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2020年09月21日00:35

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土曜は……

 土曜は、午前中にかかりつけのクリニックに行き、その後、水槽の水替え。
 夕方、Kinoシネマみなとみらいで、
 「スペシャルズ」
 これは、「最強のふたり」の監督コンビ、エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュによる実話に基づくヒューマンドラマ。
 主演は、ヴァンンサン・カッセル。

 ブリュノが経営する自閉症児をケアする施設「正義の声」は、無認可施設ながら、どんな状況の子供も断らないために、各所で見放された重度の自閉症の子供たちでいっぱいだった。
 「正義の声」では、ブリュノの友人であるマリクによる、ドロップアウトした若者たちの更生団体と連携し、更生中の若者たちへ患者の介護の仕事を提供していた。そうして、ふたりは、社会からはみ出した子供たちをまとめて救おうとしていたのだ。
 しかし、無認可・赤字経営の「正義の声」に行政の監査が入ることになり、施設に閉鎖の危機が迫っていた……

 障害児と、問題を抱える若者、と言うふたつの社会問題に同時に取り組む実話に基づくドラマは、確かに見応えがあるし、自閉症の少年と、ドロップアウトした黒人青年のふたりの関係をもうひとつの軸とした構成も悪くはない。
 ただ、そうしてドラマを作るのであれば、「最強のふたり」のような感動も見せて欲しかった所だし、様々なエピソードを盛り込み過ぎた感があり、未消化な部分がある。また、無認可施設に対する行政の締め付けを、理不尽なものと描いているが、それもいささか一方的に過ぎるかも知れない……貧困ビジネスなど、弱者を食い物とする業者も跋扈している以上、やはり行政による監視や規制は必要だろう。
 ただ、「全ての人には幸せになる権利がある」の信念の下、全てを擲ち、笑顔を作る為に奮闘する人々の姿には心を打たれる。
 そして、そんな現実を知ったからこそ、「他に行政として代替手段を講ずる事が出来ない」のでやむを得ないと弁明しつつも、「正義の声」の活動を無認可のまま容認する、としたフランスの福祉行政の懐の深さにも感心した。


 その後、関内まで歩いて、駅前で夕食。 
 更に伊勢佐木町を散策してから、シネマジャック&ベティで、
 「ソニア ナチスの女スパイ」。
 これは、第二次大戦中、スウェーデンとナチス・ドイツの二重スパイとして活動していたノルウェー女優の実話を映画化したもの。
 出演は、「ヘラクレス」のイングリッド・ボルゾ・ベルダル。監督は、ノルウェーの俊英イェンス・ヨンソン。

 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの占領下にあるノルウェー。国家弁務官ヨーゼフ・テアボーフェンは、人気女優のソニア・ヴィーゲットの人気に目を付け、彼女をプロパガンダに利用しようとしていた。
 一方、隣国スウェーデンはで、ナチス・ドイツを警戒し、情報収集に躍起になっていた。スウェーデンの諜報部は、密かにソニアに接触し、テアボーフェン経由でナチスの情報を得るべく、スパイ活動を依頼。ソニアは、反ナチス活動で逮捕された父親を解放させるため、テアボーフェンに接近して彼の邸宅への潜入に成功する。ソニアはテアボーフェンの寵愛を受け、信頼も得るようになる。そんなある日、テアボーフェンから、ナチスのスパイとして北欧諸国の情報を収集するよう依頼されて……

 人気女優が二重スパイとして活躍していた……と言う、魅力あるエピソードを元にした物語だが、これがどうにもピリっと来ない。
 諜報活動は素人なれど、演じると言う事についてはプロのソニアが、ナチスにスウェーデン、連合軍と言う三つ巴の諜報戦を戦い抜いた、と言う、本筋の面白さが、リアリティの欠如や、盛り上がらないサスペンスなどで減殺されてしまっているし、その一方で、物語はテアボーフェンと、デンマーク外交官との間で揺れる女心を描く、恋愛劇に寄り道……中盤は、スパイサスペンスと言うよりも、恋愛メロドラマのノリだ。
 また、ソニアは、1913年生まれだから、当時はまだ30前。1980年生まれのイングリッド・ボルゾ・ベルダルだと、やや貫禄があり過ぎるのではないだろうか?

 映画としては変に浮ついた部分がなく、抑制の効いた演出にも好感の持てる大人の観賞に堪えるものだけに、スパイサスペンスと恋愛メロドラマの間でどっちつかずとなっているのが勿体なく思えた。
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