木曜は、仕事の後、イオンシネマ座間で、
「ファナティック ハリウッドの狂愛者」
これは、ジョン・トラボルタが、スター俳優の偏執狂的なファンに扮したスリラー。
尚、トラボルタは、これでラジー賞の主演男優賞を受賞している。
ハリウッド大通りでパフォーマーとして働くムースは大の映画オタクで、人気俳優ハンター・ダンバーの熱狂的なファン。
ついに念願かなってサイン会に参加することになるが、そこで思いがけず冷たくあしらわれたことから、ムースの愛情は次第に歪んでいく。
パパラッチで友人のリアからの情報で、ダンバーの豪邸を突き止めたムースは、何度となく接触を試みるが、気味悪がられて激しく拒絶される。だが、ムースの行動は更にエスカレートして……
これはちょっと気分が悪くなる映画だった。
トラボルタが演じるムースと言う男、坊っちゃん刈りの髪型にメガネ、似合わないアロハシャツにリュックサック、と言う格好。映画の知識だけはあるのだけど、社会的常識に欠けて子供っぽく、自己中心的でコミュニティ障害……まぁ、量産型オタクとしてはよくあるステレオタイプで、こんな人物はまぁ、思い当たらなくもない(爆)――まぁ、自分にも多少はこうした部分があるのが心に刺さるのだけど。
そこまではまぁ許容範囲と言えなくもないが、さすがにアウトと思ったのは、ムースに知的障害(恐らく軽い自閉症)がある、とした事……製作者は、映画ファンに喧嘩を売る事になりかねないとして、彼の行為を「精神障害があったから」と言う事にしたいようだが、それこを、酷い偏見の原因ともなりかねない――ここは、素直に、普通の映画ファンを、ハリウッドと言う街が狂わせた、とすればよかったと思う。
実際、ムースの設定を、このように悪意があるとさえ思える偏見に満ちたものにしたが故に、物語設定上もおかしくなっているのと思うのだ――ムースの仕事や、友人のリアの存在など……
クライマックスの展開も酷いもので、状況として凄惨に過ぎるし、そもそも状況と展開の辻褄があってない……大体、現代のアメリカで、メキシコ人の庭師の証言だけで、ハリウッドスターを弁護士も呼ばずに逮捕する訳がないだろうに……
ラジー賞受賞も当然の内容だが、それにしても、あのトラボルタが、よくもまぁ、こんな映画に出る気になったものだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する