先日、台風のせいで観られなかったダニー・ボイル監督作品「イエスタデイ」、やっと観ることができました。
もう最高!
こういう多幸感に溢れた映画を、私は観たかったんだ!
全世界で同時に発生した謎の停電のせいで事故に遭ってしまった売れないミュージシャンのジャックが、「ビートルズの存在しない世界」に迷いこんでしまったがために奇妙な運命に翻弄されてしまうというファンタジックなコメディです。
面白いのは、この世界ではビートルズの他にもいろんなものがなくなっちゃってる、ということ。
ジャックがGoogleで「ビートルズ」を検索すると「甲虫」しかでてこない、という時点で既におかしいのですが、試しに他のワードを検索すると・・・。
この件りは最高に笑えるので、これから観る人はどうぞ、お楽しみに。特に「ジョン ポール ジョージ リンゴ」で検索した時に出てくる名前が・・・、これはもう思い出しただけでも爆笑もの。
善人だけどミュージシャンとして鳴かず飛ばずだったジャックが「誰も知らない」ビートルズの曲のおかげで超有名人になってしまうけれども、富と名声と金儲け至上主義の音楽業界の異様さの中で人間らしい幸福の尊さに目覚めるというフランク・キャプラ的ファンタジーが今の観客にどこまで受け入れられるかはわかりませんが、私はこういうの、大事だと思います。
加えてジャックの場合、実力でなく他人の才能を利用してメジャーデビューしてしまうわけですから、罪悪感もひとしお。そんな彼を精神的に救ってくれる人物が後半で現れるのですが、これもまた未見の方のため、詳細は控えておきましょう。
最後に。
ジョン・カーニーの一連の作品や、昨年の「ボヘミアン・ラプソディ」もそうなんですが、曲を作るシークエンスがもう、高揚感たっぷりで、最高に愉しそうに撮られてましたよね。
この「イエスタデイ」も同じく、レコーディングのシーンがとってもいいんです。
外で電車が走る音がモロに入ってしまうようなショボいスタジオの中で音作りを楽しみながらテイクを重ねるジャックたちの姿を見ていて、モノ創りっていいなあ、素晴らしいなあと、思わず溜め息をついてしまいました。
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