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2020年07月26日23:40

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金曜は……

 連休2日目、金曜日も映画三昧。

 今日はずっと川崎だな……本日の1本目は、チネチッタで、
 「死亡遊戯」。

 これは、現在、イベント上映されている「ブルース・リー 4Kリマスター復活祭2020」の中の1本。
 ブルース・リーの死の5年後に公開された映画で、遺作とされる。これをブルース・リーの主演作と言うのには異論もあるようだが……この映画は、ブルース・リーの定番スタイルのひとつとなっている黄色いジャンプスーツにヌンチャクと言う姿が観られる映画であり、その階を上る度に新たな敵が待っている、と言う展開は数多のアクションものの作品に影響を与えたもの。そして、はら自身、初公開時の記憶が残っているブルース・リーの映画でもある。

 ドクター・ランド率いる巨大国際シンジケート組織は有能なスポーツ選手や俳優などを終身契約にし暴利をあげていた。
 人気アクションスターのビリー・ロウもまたシンジケートのターゲットとなり、ランドの右腕のスタイナーは、ビリーを追い回し、シンジケートと契約を結ばせようとしていたが、ビリーは頑なに契約を拒否する。
 痺れを切らしたランドはビリーを暗殺するように命じ、「ドラゴン 怒りの鉄拳」のラストシーンの撮影中にビリーは顔を撃たれてしまう。 ビリーの葬儀が盛大にとりおこなわれたが、実はビリーは一命を取りとめ自分を死んだことにしていたのだ。
 そして、恋人のアンにシンジケートの魔手が伸ばされた事を知ったビリーは、ランドとの対決を決意。ビリーはシンジケートの本拠地に乗り込むが……

 この映画、ブルース・リーが1972年秋にクライマックスのアクション・シーンのみを撮影後中断、翌年の急逝により未完となっていました。五年の紆余曲折の末、残されたフィルムを再構成、リーの代役にユン・ワーやユン・ピョウを使って追加撮影して1978年に公開されたのが本作となります。
 この映画は初めて観ますが、なるほど、これをブルース・リーの主演作と認めたくない人がいるのも判ります。
 前半のドラマ部分はサングラスや変装で誤魔化しながら別人が演じ、アップのシーンを過去作から流用……カットが繋がらない部分や、音声の乱れ、4K修復されたものを大スクリーンで観ると明らかに別人が演じていると判ってしまう部分もあります。
 ただ、クライマックスのシンジケート本拠地(本来は五重塔)での戦いは、実力者はリーの門下生などとの手合わせでもあり、迫力のあるアクションシーンを見せており、これは見応えあり。
 これを本来の形で完成させる事が出来なかったブルース・リーの死去が惜しまれます。

 
 本日2本目は、
 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」。

 これは、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなどを手がけてきた脚本家・古沢良太によるテレビドラマシリーズ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第2弾。
 監督は前作に引き続き田中亮が務める。主演は長澤まさみ、東出昌大、小日向文世らお馴染みのメンバーに加え、本作で“プリンセス”となる子猫ちゃんを、「町田くんの世界」の関水渚が演じる。

 シンガポールの大富豪一族・フウ家の当主であるレイモンド・フウが他界。ブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟が遺産相続を巡り火花を散らす中、フウ家の執事トニーはレイモンドの遺書を公開。そこには、行方知れずの隠し子、ミシェル・フウを次期当主とし、10兆円にもなる資産を相続するとあった。ミシェル探しが始まる一方、世界中から詐欺師たちが我こそはミシェルだと名乗りを上げる中、ダー子も“おサカナ”を釣り上げるべく、身寄りのない少女”コックリ”をミシェル・フウに仕立てて乗り込むのだが……

 このシリーズは、終盤のドンデン返しで一攫千金を我が物にするダー子らコンフィデンスマンのコンゲームが見所なのだが、本作では、多少のマンネリ感は出て来たものの、口八丁手八丁ぶりに一層磨きをかけてきたダー子らに、おサカナたちのゴージャスさもスケールアップ。豪華海外ロケに加え、世界的富豪をシンガポール華僑として、日本人が演じても――ビビアン・スーは台湾人だけど――違和感がない、と言う設定としたのも巧みで、日本映画らしからぬ世界観を見せている。

 ただ、本作の仕掛けるコンゲームは、実は観客に向けられている。
 いや、勿論、コンゲームは仕掛けられ、いつものように赤星が嵌められるのだが――今回は、観客にとって明らかに見え見えで、ドンデン返しにもなりゃしない……と思っていた所で、映画は、まさかの瓢箪から駒、詐欺師が本物のプリンセスを作り出してしまう予想外の感動ストーリーにしてしまうのだ。
 「あなたは何にでもなれる」
 と言うダー子の言葉を詐欺ではなく真実の言葉とし、関水渚も、それに応えて醜いアヒルの子が白鳥となる様を演じて見せた。
 彼女なら、巨万の富を相続する資格あり、と納得させる、シンデレラストーリーで、終盤は涙するシーンの連続……こんな話だとは思っていなかった、と観客を嵌める、見事なコンゲーム。これにはやられた。


