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2019年12月06日11:52

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『ボーダー 二つの世界』感想

〜「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作者ヨン・アイビデ・リンドクビストが自身の原作をもとに共同脚本を手がけ、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞した北欧ミステリー。醜い容姿のせいで孤独と疎外感を抱える税関職員ティーナには、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分けるという特殊能力があった。ある日、彼女は勤務中に奇妙な旅行者ボーレと出会う。ボーレに対し本能的に何かを感じたティーナは彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にボーレに惹かれていくティーナだったが、ボーレにはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった〜<映画.comさんより>

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危険・警告ややネタバレしています。ご注意を!

ヤバいです。またすごい作品と出会ってしまいました。
実は、ポスターと、SNSで見たいくつかの感想ぐらいしか知らない状態だったんですが、なんだろう、ちょっと「観ないと後悔するのでは?」っていソワソワ感がずっとずっと続いていて・・・上映最終日になんとか常連館に駆け込みました走る人

もう、もう、もう、観れて本当に良かった!!!!!
いい意味で、今年一番、目と口が開きっぱなしになった作品。
今年のベスト10に確実に入ります指でOK
何十年も映画を観続けているのに、味わったことのない感触でした。

北欧発で原題は『Grans』(スウェーデン語で’国境’’境目’’境界’の意味)
英題は『Border』
で、このタイトル、主人公ティーナが港の税関職員だからっていうのは冒頭でわかるんですが、物語が進むにつれて、それだけじゃない、様々な’境界線’の事なんだっていうのが続々と明らかになっていきます。
国籍。性別。健常者と障がい者。善悪。美醜。貧困。優劣。。。
時折キツネが出てくるのも、意図的かと(善悪の象徴?)
虫を興味深く見つめ(食べ)、キツネと楽しく交流するティーナ。

ティーナは染色体の異常があり、いわゆる’普通’の人間とは容姿が異なる。
違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける能力がある。
勤務中に出会った旅行者ヴォーレにどこか同じ匂いを嗅ぎ取り自宅に招く。
「人と違うのは、君が優れているからだ」と言ってくれるヴォーレに惹かれてゆく。

ヴォーレの秘密。ティーナの出生の秘密。
ティーナの両親は精神病院に入れられていた。
ティーナが生まれて、そこの守衛だった男がティーナを引き取った。
その男こそ、現在のティーナの父親。
ティーナがずっと実の父親だと信じていたのは、養父だったのだ。
ティーナの両親は長生きできずに、病院の裏の墓地に埋められたという。

児童ポルノ動画摘発のエピソードが鋭く横に突き刺さる。
トロル。冷蔵庫の箱の中身。チェンジリング。人間への復讐。
人間社会に溶け込んでいるティーナが向かう先は?

もう一度観れば、細かな演出も見つけられると思うのですが、とにかく物語に圧倒されました。
1つ覚えているのが、ティーナが何かで迷っている場面で、その背景が、左半分がグレー、右半分が白となっていて、その中央に彼女が立っているという構図。いいね!
          
隠そうとしても暴かれる罪と本能とアイデンティティ。
ずっと低体温だったが、エンディングは温かい。

予告だけでも、結構衝撃かとバッド(下向き矢印)
https://www.youtube.com/watch?v=hCf6pRo97E0

紛れもない傑作でした!!!!! 4.5☆
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