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2020年11月16日00:41

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土曜は……

 昨日、金曜は、久々に会食……そのせいもあって、夜の映画はなし。

 土曜……夕べの影響もあって、喉が痛く、何だか怠くて仕方ない……そんな状況で、午前中にかかりつけのクリニックに行き、月末の定期検診を予約。今日は、そのまま、映画館へ。

 今日は、ブルク13で映画3本。
 1本目は、
 「ホテルローヤル」。

 これは、桜木紫乃の直木賞受賞作である同題小説を、「百円の恋」の武正晴が映画化したもの。 
 主演は、「弥生、三月 君を愛した30年」の波瑠。

 北海道、釧路湿原を望む丘の建つラブホテル「ホテル ローヤル」。
 美大受験に失敗、更に母親が若い男と不倫の挙げ句に家出したせいで、家業のホテルを手伝うことになった雅代は、心ここに非ずと言う状態のまま、日々の仕事をこなしていた。
 ホテル ローヤルには、非日常を求める様々な人がやって来る。
 だが、ある雨の夜、行き場を失った女子高生と妻に裏切られた高校教師が泊まった事が、ホテルの運命を変えてしまう。そして、雅代はホテルと自分の人生に初めて向き合うことになるが……

 波瑠は、十代の浪人生から10年後までを演じているが、意外と違和感なし。
 それ以上に印象的だったのは、やはり伊藤沙莉で、本人も「これが人生最後」と言う制服姿で女子高生を演じている……実は伊藤沙莉、高校教師役の岡山天音と同い歳。以前は、同級生役でもあったのに、岡山を「先生」と呼ぶ事に抵抗もあった、と言うが……
 
 これは、ラブホテルに集う人間模様……廣木監督の「さよなら歌舞伎町」を思わせる舞台立てだが、ドラマは雅代を中心にした親子の話が軸となり、ホテルの客側のエピソードが少ない。原作小説未読なので原作もそうなのか、映画にする際に刈り込んだのか判らないが、せっかくの舞台を活かせていないもどかしさを感じた。
 それにしても、なんで女子高生と高校教師のエピソードを軸に据えたのか……居場所をなくした2人と、心地の悪い居場所に生まれた雅代を対比させるのが目的としたら、あの後は一体どうなるのだろうか、ともやもやした想いが残る。
 確かに、「ホテル ローヤル」の舞台はよく出来ている。だが、それだけに、そこで繰り広げられるドラマの広がりのなさとが気になってしまった。

 
 映画の後、昼食……20分で済ませてブルク13に戻り、2本目は、
 「さくら」。

 これは、直木賞作家・西加奈子の同題小説を「ストロベリーショートケイクス」の矢崎仁司が映画化したもの。

 音信不通だった父が久しぶりに家に帰って来るとの知らせを受け、年の暮れに長谷川家の次男・薫は実家に帰った。
 薫にとってヒーローで、一家の灯りだった長男の一の死以降、バラバラになった家族のつながりを繋ぎ止めるかのように、薫は幼い頃からの記憶を振り返る――妹の美貴の誕生、さくらと名付けられた犬との出会い、引っ越し、初めての恋と失恋……
 それは、長谷川家の五人と一匹が過ごしたかけがえのない日々だった……

 この物語、長谷川家の3兄妹の成長を通して、愛する事、生きる事を描くもの……だが、映画の出来映えにはあちこちでひっかかった。
 まず、演じる俳優の年齢が高過ぎる――長兄の一役の吉沢亮にしても、高校生から大学生役と言うのはちょっと無理を感じるし、その6歳下の妹を小松菜奈が演じるのだが、さすがにセーラー服を着せても、小松菜奈は中学生には見えないだろう……
 両親役は永瀬正敏と寺島しのぶだが、この2人は現代パートはともかく、子供たちが幼い当時をそのまま演じるのにも違和感を感じた。
 役年齢に対する違和感のなさ、としては北村匠海演じる薫が限界ではないか?

