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2015年02月28日09:04

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【戦後70年談話のこと 1】日中戦争は侵略戦争ではなかった?

【戦後70年談話のこと 1】
 日中戦争は侵略戦争ではなかったという歴史観がある。
 どうやら安倍総理も本音ではそう信じているようだ。
 この歴史観は大きな矛盾をはらんでいるのだが、本人たちは気づいていない。
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 彼らはいう、満州事変は侵略戦争ではない、なぜなら満州はもともと中国領土ではなかったのだと。
 「満州は清国の故地だ。
 清国は辛亥革命で倒れ、中華民国が建国された。
 このとき、満州の土地は中華民国に編入されず、無主の地になった。
 孫文は満州なんかいらないと語っていた。
 だから大日本帝国は満州を奪ったのではない、仮に奪ったのであるにしても、それは中華民国からではない。」
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 よくこんな理屈を思いつけるものだと思うが、それはいったん置く。
 奇妙なのは、こうやって正当化した直後に、その理屈を自分で否定する点にある。
 日中戦争は侵略戦争ではない、なぜなら満州における帝国の正当な権益を中国が犯したのが戦争の発端だからと。
 「日本は満州事変以前から、満州に正当な権益を有していた。
 正当性の根拠は中華民国政府と合意して交わした数々の条約だ。
 ところがその条約に違反して大日本帝国の権益を犯したのが中華民国である。
 日中戦争の原因は条約違反をした中華民国側にある。
 よって大日本帝国の侵略ではない。」
 このようにいう。
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 ちょっと待て。
 それでは満州の主権者は誰なのだ。
 そこは無主の地だったのか、それとも中華民国の領土だったのか。
 無主の地だったなら中華民国と結んだ条約が意味を成さず、中華民国の領土だったのなら満州侵略が合理化できない。
 あちらを立てればこちらが立たずだ。
 屁理屈というのはこのようにたちまち矛盾があらわになるものだ。
 帝国政府は満州に鉄道を敷くにも、入植地を拡大するにも、中華民国政府と条約や協定を結んでいた。
 そこが中国領土であることを前提に、そうしていたのだ。
 侵略戦争否定論というのは、じつは帝国政府の公式立場すら踏みにじっているのだ。
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 満州事変について、ネトウヨは以下の事実をどこまで認めるだろう

1.中国軍は日本領土を1mmたりとも侵していない。
2.満州事変は現地軍(関東軍)が勝手に起こした戦争だ。
3.帝国政府は勝手な戦争を追認した。
4.現地軍は満州の資源を奪う必要があると公言していた。
5.帝国政府は満州に移住すれば大地主になれると宣伝し、移住を促進した。
6.満州の農地は現地の人を追放することで無償で入手したものだ。
7.満州の主権者は満州国皇帝だがその権威は「日満不可分一徳一心」すなわち天皇の権威に支えられていた。
8.満州国建国宗廟は天照皇太神宮すなわち天照大神を祀ると定められた。
9.行政機関の長は日本人、上級職はほとんど日本人、公務員の半分は日本人だった。
10.満州国軍は日本軍の補完部隊とされた。
11.第二次世界大戦末期、満州国軍はソ連への寝返りと反乱と脱走により自然瓦解した。
 これらについて認めるならば、その侵略性を否定できないはずだ。
 侵略性を否定するなら、日本が仮に外国からこういう扱いをされても、ネトウヨは文句を言ってはならない。
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