mixiユーザー(id:12923117)

2019年10月24日11:19

267 view

『ジョーカー』感想

〜「バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演&トッド・フィリップス監督で映画化。道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのか。原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描く。「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。第79回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、DCコミックスの映画化作品としては史上初めて、最高賞の金獅子賞を受賞した〜<映画.comさんより>

フォト

                   フォト

危険・警告中身に触れています。まだ観賞されてない方はご注意を!

3回観ました。4回観てから感想書こうと思っていたんですが、我慢できなくなりました(笑)

初回は、ホアキンの演技に圧倒されながらも、どこかすんなりこの作品を称えることができない何かが残りました。
それでもホアキンの様々な表情(あの笑い声)が頭から離れなくなり、2回目へ。
2回目は、猛烈にのめり込みました。演出、音楽、ライティング等細かい部分も見えてきて「これは・・・スゴイ」と一気に5つ☆へ。
3回目は「やはり’バットマン’観てる人と観てない人では感動のレベル、いや見方そのものが違うのかなあ」等思いながら観賞。
私は基本DCには疎いので。。。。
あと、余談ながら監督が言ってた、本物のネズミ発見あせあせ

さて具体的な感想ですバッド(下向き矢印)

舞台は、清掃会社がストに入ったことによるゴミ溜めと化したゴッサムシティ。
精神障害、格差社会、弱者虐待、就職難、銃所持等、多くの問題が蔓延り、人々の精神状態は、どこかピリピリしていて、一触即発。
アーサーは、母親想いの心優しき青年だが、障害のためもあり、次から次へと人々のストレスの餌食になってしまう。
アーサーは同じアパートに住むソフィーに恋心を抱く。
母親は、相変わらずトーマス・ウェインが自分たちを救ってくれると信じている。。。
2人の楽しみは、マレー・フランクリンのテレビ番組。アーサーの夢は人々を笑わせることができるコメディアン。

誰かが・・・妄想などではなく、誤解などではなく、嘘などではなく、アーサーの生活環境や立場や障害を理解して、そばにいて、話しを聞いてあげて、ハグしてあげて、愛してくれる誰かがいてくれたら・・・アーサーはジョーカーにならずに済んだのに・・・。
人々を笑顔に出来るピエロのままでいられたのに。

印象に残る3つのダンス
・証券マンたちを撃ってしまった後の高揚感に浸るダンス
・番組出演が決まり、髪を緑に染め、ピエロのメイクでテレビ局に向かう途中、いつもの階段でのテンション高き狂気のダンス
・出演直前。カーテンの裏で、自分に酔っているかのような妄想ダンス
どのダンス場面も、音楽、照明、そしてもちろんホアキン、全てが素晴らしかった!!!

印象に残る風景
・とにかく階段!何度も出てくる。始めのうちは、その傾斜と果てしなく上に続く階段が、暗く、重く描かれていたのが、後半では、アーサー王に支配された小さな都市のように見えてくる。
・アパートの郵便受けのところや、病院や、ウェイン宅の檻の如くの柵(ゲート)
・いつくかのサイン ソフィーの後をつけて行った最後の場面には「ONE WAY(一方通行)」
また、いくつかの「EXIT」のサインも意図的に映し出されていたと思う。
EXIT(出口)は見えているのに出られない。。。
そう、出口。この作品では、たくさんの出口が描かれている。
自宅(エレベーター)、会社、地下鉄、2つの病院。出口までの迷路のような通路もいい。

「EXIT」で秀逸だったのがこの場面↓
母親が入院している病院の外でアーサーが煙草を吸っている時、2人の警官が話しを聞きたいとやってくる場面。
アーサーは「看護があるから」と病院内に戻ろうとする。
だが、自動ドアが開かずにぶつかってしまう。なぜだ?
警官が「そこはEXIT ONLY」だと教える。
この場面、短いですが、痺れました。
出てきた場所からは戻ることが出来ないって、めちゃ意味ありげでしょ〜?
どこまでも、この世界はアーサーには皮肉めいていて、残酷。

アーサーが自宅で、番組出演のリハーサルを自演しているシーンもたまらなかった。
初回は、ただ、ボッーと見てしまったんですが、2回目からは、エンディングがわかっているからか、じわじわ度が上がってきて・・・。
リハーサルでは、〇〇だったのに、本番では、〇〇になってしまうという。

人々から虐げられてきたアーサーが、孤独と裏切りと狂気の果てに殺人に至り→ジョーカーと化し→日常に鬱憤を感じていた人々のヒーローとしてまつりあげられてしまい→逮捕後、事故死かと思いきや→生き返り(無理やり生き返らされた?)→クライマックスでは、本当の悪の神の如くとなってしまう。
衝撃で言葉を失うというのは、まさに、あの瞬間。

ケン・ローチ監督が「コミックベースの作品は大企業が利益をあげるためだけのハンバーガーのような商品。コミュニケーションや想像をシェアしない。」と言われていたのですが、この作品は、ちょっと観てもらいたいかもと思いました。

書きすぎました。すみませんあせあせ(飛び散る汗)
これは、もう、間違いなく、私の今年のベストテン入り確実です。
ホアキンにオスカーをトロフィーぴかぴか(新しい)
5つ☆
11 11

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年10月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031