水曜は、久々に本社へ外出。
その帰り、Kino Cinema横浜みなとみらいで、
「PLAY 25年目のラストシーン」。
これは、13歳から25年間に渡る主人公の成長を、ホームビデオの映像で振り返る試みの斬新さで話題を集めたフランス映画。
主演のマックス・ブーブリルは、監督のアントニー・マルシアーノと共同で脚本も手掛けている。
1993年、パリ。誕生日にビデオカメラを贈られた13歳のマックスは、たちまち映像の世界に魅せられ、家族の姿や友人たちとの日々を撮り始める。それは彼のライフワークになっていった。
それから25年後、38歳になったマックスは、撮りためた25年に及ぶ映像を振り返り、編集する――エマと初めて会った日のこと、仲間との夜遊び、旅行、サッカーW杯、ミレニアム、挫折、成功……そこにはマックスのすべてが記録されていた。素直になれず、大切なものを手放してしまったマックスが、ラストシーンを撮影する為に向かったのは……
この映画だが、予備知識なしで見始めたので、宣伝文句通りにマックスの25年を記録していたものと思っていたので、エンドロールで、キャストに俳優の名前が出てびっくり……これは、実際の記録映像ではなく、当時の機材を使い、俳優が演じると言う、フェイクドキュメンタリーの手法を用いた映画なのだ。
フランス本国では、主演のマックス・ブーブリルは名の知られた俳優であり、観客はすぐ仕掛けに気づくと言うのだが……正直、一杯食わされた感じ――まぁ、確かに、これは普通撮らないよな、再現映像ではないか?と疑ったシーンはあったし、ラストシークェンスでは第三者がカメラを持っているカットもあって、何らかの仕掛けはあるだろうと思ってはいたのだが……
それにしても、13歳、18〜25歳、38歳の3つの時代を3人の俳優が演じているのだけど、よくもまぁ、そっくりな俳優を揃えたものだと感心……特に、ヒロインのエマは判らなかったなぁ……
ただ、物語にはちょっと乗れなかった。軸となるのは、マックスとエマの25年で、結局、友達である事に甘えてしまって「好き」のひと言が言えなかった男の話、となるのだが……すれ違い所か、多くの時間を共有、しかも、エマの方から“今、ここで言わなくてどうする”状況を幾度も作られて言えないマックスにはさすがに感情移入出来ず、しかも、マックスの異様なテンションの高さと、その身勝手で、何でも冗談と笑い話にしてしまう態度ばかりが映し出されるのには冒頭でうんざりし、愛想を尽かされるのも当然、と思えてしまった。
仕掛けとしては面白く、工夫も随所に感じられるだけに、主人公に感情移入させてくれれば、と思ってしまった。ヒロインのエマには、惹かれただけに尚更だった。
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