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2021年10月02日18:05

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「爆発する宇宙」 (戸谷友則著、講談社ブルーバックス)

宇宙は爆発だ! そもそも、宇宙はインフレーションとビッグバンから始まった。そして今もなお宇宙は爆発に満ちているのだ。超新星やガンマ線バースト、さらに近年注目されている中性子星や、まだ謎の多い高速電波バーストなど、この瞬間にも至るところで爆発は起こっているのである。宇宙を語ることは爆発を語ることといってもよいのだ。元素はどのように出来たのか、生命はどのように生まれたのか、さらに宇宙膨張の謎まで、宇宙の爆発現象に注目して138億年の進化を紐解いていく本である。宇宙の同じようなテーマの本はいくつも読んでいるが、いろいろな視点でまた新たな見方も出来るのである。


●「六本指のゴルトベルク」 (青柳いづみこ著、中公文庫)

ピアニストであり文筆家でもある青柳いづみこによる、音楽や音楽家が登場する古今東西の小説に絡めて、音楽がもたらす意味や音楽家のあり方を綴った本である。とはいっても、もちろん堅苦しい話ではなく、自らの体験も交えながら、軽妙洒脱な語り口で綴ったエッセイ集である。音楽家とは何か、音楽がもたらす意味とは何かが、小説の中に様々な形で書かれているのを読み解くことができるのだ。本文中に登場する小説は読んだことのないものが多いが、いくつか読んでみたくなった。


●「駅に泊まろう!コテージひらふの短い夏」 (豊田巧著、光文社文庫)

「駅に泊まろう!」シリーズの第3作。亡くなった祖父のあとを継いで、「コテージひらふ」のオーナーとなった美月も、最初の夏を迎え、北海道の生活にも慣れてきた。なんだか会話がぎこちない札幌と函館での遠距離恋愛カップル。どうも別れ話が出そうな感じだが、それは美月の勘違い。実は全くその逆であった。また、別の日は父親と小学生の女の子が泊まりにくる。父親に反抗的な女の子。翌日の羊蹄山登山では避難小屋に閉じこもってしまう。初めて登山をする羽目になる美月。唯一の従業員であるコックの亮のさりげない心遣い。両親が離婚したという美月と同じ事情を抱えていることを知り、次第に心を開く女の子。実在する比羅夫駅ホームの「駅の宿ひらふ」をモデルにした小説で、この宿には一度泊ってみたいと思っている。


●「山の帰り道」 (沢野ひとし著、本の雑誌社)

前半は山に関するエッセイ、後半は町田に関するエッセイで、沢野ひとしの水彩画も多数挿入され、目でも楽しめる本である。山があるから登り、酒があるから飲むということで、丹沢から南アルプスまで、山への憧憬をいろいろな形で綴っている。私は本格的な登山は経験がないが、都会の喧騒を離れて自然の中に身を置く素晴らしさは十分に想像できる。そして、著者の住んでいる町田に関する話が面白い。書かれていることは町田に縁のない人ならピンとこないだろうが、町田市民なら手に取るように分かるのである。私も実家は町田市にあり、町田については隅々まで馴染みだ。地方の県庁所在地に匹敵する都市規模ながら、自然も豊かなのが町田である。


●「日本の鯨食文化」 (小松正之著、祥伝社新書)

古来日本人は鯨を食してきた。肉だけではなく、皮も内臓も軟骨も余すところなく食べ、骨も含めて一頭を全く無駄なく利用してきた。鯨油を取ってあとは捨ててしまう欧米などとは違うところである。学校給食にも当たり前のように出ていた「クジラの竜田揚げ」も、今は見られなくなった。反捕鯨団体の非科学的な論理(?)による圧力で獲れるクジラも激減し、もともと大衆食だった鯨肉が高嶺の花の高級食材になってしまった。鯨食の発展史や各地の鯨食文化を述べつつ、鯨食が日本が誇る文化であることを強く述べた本である。私も全く同感なことばかりだ。
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