『逆物語』　プロローグ

(ρｗ-).｡o○　いつもだいたい、目覚める前に夢の終わりのシーンが残る。


予知夢みたいな事もあるけど　今朝の夢は、少し違った。



川が流れていた。


音楽が…同じ部分を　コマーシャルみたいに、

レコード盤が同じ部分を　リピートするように

何度となく　繰り返して　再生される。


『…リバー　　か。　　英語のリバー　　RE…』


そこで目が覚めた。明け方だった。


枕もとの携帯電話を見る。　今朝は少し眠れたようだ。


携帯の検索窓で、【リバース　　英語】と打ち込んで、送信する。


並べられた単語を見て、独り言をつぶやいた。


『…大事な…タイトルを…まだ書いてなかったんだね。　　これか…』




すでに起きていた　家族に、いきなりの質問をぶつける。


『ツワリ』って、いつ頃に発生するんだっけ。初期？後期？


後で医学データを調べれば、詳細なんてすぐに分かるのだが、目の前の家族と

朝の会話をするチャンスだと思った。


『初期…かな。　妊娠したの？』


顔を横に振って、今朝の夢を少し話した。


寝起きに見た夢を、今朝の占いみたいな感覚で、話すことがよくある。


家族は　またいつもの変な夢の話か。と、すぐに変な疑惑を取り下げた。




『吐くときって、リバースって言うでしょ。　　ツワリを思い出してね。　それで』


コップに飲み物を入れて、一口飲みこむ。

『川の流れも、リバースなんだ。　逆流できないけどね。　でも転生のRe Birthなら』

残りを飲み込んだ。


『…もう一回、生まれ変わるんだ。　人生も、再び』


『…シャワーでも浴びてきたら？』



ここ最近は、夜明けと朝の1時間ぐらいに、いろいろな事が頭の中で湧き出る。


温かいシャワーを頭から浴びながら、シャンプーを泡立てる。


指の腹で、優しく頭をなでると、落ち着きを取り戻す。



全身を乾かしている頃には、今朝の話をまた日記に書かないといけない気がした。


『…タイトルを考えなきゃ。　いい題名が出れば　気持ちいいのに』



ショート・ストーリー。逆物語(ぎゃくものがたり)


…念のために、化物語シリーズのタイトルになってないか検索して、

検索のトップ画面に出るほど有名な話は無く、とりあえず使われてなさそうだった。



もうこれ以上は、蛇足にしかならないと思っている。

だけど、CDの発売日まで、もう少しだけ、時間がある。


今朝は早めに、パソコンの前に座った。