コミュニケーションが噛み合わない場面は、笑えるような笑えないような。
面白かったし、いろいろ考えさせられて、ためになった。
アカデミー受賞も納得の優秀作品!4つ☆

※追加
とあるレビューに「この作品を観て『ガン・ホー』を思い出した」と。
早速アマプラでこの作品を発見人差し指
「日本の自動車メーカーに、町の機能していない自動車工場を再建するように説得。最初は上手くいっていたが、日本流の経営に対して、従業員から不満が爆発して・・・」
こちらも、面白そう!
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