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2021年10月15日00:04

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水曜は……

 水曜は、仕事の後、TOHOシネマズ海老名で、
 「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」。

 これは、園子温監督のハリウッドデビュー作。
 主演は、ニコラス・ケイジ。ヒロインは、、「CLIMAX クライマックス」のソフィア・ブテラ。

 男は、銀行強盗をしくじり囚われた――それから歳月が過ぎ、ある日、街を牛耳る知事<ガバナー>から、逃亡した女を連れ戻すよう命じられる。爆弾を仕掛けられた特殊なボディスーツに身を包んだ男は女を探して街を出るが、荒れ果てたその地で“ゴースト”と出会ってクルマは大破してしまう。
 怪我した男は、荒野の中の奇妙な世界“ゴーストランド”に運び込まれるが……

 これまでも幾度かハリウッド進出の話があった園子温監督だが、そのいずれも頓挫――今回の企画もクランクインを前に園子温監督が心筋梗塞で倒れ、またしてもダメになるのでは、と危惧されたのだと言う。
 結果として、園子温監督の体調を考慮して、撮影は日本で行われ、その内容を大きく変える事となった――元々、ニューメキシコの砂漠で、「マッドマックス 怒りのデスロード」のような映画を撮るはずだったのに、撮影は京都と彦根になり、多くのキャストの日本人俳優が務める事になった、と。
 結果、映画世界は和洋折衷の奇妙奇天烈なものとなった。遊郭のセットは別の映画のものを転用、ゴーストランドは廃工場を利用したオープンセット、とハリウッド映画らしからぬ、チープで空間の広がりを感じさせない世界には、園子温の作品に懸けるエネルギーの低下を感じたし、物語の方も、意外なくらい「マッドマックス 怒りのデスロード」そのまま。園子温監督が意図した砂漠を改造車が爆走するシーンに代え、日本のど田舎を大量のママチャリが爆走すると言うビジュアルも、ニコラス・ケイジひとりがママチャリに乗るだけ、と、やりたい事が出来てないのではないだろうか?
 まぁ、それでもニコラス・ケイジが主演を張り、ヒロインのソフィア・ブテラも凜々しく美しく、坂口拓が本場のチャンバラを見せる、など見せ場もあるにはあるし、園子温監督が繰り返し描く、核の悪夢も取り入れられてはいるのだが……画面から訴えかけて来るもののない力のない映画には、正直、物足りなさを感じた。

 現状では「ニコラス・ケイジ主演で、彦根で撮った『マッドマックス 怒りのデスロード』(ただし薄味)」と言う内容に興味が湧く人にしか勧められないし、日米で賛否両論と言う評価にも頷けるものだ。
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