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2020年01月27日11:13

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『ジョジョ・ラビット』感想

〜第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった〜<映画.comさんより>

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なんと独創的で、恐れを知らず、勇気ある、力作なのだろう。
愛に溢れた反戦映画。

冒頭からいきなり、その鮮やかな手法に目を見張る。
当時のヒトラーに熱狂する群集の映像にドイツ語のビートルズの曲「I wanna hold your hand(抱きしめたい)」を重ねて、当時、ヒトラーがどれだけ民衆から支持されていたかを、軽やかに、だが、ゾクゾクさせながら伝えてくる。

そこから前半は、怒涛のブラックコメディ。
ヒトラーユーゲントの合宿。戦闘訓練の数々。
風刺が効きすぎていて、心配になるほどあせあせ
合宿キャンプ地で、たくさんのテントに灯がともっている場面の美しさ。

ケガをしてしまった、ジョジョ。
(ちなみにその傷跡は、映画のラストに至っても癒えることはない←確かあせあせ(飛び散る汗)
自宅に隠れていた(匿われていた)ユダヤ人少女との交流。
ユダヤ人は、下等かつ悪魔のような存在だと、ジョジョは周りからは教えられてきた。
だが、だが、それは違うのでは・・・と、徐々に(ジョジョにうまい!)わかってくる。

ジョジョの父親は音信普通。姉は病気で亡くなっている。
母親ロージーは、ジョジョのナチスへの傾倒、愛国心を見守りながらも、
「憎しみは勝ちはしない。愛が最強の力よ」と教える。
ジョジョには内緒で、反ナチス行動をしていたロージー。

大戦は最終局面に。味方は日本だけ?
「だが(日本人は)アーリア人じゃない」あせあせ(飛び散る汗)

クレンツェンドルフ大尉役は、最初、サム・ロックウェルじゃなくてもよかったのでは?と多少思ってました。
似合ってるし、不満はなかったのですが、役として、彼には小さすぎるのでは?と。
でも、でも、あの終盤の、あの場面で・・・もう、これは、サムで良かったんだって、サムじゃなきゃだめだったんだって、泣きながら思わされました。
そうそう、この大尉はゲイ?って思わされる一瞬がありましたよね。

スカヨハさんも、良かった。優しく、強く、キュートで、時にもろく。。。
ただ、オスカーは、獲れるなら、この作品ではなく『マリッジ・ストーリー』の主演の方で獲ってもらいたい!

ジョジョ役の子も、ヨーキー役の子も良かった。
レベル・ウィルソンも楽しい。どの年代でも通じる彼女の持ってる個性って貴重。

タイカ・ワイティティ監督が自ら演じていたヒトラーも良かった。
あれこれ、潔かった。

あと・・・見間違いじゃないと思うのですが・・・。
町の広場に面していた建物の2つの窓が、2つの目のようになっていましたよね目
ああいう、一見、遊び心、でも、実は、当時の様子を鋭く描写しているような箇所も、沁みた、沁みた。

靴(靴紐)も印象的でした。あとは、ダンス!

最後にボウイの曲がかかるっていうのは、巷の感想で観賞前から知ってしまっていたんですが、まさか、あの曲(しかもドイツ語)が、かかるとは・・・。
もう、もう、これは、やられたとしか泣き顔
全くの余談ですが、昨日、息子と観に行ったクィーン+アダム・ランバートのコンサート終了後にも、この曲(オリジナルの英語版)がかかっていたんです。
この曲の持つパワーって、やっぱりすごいわ。

とても気持ちが入り込みやすい作りになっています。
話されている言葉が、ドイツ語じゃなくても気にならなかったのは、描かれている物語、世界が、普遍的で、こんな時代が二度と来ないでほしいという監督の願いが強く込められているからっていう、そこだと思います。

傑作です。笑いながらも、最後には、もう、もう、泣かずにはいられないです。
沢山の人に観てもらいたい!4.5☆
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