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2020年05月25日17:07

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小説『幽遊白書2』書いてみた!第6話です(*'▽')

第6話 『激震』

飛影が意識を失ってから数時間後。

「あら?またお客さんかしら」
羅刹が洞窟に近づく何者かの気配を感じ呟く。

「めんどくさいのが来ちゃったなぁ・・・。」
修羅はその妖気から誰が来たのかを察したようだった。

3人と完全に意識を失い倒れた飛影がいる開けた場所に1人の妖怪が足音一つさせずに現れた。

険しい表情で口を開いたのは修羅の父親である黄泉だった。
「修羅、貴様何が目的でこんなことを・・・」
「あはははは。決まってるじゃないか。この魔界を掌握するのさ。
パパが言ったことを実行に移してるだけだよ?」
「なんだと・・・」
まだまだ幼かったはずの修羅の容姿の変わりように戸惑う黄泉にしたり顔で会話を続ける修羅。

「パパ、言ってたよね?この僕がナンバー2になってくれたら魔界は俺たちのものだって。
それなのに浦飯幽助なんかにそそのかされちゃってさ・・・
ま、もうそれもどうでもいいことだけどね。僕とこいつら3人で魔界を手中に収めて見せるから」
自信たっぷりの表情でそう言い切る修羅にすさまじい形相でにらみを効かせる黄泉。

「うぬぼれるな!お前程度の実力で魔界をどうにかできると思っているのか?」
「できるね!今の僕にはこの裏世界樹の実があるんだ。パワーアップを続けていけば僕がこの魔界の新たなる王になる。また混とんとした魔界が戻ってくるのさ。」

差し出された右手には裏世界樹の実。

(あれが蔵馬の言っていた木の実「裏世界樹の実」か・・・)

「お前の考えはよくわかった…」

修羅に考えを改める気がないと判断し静かに構える黄泉。
羅刹と悪鬼が鬼へと姿を変えていく。

魔界全土を揺るがす事件の幕開けであった。


―黄泉が修羅の元へ発ってから2日が過ぎた。
黄泉と飛影が戻らないことを受け煙鬼が緊急会議を開いた。

「皆ご苦労。情報は各々耳にしていることと思うが、飛影、黄泉の2名が修羅の元へ行ったきりまだ帰っておらんということについてだ。」
煙鬼が議題について話始め、それを補足するように治安部隊隊長の麒麟が続ける。
「飛影は人間界での調査中、雪菜という女性がさらわれた際にそやつらを追跡した後、行方不明。
黄泉は息子の修羅が首謀者と判明したためその目的を確かめるべく発った。
そして現在2日が経っても帰らずという状況だ。」

「皆の記憶にも新しいと思うが、第2回の魔界統一トーナメント準決勝では飛影は煙鬼殿に、黄泉は棗に負けたとはいえ、いい勝負を繰り広げた魔界でもトップクラスの実力者だ、この2人が仲間が数人いるとはいえ修羅ごときに後れを取るとは到底思えぬ。」
解せぬといった表情で麒麟が皆に状況報告をしたのだった。

「あと2日待って2人が帰らぬ場合は、治安部隊を中心に200名ほどの部隊を結成し、捜索チームとして修羅が潜伏しているとみられる通称「裏世界樹の樹」の根の部分にあいた洞窟へと送り込む予定だ。」
そう麒麟が今後の予定を皆に伝え終わった時、魔界全土へと向けられたテレビの緊急放送の警告音が鳴り響いた。

そして映し出された画面の中心には修羅の姿があった。
「やぁ、魔界のみんな。今日はいいニュースを届けたくてテレビジャックというやつをしてみたよ。」
得意げに話す修羅の容姿にテレビを見ていた魔界全土の妖怪たち皆が驚く。
幼い少年だったはずの修羅が人間で言うと20歳くらいだろうか、、、そのような風貌に変わっていたからである。
傍らには羅刹と悪鬼の2人が立っていたのだが、カメラが少し引いたところで魔界全土に激震が走った。

きれいな花に覆いつくされた棺が1つ。
そしてその中に横たわる黄泉の姿が映ったのである。

第6話 ―完―

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