 また、まだ小学校に上がる前の娘にセックスと出産について、妙に生々しく(そして、この下りが妙に長い)教えるのにももやもやしたし、中学生の美貴に因縁をつける女子生徒がくるぶしまでの長さのスカート履いたスケバンって……何時の時代だ、何時の。
 どうにも、そんな描写が引っかかって物語に素直に入れず、抑揚に欠ける展開が映画を更に冗長に、退屈に感じさせる……でも、一番気になったのが、一お兄ちゃん大好きな美貴が、正気を逸しているように思える事。最初っからサイコパスらしさを見せているのだが、一の彼女の手紙を「綺麗だから自分のものにした」と言う辺り、小松菜奈の演技力もあって薄ら寒くなるほどの狂気を感じさせ(それに怯えたように薫が美貴を殴り倒して乱打してしまうのだが)……その後も「子供に帰ってしまった」と語られるのだが、この描写、物語上の15歳の少女ならともかく、小松菜奈が演じてしまうと、本当に狂っているようにしか見えない……そんな娘が中学卒業後、進学もせずにふらふらしているのを咎めない親もおかしい、物語としても最後に何らかの進展をつけておかねばならないと思うのだが……
 それにしても、よくもまぁ、小松菜奈もこんな役を演る気になったものだ。

 これが箸にも棒にもかからない映画ならいいのだが、物語のテーマ自体、そして演じる俳優とその演技に力があるだけに最後まで観られてしまう……本当に、困ったもんだ。


 そして、本日3本目は、
 「THE CAVE サッカー少年救出までの18日間」。

 これは、2018年でタイで起きた洞窟内での遭難事故の救出劇を映画化したもの。
 タイ/アメリカの合作映画で、監督はバンコク出身のイギリス人映画監督トム・ウォーラー。

 2018年6月、タイ・チェンライの少年サッカーチームの12人とコーチが、自然公園内の洞窟探検に出掛けた後、豪雨による地下水位の上昇で洞窟内から出られなくなってしまう。
 遭難から9日後、軍のダイバーによる捜索で、少年らは洞窟の入口から4kmもの奥の空間に避難している事が判ったが、そこに至る洞窟内の数か所は完全に水没している上に、場所によっては人ひとりがやっと通れる程度の狭さ。救出活動は困難を極める。
 雨が降り続く雨期には、洞窟内は完全に水没し、少年たちの命はない。救出チームはポンプで洞窟内の水を抜きつつ、世界中から集めたケイブ(洞窟)・ダイバーたちによる救出を計画するが……

 この映画だが、実際の洞窟、そしてケイブ・ダイバーやポンプ技師などは本人が当時を再現して演じる、と言う事でリアルに当時何が起きたのかを再現している。
 物語は時系列に並べられ、余計な回想シーンや、登場人物の過去なども最小限しか語られず……当時、その現場で何が起きていたのかはよく判る。
 ケイブ・ダイバーと言う“狭い社会”なので、関係者の多くが顔見知りだったりする描写、ケイブ・ダイビングの実態などは興味深く、ポンプの排水で田が水没してしまった農民らが補償金を受け取らず、「子供は村の宝だ。補償はいらない、救助にその金を使ってくれ」と言う辺りは胸が熱くなる。
 ただ、その一方で、遭難に至る描写がなく、時間経過も曖昧なので、タイム・サスペンスは全く盛り上がらないし、プロフェッショナルの緻密な作業は作劇にありがちなミスを呼ばず、救出劇も淡々と進んでしまうので、カタルシスも感じられない。
 事なかれ主義と煩雑な手続きに翻弄される現場と言う、ありがちな構図や、祈祷ばかりに力を入れる旧態依然とした社会、と言うのも描かれるものの、そこへの批判がある訳でもなく……と、確かに、再現ドキュメンタリーとしてはよく出来ていて、救出劇の全貌を理解出来はするけれど、エンターテイメントとしては成立し得ていないではないかと思う。


 夕食は、「ねぎし」で。
 フォト

 帰宅後、何だか疲れていて、何も出来ず……横になったら、そのまま灯りも点けたままで寝入ってしまった……

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