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2021年04月10日09:07

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金曜は……

 金曜は、休暇の予定だったが、午前中、経産省の有識者会議に出席しなければならなくなり、休暇を断念……今日は午後半休とし、代わりに月曜、休暇をとった。
 
 で、午後は、横須賀美術館に特別展「ヒコーキと美術」を観に行く。
 https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/4846
 まぁ、これが11日までで、平日にゆっくり観たかったので、今日、休暇が欲しかったのだ。

 会議の後、クルマで横須賀へ……横横を使えば、横浜からは30分で行ける。渋滞もなく、トップを下ろして爽快なドライブ。

 横須賀美術館は、浦賀水道と観音崎灯台を間近に見る好ロケーション……気持ちイイよね。
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 「ヒコーキと美術」は、“海軍の街”・横須賀らしい特別展。
 展示されている絵の多くが海軍機なのもらしい所か……
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 現在のように多様なメディアのない時代、絵画もまたメディアであったのだ、と思わされる戦中の絵画……実機を見て、描かれた絵画は、迫力も違うし、興味深い部分も多い。
 また、軍部の縛りがなくなった筈の戦後の絵画も、決して自由でないのも日本らしい部分だろうか? 

 この日は、展示品の入れ替えが行われており、常設展を観て回る事は出来ず……ライブラリを見た後、美術館前の芝生でのんびり。
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 夕方、横浜に戻り、夕食後、シネマジャック&ベティで、映画2本。

 1本目は、
 「ドリーム・ランド」。

 これは、「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」のマーゴット・ロビーが製作・主演を務めたサスペンス・ロマン。

 1935年、大恐慌に加え干ばつに苦しめられるテキサス。新天地を求めて家族を捨てた父に憧れる17歳のユージンは、納屋で銃傷を負った逃亡犯のアリソンを見つける。
 連続銀行強盗犯で、1万ドルの賞金首のアリソンだが、警官である継父への反発と、傷ついた美女を突き放す事を躊躇ったユージンは、彼女を匿う事にする。
 やがて、アリソンの逃亡を助けようとするユージンは、ここではない何処かへの旅立ちを夢見ると共に、アリソンに惹かれていき……

 この映画、貧しい田舎で不満を抱えている少年が、魅力的な年上の女性と出会って……と言う展開自体は、似たようなものが数多あるものの、それ自体は悪くない。
 問題なのは、そんなありきたりの物語なのに、少年のバックグラウンドを語るのにモタつき、しかも、語り手を少年の妹にすると言う疑問を覚える構成にももやもや。
 更に、ユージンを演じるフィン・コールも中途半端に大人で、むしろこの物語ならもっと少年らしくてもよかったように思う。
 ただ、そんな問題を抱えながらも、この映画、マーゴット・ロビーが出て来るとしゃんとする。
 まぁ、マーゴット・ロビーは悪女も天使の両方様になる女優で、この映画でもユージンのファム・ファタールを完璧に演じており、モーテルでのユージンとの距離の詰め方(最後には“筆下ろし”まで)は、そのカット割から、ワンカットで一気に見せる展開まで、正に文句なしの見事なもの。
 だからこそ、そんな彼女を生かし切る“物語”が欲しかったのだが……


 2本目は、
 「街の上で」。
 
 これは、「愛がなんだ」の今泉力哉がオール下北沢ロケで制作した青春群像劇。
 出演は若葉竜也。穂志もえか、古川琴音、中田青渚、萩原みのりなど、個性的な若手女優が揃っている。

 下北沢の古着屋で働いている荒川青、27歳。恋人の雪に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。
 そんな青に、美大に通う町子から、卒業製作の自主映画への出演依頼が入って……

 これまた滅茶苦茶に面白い。
 物語は、優柔不断で人付き合いの下手な若者が、彼女にフラれ、ヨリを戻すまでの話で、ドラマティックな盛り上がりも、感動的なエピソードがある訳でもない……日常の、ちょっとしたすれ違い、失言、ひっかかり……そこにいちいち「あれ?」と言って立ち止まってみる、そんな映画だ。
  撮影はオールロケで、結果としてカメラを動かせず、多くのシーンでカメラはフィックス。
 固定されたアングルの中、長回しで、登場人物が延々と(あるいはだらだらと)会話をする……舞台劇にもなっていないような感じだが、これが面白いのだ。
 これを、戸田真琴が、
 「映画にならないシーンが続いていく映画」
 と言っていたのは卓見だ。そして、それが嬉しい、とも。

 もっとも、映画は終盤に向けて収斂し、散りばめられていたピースが、あたかもモザイク画をのように映画ならではのシーンを作り上げていく。
 そのうちのひとつ、路上で朝帰りの青と雪が顔を合わせるシーンは傑作――劇場内爆笑であった。

 これぞ、シモキタ・スクリューボールコメディか。
 オフビートなノリは、日本と言うか今泉力哉ならではのもので、その中に人間関係に対する深い洞察、男女間の機微を盛り込んだ。
 これは、今泉力哉監督の新たな傑作だと思う。
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