 本日3本目は、
 「WAR!!」。

 これは、「クリッシュ」のリティク・ローシャンと、俳優ジャッキー・シュロフの子で次世代スターのタイガー・シュロフが共演したアクション。
 2019年インド映画興行収入1位を獲得している。

 インドの対外諜報機関RAWの腕利きヘージェント、カビール少佐が味方の高官を射殺し逃亡。RAWに衝撃が走る。RAWはカビール抹殺を決定し、ハーリドがそのミッションに名乗りを上げるが、ハーリドはカビールの教え子で、これまで、チームの指揮官と部下として数々の作戦に従事していたことを知るだけに、上官のルトラ大佐はハーリドがカビールを殺せるのか、と危惧していた。
 そして、カビールとハーリド、二人のトップエージェントの死闘が始まるが、その裏には大きな陰謀が潜んでいた……

 本作は、「M:I」「フェイス/オフ」など数多くのアクション映画のオマージュ満載、とされているが、本作が一番やりたかったのは「007」だろう――世界に冠たる大英帝国だからこそ許される、世界を舞台に大暴れを、今やインドも出来るのだと言うことを示すのが本作。
 それに現実のモディ首相の対外強硬路線がリアリティを与え、数多のオマージュも、時間と金をかけ、オリジナル以上にしてしまえば文句あるまい、と言う力技で見せてしまう。
 銃撃戦に、肉体を駆使したパルクールによる追走劇があり、スカイアクションもあれば、バイクアクションにカーチェイス、最後は素手のドツキ合いと、アクション映画の要素はすべてブチ込み、勿論、ゴージャスなインド美女とのロマンスあり、そしてインド映画ならではの絢爛豪華なダンスシーンと、最早、何でもありだ。
 インド映画ならではの、スローモーションを多用したサービスカットはちょっとしつこい感もあったが、中盤以降は、サービスカットを含むダンスシーンが(恐らくカットされて)なくなっている事で気にならなくなる。

 主演2人はいずれも見事な肉体美を誇る。若手のタイガー・シュロフは、インド人としては珍しい“濃さ”を感じさせない顔立ちで、何だか大泉洋みたいだなぁ、と思ってしまった。

 本国版なら休憩が入るインターミッションの後、ドンデン返しがあるのは「サーホー」と同じ。そこで主人公入れ替えをもしてしまうサスペンス要素に、終盤にもう一ヒネリを加えると言う構成は、シリーズ化を意図していない強みか……スケールの大きさに加え、娯楽性の高さに構成の緻密さまでも合わせ持つ極上エンターテイメント。
 この種のジャンルで、インド映画が、ハリウッドに真っ向勝負を挑める事を示す映画だと思う。


 本日4本目は、109シネマズ川崎に移動して、
 「追龍」。
フォト
 これは、1960年代から1970年半ばにかけて、汚職が蔓延し黒社会と繋がっている警察が市民を恐怖に陥れていた時代に実在した黒社会(香港マフィア)のボス、ン・シックホーと警察署長ルイ・ロックをモデルとした実録犯罪ドラマ。
 これをドニー・イェンとアンディ・ラウと言う2大スター共演で描く。

 1960年、香港。中国・潮州から仕事を求めて香港に来たホウたちは、やくざ同士の争いに動員され警察に逮捕される。そんな騒動の中、ホウの腕力に注目した所轄警官のロックは、ホウを助けた。
 やがてホウは麻薬の売買で黒社会の大物となり、恩義を感じていたロックが窮地に陥ったところを救う。二人は次第に友情で結ばれていくが……

 この映画、香港版の「アイリッシュマン」と言う所か。(もっとも、製作されたのはこっちの方が古いのだけど)
 ドニー・イェンとアンディ・ラウの2人が、二十代から八十代となるまでを演じている。
 アンディ・ラウは、代表作のひとつでもある「インファナル・アフェア」でも悪徳警官を演じており、悪びれない端正な美貌の下に悪党を潜ませているのは十八番と言う所だろうか。一方のドニー・イェンは、中盤以降、不自由な足を引きずる役で、お得意のアクションを封じられているのはちょっと勿体ないなぁ、と思ってしまった。

 映画としては、どちらかと言うとかつての香港映画のような熱量と勢いの反面、粗さを感じさせるもので現代的ではない。物語も、善と悪、秩序と混沌、警官とヤクザと言う対立する価値観を混沌とさせたアクションエンターテイメントではあるのだが、残念ながら現在の社会情勢がそれを娯楽として楽しむ事を許さない。
 本作が製作されたのは2018年だから、現在の香港の動向に影響を受けているものではないとは言え、英国統治下の香港を悪の蔓延る魔窟として描き、その根源が英国にあった、と思わせる描写や、最後、ホウとロックが協力して倒す敵が英国警官であると言う描写に、中国が本作に盛り込もうとしたものを邪推してしまうのはやむを得ないのではないだろうか。
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