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2019年01月13日09:53

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『ビューティフル・デイ』感想

〜実力派俳優ホアキン・フェニックスと「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督がタッグを組み、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞をダブル受賞したクライムスリラー。トラウマを抱え、暴力を恐れない元軍人のジョー。年老いた母と暮らす彼は、行方不明の少女たちを捜し出す報酬で生計を立てていた。そんな彼のもとに、政治家の娘ニーナを捜してほしいとの依頼が舞い込む。しかし見つけ出したニーナは、怯える様子もなく人形のように感情を失っていた。やがてニーナはジョーの目の前で再びさらわれてしまい……。ラムジー監督の前作「少年は残酷な弓を射る」も担当した「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今作でも引き続き音楽を手がけた〜 <映画.comさんより>

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やっと、やっと観れました!実は2回目。1回目は睡魔に完敗(^-^;
地味だけど、手堅くいくつかの賞レースに絡んできてるし、一部の評論家の人たちからは圧倒的に支持されているし、どうしてもちゃんと観たかった。
その理由がようやくわかった。
まずは、スタイリッシュな映像がいちいちカッコいい!
細切れだったり、部分的だったり、モノクロだったり、幻想的だったり。
狂いながらも、冷静かつ鮮やかな手法。
そして、何よりも音楽!!!これはもう、この映画のキャストの一部かと(^-^)
一度聴いたら、抜け出せなくなるような、ジョニー・グリーンウッドの音楽に、心が、頭脳が、かき乱される。
(『ファントム・スレッド』のあの音楽と同じ人だってあり得なくないか?)
いやあ、まいった。まいった。

ジョーもニーナも感情が失われている。
ジョーは幼児期に父親から厳しいしつけをされ(虐待?)、また元軍人で戦場でのトラウマ(PTSD)も抱えている。自殺願望が常にあり、意識が朦朧としていることも。
母親は認知症。見守っていなければ、いつ何をしでかすかわからない。
そしてニーナは・・・囚われていて〇〇させられている。瞳から生気が失われている。

好きな人は好きだけど、苦手な人は苦手かも。
いわゆるアート系。いろいろ省略されていたり、画面の切り替わりが理解できなかったり・・・?
血もそこそこでるし、呼吸も苦しくなる。

おそらく、一番、好みを分けるのが、このバッド(下向き矢印)場面。
自宅に押し入り母を殺した刑事を半殺しにしたジョーが、その刑事の横に寝そべってラジオから聞こえてくる♪I have never been to me に耳を傾け、やがて、2人で口ずさむという・・・。
この場面だけ、ちょっと異様じゃないか?って調べてみたら、やはり原作には入っていないという。
ちょっとあざとい?と最初は思ったが、歌詞を見ていてハッとなる。
「体を売るようなことを経験するのに人生を費やし
自由であるために大きな代償を払ったの
ねえ 私はあらゆる場所を訪れたけど
それでも自分には巡り会えなかったの」

望んでこんな稼業をやっているわけじゃない。
この刑事は表向きは正義を貫く警察官。だが、いつしか裏社会とつながってしまった男。
ジョーも、ある意味、自らのトラウマと闘うかの如くに、トンカチで人を殴り続けているのだ。
その男とジョーの手が重なる。。。

殺したその男(刑事)と自分のそれぞれに重石を詰め、沈めて、沈みゆく・・・。
だが、ある瞬間、水中にニーナの姿が現れる。自分の重石を水中で投げ出すジョー。
そして、驚きのクライマックスへ。

エンディングは、ひたすら日常な風景。
そこにジョーの妄想が一瞬入るが、極めて普通の1日の流れを漂わせて終わる。
2人はどこへ向かったのか?

ホアキン・フェニックスの確かな演技。
ニーナ役のエカテリーナ・サムソノフは、これから期待大!

『少年は残酷な弓を射る』見逃していることが、めちゃ悔やまれる。
リン・ラムジー監督作はもう、これからも絶対チェックだわ。
視聴覚にぐいぐい来ますよ〜。お好み次第ですが、私的には、4つ☆

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