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2021年07月18日22:50

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日曜は……

 日曜は、久々にバイクを引っ張り出す……先月、体調不良で目眩を覚えるようになって以来、その後、梅雨入りしたせいもあってすっかりご無沙汰。
 フォト
 
 走り出す……と、結構、白バイが多いな……そろそろ、夏休みと言う事もあるのだろうが、そんな白バイにとっ捕まっているのは、今時のバイク乗りだから年寄りばかり。以前なら、ふて腐れた若造に白バイ警官が説教していたものだが、最近では、路肩の日陰にライダーを座らせ、「おじいさん、もう歳なんだから無理しないで」と言う光景を見る事になる。

 ……それにしても、さすがにこの暑さはバイクだと堪える。

 午後、ブルク13で映画。
 今日の映画は、
 「竜とそばかすの姫」。

 これは、「バケモノの子」の細田守監督の新作アニメ。

 高知の田舎町で暮らしている内藤鈴。歌うことが何よりも好きだった鈴だが、母を事故で亡くしてからは歌うことが出来なくなり、父との間にはいつの間にも溝が生まれていた。
 そんな、現実の世界から心を閉ざした鈴を、親友の弘香は新しいSNSに招待する。それは「U」という世界最大の仮想現実空間。ユーザー「As」と呼ばれるアバターを生成し、現実とは別のもう一つの現実を生きることができる。鈴は「ベル」というAsを作成。「U」の中でベルになった時は歌うことができた。
 ベルの存在は「U」の中で脚光を浴び、弘香のプロデュースにより膨大な数のフォロワーが付くようになる。
 そんな歌姫ベルのコンサートに現れたのは「竜」と呼ばれる無法者。コンサート会場を破壊して逃走した「竜」の正体は何者か?――鈴は弘香と友に竜の手掛かりを追い、その隠れ城に辿り着いたのだが……

 これは、細田守が描く、仮想現実空間での「美女と野獣」――主人公の名前もそうだし、竜の隠れ城とそこに咲くバラ、竜とベルが踊るシーンもある。
 そして、物語の主舞台となるSNSが生み出すコミュニティ空間は、「劇場版デジモンアドベンチャー」、「サマーウォーズ」に続く、細田守の得意とするモチーフであり、そうした異空間と現実とを交錯させながら主人公の成長を描く、と言うのも同様……その意味では、細田守の集大成とでも言えそうな作品になっている。

 アニメとしての見所はやはり「U」の世界で、イギリスの建築デザイナーであるエリック・ウォンによるコンセプトでまとめられた世界は見事で、これは3D作品にしたら更に見応えありそう。
 ベルのキャラクターデザインは、細田アニメとしては異質さを覚えたが、これは「アナと雪の女王」を手掛けたジン・キムのキャラクターデザインと言う事で納得。そんなベルが歌うシーンは、まるでディズニーアニメのようでもある。
 もうひとつのウリは、これがミュージカル映画になっている事で、これは日本アニメとしては珍しい。主人公の声に、実力あるシンガーの中村佳穂を充て、彼女がそのまま歌う事で違和感なく見事なミュージカルシーンを作り上げている。
 尚、弘香の声を充てているのはYOASOBIのボーカル、幾田りらだが……達者な声優ぶりではあるものの、幾田りらを歌わせないのも勿体ないような……
 
 こうした魅力あるビジュアルと音楽で、エンターテイメント性は高く、これまで、私生活を反映したかのような“子育て映画”を続けて来た細田守が、本来あるべき立ち位置に回帰したとも言える作品だが、素直に喜べないのは、この映画、かなり癖と毒が強いのだ。
 SNSが生み出す、顔の見えない悪意……誹謗中傷に、偏った正義の押しつけは露骨なまでに描かれる――それはそれで現実社会の反映であるかも知れないが……
 そして、そんなSNS上の善意もまた、意味のない事だと突き放し、仮想空間ではなく、現実で行動する事こそが意味のある事だ、と言う展開を見せるのだ。その反面、これは細田守の悪癖でもあるのだが、主人公を巡る「コミュニティ」は描いても「社会」を描こうとしない、と言う展開を見せるに至っては、さすがに物語テーマが破綻しかけているように思う。
 ネタバレになってしまうが、映画終盤、鈴の行動にはどうにも無理がある……それまで精力的にサポートをして来た弘香がノータッチと言うのにも違和感があるし、あれは鈴がひとり走り回ってもどうにもならない問題だ。しかも、暴力的な男がいる所に、女子高生がひとりで行く、と言うのは無理を通り越して危険でしかない――ここは、マスコミなり警察なりを上手く動かし、社会として、竜のオリジンを救うべきだったのではないだろうか?
 また、鈴のトラウマ克服と成長が物語の中心であるとは言え、その恋愛感情の方向がはっきりせず、鈴が竜に惹かれ、助けようと思う理由づけが弱く思えるなど、ロマンス部分に関しても弱さを感じる……この辺り、脚本から奥寺佐渡子が抜け、細田守脚本になってからの問題を、本作も相変わらず持っているような感じだ。

 映画としては、ビジュアルと音楽で魅せるし、感動的ではある……だが、どうにもすっきりしない所のある映画だと思う。 
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